「CERの森でのモリアオガエル放飼実験」



第1章 〜卵から子ガエルまで〜


 大津市比叡平(琵琶湖西岸で海抜約400m)の民家の池に約10個程のモリアオガエルの泡塊が産みつけられていた (写真)。そのうち5個を譲り受けて、CERの森の人工池(台形型ビオトープ:上底1.5m、下底4m、幅10m、深さ0.3m)の上に取り付けた(2005年6月17日)。



白い泡がモリアオガエルの泡塊


モミジの木にぶら下がるモリアオガエル(矢印)と泡塊




CERの森のビオトープ(6月17日撮影)。   池の上に取り付けた泡塊。白い糸状の物は防鳥ネット。  


 一部はカラスの襲撃にあって食われたものがあったが、大部分が孵化し池に落下した。泡塊も水中でオタマジャクシの餌となり、その役目を終えた。オタマジャクシは、ツツジの枯れた花弁、水草、水中のコケなどを食べるのが観察された。体長は、大きなもので約3cm、小さなもので約2cmになっていた(6月23日)。孵化直後、マツモムシに補食された個体もいたが、成長が進むにつれて、反対にこれを追い払うようになった。この池ではトンボのヤゴやアカハライモリなどの大型の捕食者はおらず、彼らにとって好適な環境であったといえる。金魚の餌につられて、一斉に浮いてきたオタマジャクシを数えたところ、約600匹程この池にいる事が分かった。



卵塊の最後の仕事。オタマジャクシの餌になる。


枯れたツツジの花弁を食べるオタマジャクシ。




孵化直後。マツモムシの餌食になった。


水草(マツモ)を食べている?



 7月上旬には約5.2cmに成長した個体に後ろ足がはえているのを確認した。中旬には無作為に捕獲した個体の約2割に足が生えていた。7月19日には手足が生え揃って、しっぽ付きのカエルになった個体が見られた。このころから上陸が始まり、池の中の個体数がかなり減少していた。7月下旬(7月27日)には、ほとんど池には残っていなかった。持ち込んだ泡塊から、約600匹以上のオタマジャクシが生まれ、43-46日で全個体が池を離れて上陸し、森に分散していったことになる。



しっぽ付きのカエル。


上陸開始。