目的および内容
近年生元素の安定同位体分析は、環境科学や生態学にお ける解析手段の一つとして広く用いられるようになってきました。本ワークショップでは、特に炭素・窒素の安定同位体比分析を用いた「安定同位体生態学」の 研究について議論を行います。ワークショップの内容には、元素分析計の立ち上げ、質量分析計の設定、サンプルの前処理、安定同位体比質量分析計を用いた分 析、データ解析、結果のプレゼンテーションおよび議論を含みます。また、期間中には同位体生態学の基本講義、および実際の安定同位体を用いた研究に関する セミナーも行います。さらに、8月に開催される若手研究者のための夏季観測プログラム in 琵琶湖にも参加される場合は、そこでサンプルを採取し、そのサンプルについての同位体比測定を行うことで、生元素安定同位体比による湖沼生態系の食物網構造の解析手法についても学ぶことができます。
なお、このワークショップは京都大学理学部の「安定同位実習」と合同で行います。ワークショップには学部生から第一線で活躍されている研究者まで、安定同位体比測定に興味を持っている方が全国から参加予定です。
過去の様子はこちらをご覧下さい。
2021年度の様子 2021CERnews150.pdf 完全オンライン
2022年度の様子 2022CERnews150.pdf オンライン2日+来所4日間
2019年度までは全国から約20名が一同に開始、1 週間連続で行ってきました。しかしながら、2020年度、2021年度はCOVID-19感染拡大防止のため、全員に実際に来て、作業をしていただくこと は難しくなり、オンラインで行いました。2022年度は1日の事前オンライン講義ののち、一週間4日間毎日生態学研究センター(滋賀県大津市)に来ていた だき、最終的にオンラインで発表を行いました。今年度もCOVID-19の影響、さらに世界的なヘリウムガス供給不足により、参加者の人数を少なくし、 ワークショップの形態は小規模にします。なお、状況によっては期間途中でも予定変更(来所なし、測定はスタッフ等のみで実施する)、さらには中止などの対 応を行わざるを得ない場合もありますことをご留意いただけますようお願いいたします。
担当スタッフ
木庭啓介 京都大学生態学研究センター 教授 他
外部講師
松林順 福井県立大学 海洋生物資源学部 准教授
開催地
京都大学生態学研究センター(CER、滋賀県大津市)
https://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/access.html
開催スケジュール
8月1日(火) 資料配布開始(各自ダウンロード)
8月4日(金)10:00-12:00
第1日 (オンライン)挨拶、自己紹介、試料の粉砕、秤量に関しての説明
# カテゴリAの方にはこの間に試料の準備を各自で行っていただきます。
9月11日(月)9:00 ~ 15日(金)17:30
実際の測定、講義など@CER(対面)
機械立ち上げから標準物質測定、サンプル測定、測定値補正など。
最終日15日午後に研究成果発表会
9月25日(月)レポート提出締め切り
参加カテゴリ
A 参加者自身の試料(50-60サンプル程度)を提供して測定を行う。
B お試し4点のみ測定
C 持ち込みを希望しない
上記の3つのカテゴリーで参加者を募集します。Aの方 のサンプルを分析して、解析、ワークショップとして行いたいと思います。Aのサンプルは粉砕、秤量済みのものを9月11日までに各自で準備していただきま す。精密天秤が利用できる方が望ましいですが、事前に日時を決めて、生態学研究センター(滋賀県大津市)に来ていただくことも検討いたします。
Bの方は秤量のみワークショップ期間中に各自で行ってください。最終日に5分程度で結果を発表してください。
受講定員
6名程度(応募者が多数の場合には選考を行ないます)。
(A)2名、(B)2名、(C)2名 程度
#理学部実習応募参加者数との兼ね合いによる。
所要経費
受講費は不要ですが、通信費、交通費、宿泊費、昼食代等は各自負担になります。
受講条件
・安定同位体生態学に興味がある研究者(学部生、院生可)
学生・院生の場合は「学生教育研究災害傷害保険」等に必ず加入し、且つ指導教員に参加の承諾をもらっていること。
・すべての日程に参加できる方
・グループワークを行うため、積極的に議論に参加できる方
・データの解析作業は各自のPCで行っていただきます。PC作業環境、Excel等が使用可能であること。
具体的には下記のような作業を行なって補正式を作成して実際に使用するデータを求めます。