北海道

 寒いところが嫌いな私はこれまで北海道に行くことを頑なに拒んできた。しかし、今回、北海道で行われる日本魚類学会に学会運営をする立場上、出席せざるを得なくなり、ついに未開の地に足を踏み入れることとなった。

札幌と言えば、味噌ラーメン。そう、私のラーメンとの出会いは「サッポロ一番、みそラーメン」から始まった。ラーメンゲリラのルーツを探るべく、北の大地に降り立った。

 

説明: 説明: misobata 「麺屋 彩未」

ここのご主人は「すみれ」で修行していたらしいが、本家を凌ぐとの評判で開店と同時に行列必死のお店。小雪舞う寒空の下、外で待つのはちと辛いが噂の味を堪能するためなら致し方なし。で、そのお味はと言うと、、、「なるほど、待った甲斐がある!」と唸りたくなる一杯。本家のようなコッテリ感は抑えられており、すりおろし生姜のトッピングが全体を引き締めてスープに清涼感を与えている。行列待ちの間に先客を覗き込むと、皆、汗を大量に噴出しながら食べているのが不思議だったが、食べて納得。それは、生姜の発汗作用によるものだった。冷え切った体が温まる一杯といえよう。

 

説明: 説明: misobata 「サッポロ赤星」

「シャープな打球 グランド突き抜けろ、 走れレッドスター Let's Go ! 赤星 チャンス切り開け♪」北の大地に赤星到来?いえいえ、残念ながら、こちらの赤星はサッポロビールのラベルに描かれているロゴ(こういう)のようです。魚介豚骨が全盛のラーメン界にあって、ここは鶏ガラ・オンリーで勝負する店。混じり気がないだけに、逆に、鶏の深いコクを堪能することができる。えてして鶏ガラだけのスープは後半に飽きが来やすいものだが、この店では特製の「サバにんにく粉」を置いており、これをふりかけることで魚介風味にガラッと変わる。まさに「一度で二度美味しい」ラーメンといえる。「菅家」同様、トッピングの岩ノリが醤油ラーメンによく合う。

 

説明: 説明: misobata 「すみれ本店」

 言わずと知れた北の名店。ミーハーの嫌いが無きにしも非ずだが、やはり「すみれ」のラーメンを食べずして北海道のラーメンを語ることはできない。街中にある支店ではなく、電車を乗り継いで敢えて本店まで足を運ぶ。スープは噂通り、こってり、まったりの濃厚味噌。放っておくと二層に分離するほど油がタップリと入っている。麺は黄みがかかった中太縮れ麺。単純に美味い! 有名店にありがちな横柄な態度がなく客への気配りが行き届いており好感が持てる。慢心することなく、客をもてなす精神は人気を保つ秘訣と言ってよいだろう。

 

説明: 説明: misobata 「けやき」

 地元の有名店。何かのTVに出て人気に火がついたようだ。雨がパラつく日曜の深夜だというのに行列ができていた。味噌ラーメンにしては濁りの少ないスープで豚・鶏・野菜・椎茸でとったダシが美味い。塩辛くもなく、コッテリともしすぎず、変に突出した特徴が無い分、万人受けするタイプのラーメンである。行列が途切れないのも肯ける。しかし、ここのラーメンを食べると、どこか懐かしい思い出が蘇ってくるのは何故だろう?そうか、「サッポロ一番 みそラーメンだ!!」失礼な意味ではなく、毎日食べても飽きのこないラーメンとはこういうラーメンなんだろうなあ、きっと。

 

説明: 説明: misobata 「てつや」

 いま、札幌で「飛ぶ鳥を落とす勢い」と言えばこのお店。店主は17歳でこの道に入り、幾多の名店で修行を積んで、遂にラーメンの真髄を極めたようである。札幌市内にも多くの支店を持つ。店の看板である背油トンコツ醤油スープの印象を音で表すなら、「ガツンッ」というのが相応しいだろう。パンチの効いた味付けはしょっぱく感じる向きもあるが、とがってはいない。黄色みがかった太目の特性熟成麺がスープの強烈な個性とよく絡んでいる。なお、店の隣には「TETSUYA JUKU(てつや塾)」なるお店がオープンしていた。週1日のみの営業で、メニューも「鶏清湯出汁(とりちんたんでじる)そば08」のみという限定づくし。名前からすると、「てつや」とは全く趣向の異なるアッサリ系と思われるが、次回は是非チャレンジしてみたい。

 

説明: 説明: syouyu_ra-men 「管家」

 札幌で味噌ラーメンに食べ飽きたなら、ここの醤油ラーメンを食べに来るべし。鶏ガラでダシをとった正統派のあっさり醤油ラーメンが味わえる。もちろん、定番のナルトも入っている。

 

説明: 説明: misobata 「一粒庵」

 味噌ラーメンと言うと、塩辛かったり、ニンニクが効きすぎたりと人前に出るときはついつい食べるのを躊躇いがちなものである。しかし、ここの味噌ラーメンはとても優しい味がする。ダシが薄いわけでも、油が少ないわけでもなさそうだが、何故だろう?味噌の甘み?はたまた、ラードの甘み?中太縮れ麺とシャキシャキモヤシがスープによく絡み相性抜群。