静岡

 なぜ、静岡から見る富士山は茶色いのだろう?甲斐の国に生まれ、子供の頃から富士山を見て育った私にとって、富士山は青いものと相場が決まっていた。あらためて、山梨から望む清々しく聳え立つ富士の素晴らしさを実感した次第である。さて、ラーメンだが、今回は静岡駅周辺しか回れなかったため、静岡ラーメンの特徴は掴みきれなかった。マグロや桜エビなど地の素材を活かしたご当地ラーメンというのがあってもよさそうなものだが、、、。いずれにせよ、静岡には、掛川ラーメンなど有名なラーメン処もあるので、いま一度丹念に周ってみたいと思う。

 

 「イタリア軒」

 このお店、名前や外装からはとてもラーメン屋とは想像がつかない。なにせ、店の外壁にはでかでかと「Ajiの亜奈場」の文字が躍る。おそらく、「味の穴場」と言いたいのだろう。しかも、Ajiの「A」の文字が富士山を形どった、そのセンスにはもはや脱帽するしかない。店内に入ると、寂しげなイタリア風ギタージャスが流れるが、イタリア料理は一切ない。メニューはラーメン各種と餃子の純粋なラーメン屋。オムレツラーメンなる怪しげなメニューが、唯一、洋食屋を想起させる。外観、BGM、メニューと不安要素満載だが、とりあえず、手打ちラーメンを注文。麺はこれまで出会ったラーメンの中で最も太い平縮れ麺。「ワイルド手打ち麺」と銘打つだけあって、そのインパクトは強烈だ。モチモチした食感が堪らない。スープは濃い口醤油のあっさり味。チャーシューには、三ケ日産豚を使用。私好みの硬めに煮しめたチャーシュー、柔らかめのバラチャーシュー、鶏チャーシューの3種類が載り、味と食感にアクセントを与えてくれる。結論から言おう!店は見かけによらないものである。

 

岐阜

 東西南北に長い岐阜の言語文化は地理的に面白い。東は甲信越の文化圏で甲州出身の私にも馴染み深い。しかし、西に進むと突然、関西弁の言語圏に切り替わる。南に下ると、名古屋弁訛りがきつくなる。どこに境界線があるのだろうと、つくづく不思議に思う。はたして、ラーメン文化と言語文化には対応関係があるのだろうか?

 

 「子天狗」

岐阜を代表するラーメンと言えば、やはり「飛騨高山ラーメン」。まだ、本場の飛騨高山ラーメンは食べたことがない。しかし、極秘活動でちょっと岐阜に立ち寄ったので、とりあえず岐阜市内で飛騨高山ラーメンが味わえるお店に飛び込んだ。こじんまりした店構えで、飲み屋風(いや、飲み屋がメインかな?)の内装。 あっさり醤油の魚介系スープに細ちぢれ麺という私好みのラーメン。次は、飛騨高山に足を運んで本場の味を確かめてみたくなる、そんな味わい深いラーメンだった。