植物プランクトンの有機物生産とその行方−プランクトン群集の食物網構造―

 

中西正己(京都大学名誉教授・総合地球環境学研究所名誉教授)

 

植物プランクトンの生活を「光合成」と「呼吸」という生理過程を通して理解する方法論を基本に、1968−2001年にかけて琵琶湖を主対象水域として植物プランクトンの有機物生産とその行方について調査研究を行なってきました。その主な成果を紹介します。

 

1.琵琶湖における植物プランクトンの光合成による有機物生産量の測定(測定法の検討を含めて)及び光合成過程で見られる細胞外排出有機物質の量的・質的研究(バクテリアのエネルギー源)

2.生産された有機物質の行方:植物プランクトンの総生産量・呼吸量・純生産量・細胞外排出有機物量・動物プランクトン(Copepoda, Cladocera, Rotifers)による摂食量の評価

3.サイズ分画によるプランクトン群集の食物網解析−琵琶湖とバイカル湖の比較―

 

以上の3つ内容について話題を提供させていただきます。