「適応の視点と進化の視点からみた表現型可塑性研究」
西松 聖乃
2つの視点から見た表現型可塑性研究レビューを行う。これまで生態学的視点から実験室において表現型可塑性の反応基準(環境条件と表現型との関係)を検出した研究が行われている。生態学において表現型可塑性は競争の緩和と新規ニッチの開拓の点で重要視されてきた。一方、近年では進化的視点からモデルを用いて表現型可塑性が種分化を引き起こすというような研究もなされ、表現型可塑性がさらに注目を浴びている。ここでは反応基準の検出を試みているいくつかの論文を重点的に紹介する。