琵琶湖沿岸内湖群における動物プランクトン群集の研究

山口真奈

 

これまでの動物プランクトンの群集組成に関する先行研究では、貧栄養湖では水深、そして富栄養湖では魚類や水草が動物プランクトン群集にあたえる影響が最も強いと考えられてきた(Amsink et al. 2006Cottinie & De Meester, 2005)。しかし、湖の空間的な構造を考慮した研究や、実際に野外の魚類群集と動物プランクトン群集との関連性を評価した研究は少ない。このため、この研究では湖の空間構造や、魚類の群集組成が動物プランクトンの群集構造に与える影響を野外で検証することを目的としている。

 

調査地:

琵琶湖沿岸にある18の現存内湖。それぞれの内湖は琵琶湖本湖と繋がっていて、メタ群集構造をなしている。

方法:

年2回一斉に18の内湖を回り、内湖内の数箇所で動物プランクトンを採集し、固定後に実態顕微鏡で同定、カウントを行う。その後、動物プランクトンの群集構造と環境特性との関係性を統計的に解析し、検討する。

 

測定する環境特性:

オープンウォーターの水深、溶存酸素濃度、pH、温度、電解度、TPTN、クロロフィルa濃度、濁度、魚類相、内湖と琵琶湖との距離。