小野口剛(京都大学生態学研究センター・’07.4〜’09.3在籍

 
 
 

研究テーマ

熱帯雨林の伐採が野生動物に与える影響の評価

-ストレスホルモンを指標に

                

マレーシア・ボルネオ島にあるデラマコット森林保護区(Deramakot Forest Reserve)において、同じ食肉目であるジャコウネコ(Viverridae)とベンガルヤマネコ(Prionailurus bengalensis)の糞中に濃縮された糖質コルチコイド濃度を測定し、森林伐採の程度や人間活動がこれらの野生動物のホルモンレベルにどのように影響しているかを調査しています。


糖質コルチコイドはストレスホルモンとも呼ばれ、人間を含めた様々な動物でストレス指標として用いられています。このストレスホルモンを人為影響下の熱帯林の健全性や、森林伐採による動物への影響の指標として用いることができるのではないかと考えています。


またジャコウネコはボルネオに8種が生息しており、拾った糞の外観などからその種を同定することはできません。そこで糞中に残るDNA解析を利用した種の同定法の確立を行っています

 

ベンガルヤマネコ

Prionailurus bengalensis)

ジャワジャコウネコ

(Viverra tangalunga)

ジャコウネコの糞。果実を食べるので大きな種子が入っていることも多い。

持ち出される木材