清 拓哉(京都大学生態学研究センター・ gCOE 研究員)

 
 
 

研究内容


 日本列島や琉球列島等を含む東アジア島嶼域は約2000万年前からその地質学的な形成が始まったとされています。この地域の動物相は多くの固有種を含むだけでなく、島ごとに集団が遺伝的分化している種を多く含み、各島嶼の形成過程が大きな影響を与えてきたと考えられます。大学生時代に琉球列島を訪れ、島ごとに生物相が違うということを肌で感じ、その多様化過程に興味を持ち、トンボ類等の水生昆虫の多様化過程を分子系統解析を通じて研究してきました。

 世界レベルのみならず、日本においても様々な生物について絶滅の危惧が指摘されています。レッドデータリストといった、絶滅の恐れの有る「種」のリストが環境省や各地方自治体等から出版されていますが、その多くでは地域集団の遺伝的固有性という視点が欠如しているように見受けられます。南西諸島の多くの島では水資源の確保等のために、陸水環境が大きく改変されてきました。島嶼というものは一般的に淡水資源に乏しい所が多いもので、それは人間にとって都合が悪いだけでなく、陸水環境の生物の生息可能な環境が乏しいことも意味しています。琉球列島の陸水生生物達を多角的に研究し、陸水環境の保全に携わっていきたいと考えています。


業績(短報等含む)

  1. 1.清 拓哉. (2003) 兵庫県南部からのハネビロトンボ未熟個体の記録. Gracile 66: 37.

  2. 2.Kiyoshi, T and Sota, T. (2006) Differentiation of the dragonfly genus Davidius (Odonata: Gomphidae) in Japan inferred from mitochondrial and nuclear gene genealogies. Zoological Science 23: 1–8.

  3. 3.Tokita, M., Kiyoshi, T. and Armstrong, KN. (2007) Evolution of craniofacial novelty in parrots through developmental modularity and heterochrony. Evolution & Development 9: 590–601.

  4. 4.Kiyoshi, T. (2008) Differentiation of golden-ringed dragonfly Anotogaster sieboldii (Selys, 1854) (Cordulegastridae: Odonata) in the insular East Asia revealed by the mitochondrial gene genealogy, with taxonomic implications. Journal of Zoological Systematics and Evolutionary Research 46: 105–109.

  5. 5.細谷忠嗣・清 拓哉・川下悠希. (2009) 鹿児島県トカラ列島宝島の水生甲虫類. 甲虫ニュース 165: 5–9.

  6. 6.Kiyoshi, T. Differentiation history of dragonflies in the insular East Asia revealed by the gene genealogy (Odonata: Hexapoda). In F. Columbus (Ed.), Phylogeography: Concepts, Intraspecific Patterns and Speciation Process. Nova Science Publishers, New York. (in press)

  7. 7.Hosoya, T. and Kiyoshi, T. Records of the genus Baryrhynchus (Brentidae, Arrhenodini) on Akuseki Island of the Tokara Islands, Japan. Elytra. (in press)

 


京都大学

生態学研究センター

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他のメンバー

 研究員:竹内 剛

 研究員:奥山 永

 m2:近藤万里