2023年9月17日
最近、ブログ更新の間隔が開いてしまい、ごめんなさい。入院・手術後、ステント除去も無事に終わり、現在はとても元気ですので、ご心配無く。また、健康のための一日に飲むお酒の減量と週一日の休肝日は、現在も継続しています。

さて、科研費申請の時期です。今年度は、ある地方自治体との共同研究として、今までの私の研究とは全く異なる内容の、大変挑戦的かつ斬新な研究テーマ・内容で申請しました。この研究は、私は京大や琵琶湖に戻ってきてから15年ほどになりますが、この間に滋賀県や琵琶湖の環境問題にも関わってきた中で大変難しい課題に直面し、「これって、どうしたものか?どうやっても解決できないのでは?」という状況を知ったことに端を発します。今までは、私は当該課題について、単に「難しい」とだけ感じていたのですが、ある時、「ひょっとして、これは『研究』として位置づけるべきなのでは?今まで誰も取り組んでいない、取り組もうとしてもきっかけすらつかめない、そんな課題こそ『研究』として取り組むべきなのでは?」と考えるようになりました。ですが、当該課題、今までの私の研究経験だけでは部分的にしか対応できません。そこで私は、地方自治体所属のある研究者に相談し、当該自治体との共同研究として企画して科研費申請しました。おそらく審査員は、「中野が変な提案をしている。これは、真面目にやるつもりなのか?」と、疑問視するかもしれません。ですが、当該研究テーマは私が実際に直面している課題であり、またその課題は当該自治体が取り組み始めて未だ対応できていないものです。それどころか、同様の課題は海外(欧米)でも報告があり、海外でも未だ十分に解決されていません。私は、そういった誰も解決できない課題こそ研究対象とすべきであり、研究者が自らの専門を活かして取り組むべきと考えます。私が対応できない部分は、当該自治体の研究者に助けてもらいますし、当該自治体には他にも協力してくれそうな方々が多くおられます。私は、まずはこの科研費申請を成功させ、次のステップ・アップもすでに視野に入れてすでに準備を進めています。カッコ付けるものではないですが、Paul WellerのBrand New Startですね(当該科研費申請が上手く行けば、の話し)。

さてさて、本日は学生さんと一緒に論文投稿を雑誌のウェブサイトから行い、その後、当該学生と就職のことや将来のことで世間話をしていました。すると、話しの流れからその学生さんが気が付かなかった点が見えてきて、彼が少しずつ元気になってきました。彼は、「少しというか、だいぶ希望が見えて来ました!」と、私のオフィスに入ってきたときよりも元気になって部屋を出ていきました。休日出勤ではありましたが、教師冥利につきるというか、私も幸せをいただきました。大変、ありがたいことです。


2023年9月9日
現在、日本中では、BIGMOTERと損保ジャパンの不正の件、およびジャニーズ事務所の人権侵害の件が社会的に大きく注目されています。私は、これらのような組織的な問題が発生し、組織のトップや執行部が記者会見を行う際、いつも「自分なら、どうする?」と考えてしまいます。組織の危機に際して、当該組織に対して社会が何を求めており、当該組織のトップ・執行部はどう対応するのか?対応はどのようなタイミングで、どのような形式で行うのか?は、大変難しく、かつ何とかしなければならない重要な課題です。自分たちが「これで良い。十分である!」と考えていても、社会・世間は納得しない・許してくれない状況は、往々にしてあろうと思います。また、一回の説明だけで済むものではないでしょう。私は、京都大学生態学研究センターという日本の国立大学に設置された小さな部局の長でしかありませんが、それでも組織のトップです。また、私のセンターは日本を代表する研究大学の一部であり、高邁な精神、高い倫理観と不屈の探求心が社会から求められています。私のような小さい存在ですらも、組織の危機に際して自らの尊厳を保ちつつ、残るべきか去るべきかを自分で判断する優れた見識が求められていると、ボンヤリと考えています。

2023年8月26日
8月20日からの一週間は、京大理学部の「陸水生態学実習I」、共同利用・共同研究拠点ワークショップ「若手研究者のための夏季観測プログラム in 琵琶湖」と「DIWPA International Field Biology Course」の同時開催をしておりました。今回は、京大理学部と農学部の学生さん、およびタイのValaya Alongkorn Rajabhat Universityの博士課程大学院生の参加を得て開催となりました。

まずは琵琶湖北湖で、調査船「はす」に乗船しての実習ですが、夏の琵琶湖、最高!

学生さんが協力して、透明度測ったり、採水したり、プランクトン採集したり、

ベントス獲ったり、

別の日には、堀切港から渡船で沖島に渡って、

投網を投げて、魚を獲ったり

ここでもベントス・水生昆虫獲ったり、

もちろん、室内作業も行ったり、

パワーアップのために、沖島弁当を美味しくいただいたり(右下は、ビワマスの煮付け。これは、最高に美味かった!)と、水圏生態学・陸水学の楽しい実習となりました。また、最後の成果発表プレゼンは、参加学生全員が英語で口頭発表し質疑応答も英語で行うなど、国際的な雰囲気に満ちていました。

今回の企画は、皆様のおかげで、事故やトラブル無く、皆がニコニコと楽しい雰囲気のまま大成功に終わりました。参加学生さんたちは、みなさん「いやー、楽しかった!めっちゃ、良かったっす!(日本語、英語)」と、我々にとっては大変ありがたい感想をくださいました。参加・ご協力いただいたすべての方々に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました!


2023年8月12日

約2週間のご無沙汰です。実は尿路結石のために手術を受け、数日間、入院しておりました。今年の4月末に血尿と強い腰痛を覚え、病院に行って結石が判明、その後、水分をたくさん摂っていたのですが7月になっても石は出てこず、手術に至りました。私の石は、どうやら尿酸を主成分とするもののようで、レントゲン検査(カルシウム主成分の石なら、良く見える)ではほとんど見えません。このため、超音波による破砕(レントゲンで石を確認しながら行う)はできず、全身麻酔の後、内視鏡・レーザー破砕を行ってもらいました。幸いにも、手術は無事成功で、担当されたお医者様の晴れ晴れとした表情に私も安堵しました。と言っても、手術当日の記憶はほとんどなく、断片的にいくつかの事項を憶えているだけです。手術は、8月8日のびわ湖花火大会の日に行われたのですが、(病室から観えなくはない)花火を観るどころか、花火の音すら聞こえないくらい、病室で絶対安静でした(ほとんど、寝ていた)。現在もなお、私の尿管にはステントという26センチの器具が入っており、微量の出血がありますが、まあ大丈夫でしょう。

4月末に発症して、8月に手術とは、「なんでそんなに放置したのか?」とお思いの皆様もおられるでしょう。でも、幸か不幸か、私の尿路結石は、5月以降はほとんど痛くなかったのです。石がある位置に固定されたまま動かず、そのためか痛みも違和感もなく過ごしておりました。なので、6月上旬の中国・南京、7月中旬の韓国・済州島のEAFESも出張しました(お医者様は、「鎮痛剤を忘れるな!」とおっしゃっていました)。でも、7月に入るとさすがに「もう、ええ加減にせえ!」となり、済州島に行く前に手術を決めました(私が、「石を取ってください」と言った時のお医者様の安堵した顔を思い出す、、、、、)。

私は、今回の病気をきっかけに、7月下旬から一日に飲むお酒の量を従来の半分に減らし、かつ「休肝日」も設けました。私は、8月1日で57歳となったのですが、60歳近くになると、さすがに体のあちこちが悪くなります。50歳を超えた頃から体の変調はありました。嫌なことではありますが、仕方のないことでもあります。人間、さまざまな病気を抱えながら、なんとか努力・工夫して、上手く病気と付き合いながら仕事しなければなりません。でも、たいていの病気とは共存しながら仕事はできると思います(どんな仕事・病気かにもよりますけど)。諸般の事情から(私を必要としてくださる方々がおられますし)、まだまだ頑張って仕事をしなければなりません。

2023年7月30日

毎日暑い日が続きます。

久しぶりに観たヒラタクワガタ。小さくて、かわいくて、てかてかに光っています。

生態研に、虹がかかっていました(先週かな?)。以上、今回は、これまで。みなさま、暑いけど、熱中症に注意して、お互いに元気に過ごしましょう!


2023年7月23日
7月17日から19日まで、韓国・済州島で、東アジア生態学連合(EAFES)の第10回大会が開催されました。この大会、当初は「まあ、最大600人くらいかな、、、」と、実行委員会側では想定していたのですが、なんと、フタを開けてみると、800人ほどもご参加くださいました!最終的な統計、および楽しい写真は、いずれ韓国側から情報・資料提供があります。もうしばらくお待ちください。EAFES済州島、本当に、本当に、特に若い方々が大変盛り上がっていました!実行委員会メンバーとして、こんなにウレシイことはありません。EAFES済州島に関わってくださったすべての皆様に、心から御礼申し上げます。次回のブログ更新で、もっといろいろな楽しい情報をご提供差し上げます。

2023年7月2日
まだまだ梅雨ですが、今日は暑いっ!さて、今年は「お世話する年」です。

まずは今週の6日木曜と7日金曜は、全国臨海臨湖実験所長会議を当センターで開催することとなり、私がメイン・ホストです。で、その次の日の8日土曜日は、第22回生態学琵琶湖賞の授賞式と記念講演会。私は、当該賞の選考委員長なので、受賞者選考をお世話しており、必ず出席です(出席どころか、通訳もする。英語から日本語と、日本語から英語のダブル。まさに、素人通訳!)。さらに7月17日から20日は、東アジア生態学連合(EAFES)の第10回大会が韓国・済州島で開催であり、私はEAFESの事務局長・日本代表(生態学会のEAFES担当理事)として毎月のEAFES運営委員会(オンライン)にも必ず出席し、韓国・中国側とともに準備をしてきました。なので、これも必ず参加しなければなりません。また、8月20日から26日は、京都大学理学の「陸水生態学実習I」、「若手研究者のための夏季観測プログラム in 琵琶湖」、「DIWPA International Field Biology Course」を同時開催し、私がメインホストです。さらには9月25日から27日は、日本海洋学会の秋季大会が京大で開催であり、私は実行委員会の副委員長・プログラム委員長なので、これもお世話しています。加えて来る10月の中旬から下旬にかけては、共同研究がスタートした中国のNIGLASの秦教授ら数名(10名にはならないと思う)のお世話があります。多分もうこれで、今年度内にお世話する会議などは無いと思いますが、、、、。

なかなか、結構、忙しいでしょ。でも、いずれの機会も、若い研究者の活躍の場であったり、皆様の貴重なネットワーキングの場であったり、励みの場となるでしょうから、喜んでやっています。


2023年6月24日
今月の、定期観測における琵琶湖北湖のプランクトンの様子は、、、、

つまり、ミクラステリアスだらけ!写真は、合田船長がご撮影・ご提供くださいました。
で、先日、私の愚息が送ってくれた、彼のアパートに迷い込んだオニヤンマ。


結構、大きいし、とても美しい。最後は、昨日見つけたノコギリクワガタ。私に気が付くとキリっとしてカッコ良い(左)のだが、その直前までは一心不乱に蜜を吸っていて(右)、ちょっとだらしない。


2023年6月17日
6月10日から13日まで、3年ぶりに中国に行けました!コロナ後、初の海外出張です。今回は、国立環境研究所の松崎慎一郎博士とご一緒しました。南京のNIGLAS(中国科学院南京地理与湖沼研究所)にて、秦伯强教授が獲得した国際プロジェクトのキックオフ会議です。

中国湖沼では太湖、日本では霞ヶ浦と琵琶湖です。どうでも良いことですが、私って小っちゃいなぁ、、、。態度だけは、大きいと言われますが、、、、。

で、これも何年かぶりに、太湖の研究ステーションを再訪しました。いくつもの施設が更新され、ますますパワーアップしていました。太湖と霞ヶ浦は、共にshallow lakesであり、共通点が多く、長期モニタリングデータも整備され、湖沼間比較が容易です。一方、琵琶湖・南湖もshallow lakeであり、滋賀県、国、大学などの研究機関による多様で豊富な長期モニタリングデータが強みです。すでに、日本側にも大学院生・ポスドク・教員で、太湖に興味を持つ方々が出てきており、今後の発展がとても楽しみな日中共同研究がスタートしました!

んで、、、、大津に戻り、生態研に出勤してみると、、、、6月15日夕方、ようやく今年最初のこいつがいました!

去年より、一週間ほど遅いかも、、、、。でも、いよいよ私の大好きな季節の到来です!


2023年6月4日
2023年6月1日から2日にかけての台風による大雨で亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、浸水等の被害に遭われた皆様に対し、心よりお見舞い申し上げます。

さて、先週の水曜日から仙台入りし、木曜日は附置研・センター会議総会と共同利用・共同研究拠点協議会総会、およびこれらの間に文部科学省・大学研究基盤整備課による政策動向説明がありました。特に文科省・大研課の説明は、今後の生態研にとって大変重要な案件が報告されました。さらに次の日、金曜日の午前中には、当該案件に関わる重要議論を他大学の方々とオンライン会議をホテルから行いました。

で、それから大津に向けて帰宅の途についたのですが、、、。新幹線で品川まで来たら、動かない。「ん?さては、、、、」と嫌な予感がしたのですが、案の定、「台風による大雨で、当列車はしばらくの間停車します、、、、」云々。「ああ、逃げ切れなかった、、、、」と思ったのが、午後3時前くらいでしょうか。その後、ずいぶんと待ちましたが、もちろん新幹線は動かない。ネットで雨雲レーダーなぞを見ていると、しばらく線状降水帯は抜けそうにない。でも、午後8時か9時には抜けるか?みたいな素人考えをしておりました。が、新幹線の車内アナウンスでは、「もし雨の状況が改善されても、復旧には相当の時間がかかると見込まれます。お客様には、旅行予定のご変更をお願いします」と言っています。でも、これでどこかのホテルで一泊となるのも(事務的に)ややこしいし、それならいっそ新幹線泊だ、、、とか考えていました。そこで、午後6時半かな?駅弁を買い(「海苔弁 山」というやつ。有名らしい。めっちゃ美味かった!)、「籠城する作戦」を考え、覚悟を決めました。しかし、その後、アナウンスがあり、「JR東海は、本日の全ての新幹線の運休を決めました」との連絡がありました。たまたま、ホーム上の駅員さんの近くにいたので、「運休ということは、もうこの新幹線は動かないということでしょうか?」と聞くと、「はい、そうです。この列車は、車庫に入れます。なので、このままご乗車いただくことはできません」とのこと。車庫に入れるとなると、「新幹線泊」、「籠城」はできません。ああ、万事休す。そこで、あわててホテルを探しましたが、品川周辺のホテルはどこも満室。一泊3万円以上の部屋も満室。蒲田周辺、川崎・横浜周辺もダメ。東京、新小岩、日暮里とかもアカン。最終的に、船橋(千葉県)のホテルに投宿しました。でもまあ、そのホテル(クロス・ウェーブ船橋
)はとても良いお部屋(値段は手ごろで、とても広くて、キレイ!)で、正直に安堵しました。

次の日、まずは早朝、ホテルからエクスプレス予約で新幹線の予約をしましたが、回線が混んでいて、なかなかつながらない。午後1時から順次試し、ようやく午後五時の予約ができました。で、ホテルをチェックアウトして、切符の払い戻しで船橋駅に行くと、なんとまあ、私と同じ状況で船橋まで流れてきた方が何人もおられます。つまり、私は決して珍しいケースでは無かったのです。その後、東京駅に行くと、、、、、今まで見たことのないほどの黒山の人だかり!改札口に到達するまで何時間かかるのか?と思いました。その場所は、JRからの乗り継ぎの改札口であったので、一旦、駅を出て、新幹線構内に直接入る改札口に来ると、こちらは空いています。でもアナウンスで「当駅は現在、大変混みあっており、ご入構にはかなりの時間がかかります。このため、すでに切符をお持ちの方は、なるべく早くご入構をお願いします。」とのことなので、出発の4時間前でしたが、入構。しばらくすると、「当駅は現在、多くの人で大変危険な状態にあります!」とかアナウンスがありました。たしかに、どこもかしこも人だらけというか、ホーム上はもみくちゃ状態。私は、予約の列車まで時間があったので、ホームには上がらずにしばらく下で待機。

結局、私の列車は40分ほど遅れて発車。何とか帰宅できました。が、博多行の新幹線は1時間半遅れ。皆さん、大変お疲れさまでした!


2023年5月27日
先日、琵琶湖調査に出た赤塚さんの報告によると、琵琶湖北湖の水温成層状態が始まったこと、および水深10から20メートルにかけてクロロフィル濃度が増加し、またクロロフィルには2つのピークが出ているとのことです。表層水温が20℃くらいなので、ようやくウログレナが増殖しやすいかな、、、、。

拙宅近くの公園でも、コクワガタが出て来てくれました。
でも、ホタルはまだ少ないです。ここのところ、夜が寒いし、乾燥してるからかもしれません。写真もビデオも撮影したのですが、上手くアップできない、、、、。ここのところ、ソフトの調子が悪いようです。なんでやろ。

それにしても、あの方のご子息は、まさに「バカ息子」、「ドラ息子」ですね。あんな方は、用いるべき人材ではない。とっとと更迭しないと、あの方ご自身が、、、、。でも今まで、あの方が登用した人材に問題があった際のあの方の対応を観ると、あの方は結局なんのかんのと言いながら、逃げるのでせう。いつもいつも、そうなんだもの。だって、我々の方を気にせず、ご自身の一族郎党や関係者の方しか見ていないんだもの。

2023年5月18日

おととい、今年も出てきました!右は、拡大写真。



2023年5月14日

本日現在、まだ石は出て来てくれません。。。。。ああ、落ち着かないし、不安だ!早くコロコロっと、出て来てくれ!なんてこったい!

ところで明日、ようやく中国のビザが取れそうです。太湖での新しい研究については、同じ職場の教授、うちのラボの研究員と大学院生が興味を示しております(ありがたい!)。当該教授と研究員は、湖沼中の窒素動態に興味を持っているのですが、太湖では系内の窒素レベルが高く、明瞭かつ確実なデータが得られそうとのことです。当該大学院生は、琵琶湖のタイヨウチュウの生態を研究していますが、琵琶湖の場合は富栄養的である南湖だとタイヨウチュウの動態がはっきりと捉えることができ、それに対して貧・中栄養的な北湖ではタイヨウチュウの現存量が低くてあまり良い結果が得られません。このことを考えると、タイヨウチュウの研究を太湖で行えば、素晴らしいデータが得られそうです。このブログをご覧の皆様、中国・太湖での研究はいかが?

ところで先日、あの方が超有名な某米誌の表紙を飾りました。ですが、当該記事の表題に問題があり、かつ表題と記事の中身に乖離があるとして、わが国政府が当該米誌に働きかけ(抗議でしょうな)、表題を変更させたとのことです。この件については、さまざまな専門家が多様なご意見を述べられておられます。が、いく人かの専門家の見解にもありますが、私は米国側のあの方に対する評価は、まさにオリジナルの表題の通りなのであろうと思います。さらに私が残念に思うのは、わが国政府がマスコミに直接働きかけた(圧力をかけた?)ことです。大体、あの方が海外からも含めて他人からそのように見られていること自体は、「不徳の致すところ」、「身から出た錆」です。あの方は、広島での大イベントを前に多くの国を歴訪され、積極的にわが国をアピールしてくださり、私はこのことについては彼の仕事を高く評価して差し上げます。ですが、国内でのこれまでの仕事については、御厨貴先生が2023年5月10日の朝日新聞朝刊、「総合4」、「追従」、「岸田官邸の実像:番外編2」でご指摘の通りである気がします。御厨先生のおっしゃる「状況追従主義」しか見えてこないから、あの方ご自身の信念・信条が他人に伝わらず、「阿諛追従」的側面しか見えてこないように思われます。しかも、為政者側がマスコミに圧力をかけるのは、いかがなものか。そんなことすると、ますます「軍事的」って言われそうな気がしますが。。。。。


2023年5月6日

みなさま、今年の連休はいかがお過ごしでしょうか。私は、困ったことに先週金曜日の午後から尿道結石による血尿が出て、石が出るまで待っておこうと思っていたら痛みが強くなり、先日の土曜日夕方に救急で医者に診てもらいました。土曜日の夜だったので、泌尿器科の専門ではないお医者様に診ていただき、月曜日に地元の大病院の専門家に診ていただくことになりました。で、月曜日に専門医に診ていただくと、専門家としてはそれほど大した結石ではないとのこと。とりあえず薬を処方していただき、後は「とにかく水分を摂って、早く石を出す!」です。やれやれ。。。。今も鈍痛が。。。。

ところで、今朝の朝日新聞に、「大谷VS.トラウト効果:怒声でつぶすな」というコラムがありました。このコラム、先日のWBCで日本が優勝し、わが国の子供の野球熱・人気が大いに高まり、「僕も/私も、野球選手になりたい!」という子供たちが増えているのに、少年野球の監督やコーチによる指導では彼ら大人の怒号が飛び交い、せっかく夢と希望をもって野球を始めよう・続けようとしている子供たちのやる気をそいでいるのは大変良くないとの内容でした。実は、拙宅の近くの小学校でも、土日祝日に少年野球が練習や試合をしています。残念なことに、特に練習中なのですが、大人の監督やコーチは大声を張り上げ、その声は時に怒号に聞こえます。私はそれを聞いていつも、「教育や指導って、そんな声を出さなければできないのか?そんな大きくて怖い声を子供が聴いたら、逆に委縮してしまうし、子供が野球をやりたくなくなるのではないか」と思っていました。今朝の朝日新聞のコラムを読んで、私が今まで見てきたことは実は全国的に起こっている現象であり、そのことについて私が感じていることは実は他の人もそう感じていたのかと、思いました。でも、良くないことですね。教育や指導は、教わる側の人々を恫喝したり恐怖に陥れることではないでしょう。そりゃ、時には教わる側の問題もあるし、教師と言えど人間ですから、大きな声が出ることはあります。でも、あんなにしょっちゅう聞かされると。。。。。。ねえ。


2023年4月30日
「最近、ブログの更新頻度が落ちていますけど、、、、」と、ご指摘いただきました。。。ごめんなさい。こんな拙ブログを読んでいただいているなんて、感謝感謝です。

さて、国際陸水学会(SIL)では、以前「The SIL Student Competition」としていた大学院生などの若手研究者による論文の表彰を、今般新たに「Brian Moss Student Competitionここをクリック」として再スタートします。最も重要なことは、応募者はSILのメンバーであることです。そのため、「これを機会にSILメンバーになる!」でも良いですし、そしてせっかくメンバーになられたのであれば、今後のSILで(末永く)ご活躍ください。学生会員であれば、学会費はかなり安い。

若手研究者のみなさま、是非是非ご応募ください。応募書類を私(中野: nakano@ecology.kyoto-u.ac.jp )に、締め切り(6月15日)までにお送りください(私は、SILの国代表なので)。優秀論文に選ばれると、ブラジルのSILにご参加いただき、なんとプレナリーとしてご講演いただけます。国際会議でのプレナリーは、大変名誉なことです。実は私は、1995年のサンパウロのSILに参加しました。情熱的なブラジルの人々、フェイジョアーダ(豚の煮込み)とカイピリーニャ(焼酎みたいな飲み物)、シュラスコ(大きな肉塊の串焼き)をいただきながら、陸水学を満喫しました。また、当時は滋賀県琵琶湖研究所の(ヒラ)研究員でしたが、大会場内に琵琶湖研のブースを設けて、滋賀県新作のプランクトンビデオを紹介しました。どれも素晴らしい思い出です。若い皆様には、是非、この充実感を味わっていただきたい。

さてさて、今年のホタルですが、「えっ?!ホタルって、もっと暖かくなってからの時期。5月下旬か6月頃じゃないの?!」とお思いの方々も多いのでは。実は、ホタルの幼虫はもう二週間ほど前から光っています。とは言っても、まだまだ数が少なく、ここ数日は少し寒いので、見つけにくいと思います。私が二週間ほど前に近所の用水路で見つけたホタルの幼虫は、数百メートルの間にたった一匹のみ(水とコンクリートの境目あたりに)。でも、長い時間その場に立って、複数回、間を置いて光を確認しました(写真は撮れなかった)。今年は比較的早い時期気温が上がってきたので、ホタルの成虫が出てくる時期も少し早いかもしれません。


2023年4月12日

今朝の朝日新聞に、元グーグル社員でAI研究に携わってきたMeredith Whittaker氏のインタビュー記事が掲載されていました(朝日新聞朝刊、経済・総合6)。彼女は、ChatGPTなどのAIの信頼性や安全性に疑問を呈し、マイクロソフトが出資するオープンAIがChatGPTの一般公開に踏み切った判断を「無責任で、無謀な行い」と断じました。また、このインタビュー記事の後半には、現在はデータの提供者(彼女は、「広告主」としています)がお金を支払い、インターネット環境下にある人なら誰でも当該データ(彼女は、「商品・サービス」としています)を無料で入手できるという世界の潮流に我々が流されてしまったことにも危惧を示していました。つまり、誰でも簡単にタダでデータが得られるようになった結果、巨大IT企業がデータと権限を集中的に取り込むようになってしまったということのようです。彼女は、「これは『監視ビジネス』の中心」であり、さらに「彼らは『テクノロジーは無料である』という魔法のような考えを、一般の消費者の間に広げることに成功した。」と述べています。

現在、我々研究者が論文を発表する際、論文を提供する側がお金を支払って当該論文をオープン・アクセスにするように求められます。オープン・アクセス論文は、インターネット環境下にある人なら誰でも当該論文を無料でダウンロードできます。つまり、我々が論文をオープン・アクセスにすればするほど、巨大IT企業を利することになるのかもしれません。でも、現在のこの潮流は、止められない。

オープン・アクセスになった論文が、実は科学的に正しくない方法でとられたデータに基づいているとか、あるいは適切でないやり方で査読がなされていたとかすると、ChatGPTが導き出す回答は間違った内容のものとなるだけでなく、間違った内容・結果に基づいて行政施策などが行われると社会的混乱が生じ、人びとを不幸に陥れ、結果的に科学に対する信頼が失われかねません。


2023年4月1日
今日から新年度です。明けましておめでとうございます!今年度も、どうぞよろしくお願いいたします。今日はエイプリルフールですが、以上も以下も、ウソではありません。うちのラボでD4と半年かけて今年の3月23日付で博士学位を取得したDeb Soumya君が我々が彼に贈った記念品である着物と袴を着て、満開の桜の前で記念写真を撮りました。

(あれ?どういうわけか、画像が表示されない、、、)この記念品、彼がとても欲しいとのことでした。彼の趣味が民族衣装とのことです。喜んでくれて、とてもウレシイです。なお、右端にいるのは、同じく今年の3月23日付で博士学位を取得した蒋夢奇君ですが、彼もスーツを着てくるかと思いきや「いや、私はちょっと、、、」とのことで、でも無理やり(?)に一緒に写真を撮りました。気持ちの良い、春の日でした。春と言えば、どうしても桜のイメージがありますが、今の生態研の近くにはタンポポもキレイに咲き誇っています。

この花は、やたらとデカかったので、撮影しました。とても気持ちの良い、一年で最も心躍るような季節です(花粉さえ無ければ、、、、、)。

ところで現在、来る6月10日からの中国・南京出張のために、ビザの取得手続き書類の作成をしていますが、、、、この書類(ウェブ入力)、かなり面倒です。また、ビザの取得のためには、本人が直接に中国ビザ申請センターに出向かねばなりません。コロナ前までは、日本人が中国に行くためにビザを取る必要は無かったのですが、、、、。ビザ無しで中国に行けるよう、早く前のシステムに戻ってくれないかなあ。


2023年3月22日

WBCでの日本の優勝、おめでとうございます!特に、悩める主砲であった村上選手が、準決勝と決勝でとても重要な一打を放たれたこと、素晴らしい!彼のような若い方々は、世界の大舞台で貴重な経験をつむことが、まずは今後の日本にとって重要ではあります。ですがもちろん、そのチャンスで活躍されるとさらに良いです。とにかく、おめでとうございます!

さて、もうすぐ次年度です。私は、次年度は会議や学会大会のお世話の「当たり年」です。具体的には:
〇7月6日と7日:全国臨海臨湖実験所長会議(当センターで開催)
〇7月17日から20日:東アジア生態学連合(EAFES)。私は、日本生態学会のEAFES担当理事であり、EAFESの事務局長でもあります。が、今回は韓国の済州島での開催であり、韓国生態学会の皆さまがとても良くお世話してくださっています。詳しくは、ここをクリック
〇9月24日から28日(多分):日本海洋学会秋季大会(京都大学で開催)。私は、プログラム編成委員長。。。。なんと、海洋学会の大会参加は、約20年ぶり!私でお役にたてるのかなあ。。。。。

あ、あと、4月21日に当センターで開催の生態研セミナーは私の担当です。今回の生態研セミナーは「生態学的ストイキオメトリーDAY」です。詳しくは、ここをクリック

また、いよいよ海外出張も入ります。上記の韓国・済州島に加えて、6月中旬ごろに中国・南京(NIGLASのBoqiang Qin教授との共同研究キックオフ会議。国環研の松崎博士と出席予定)、8月上旬に中国・南陽(南陽師範大と河南師範大。国際シンポとか)と、連続して中国・温州大学(親友の李仁輝教授との研究打ち合わせ)が決まっています。また、中国・武漢の水生生物研究所(IHB)では国際河川湖沼環境シンポジウム(ISRLE。日韓中の陸水学会の合同大会)も開催されます(IHBのXu博士がホストか)が、これはいつの開催なのか、まだ検討中です(日本側の担当は、日本陸水学会の国際幹事さん)。ISRLEにも、行かねばなりません。中国出張が多いのですが、私は中国には強い興味を持っており、行きたい!と思っていますので、今からとても楽しみです。「やっと行ける!」ってことです。国内外のいずれの機会も、わが国の科学の発展のために極めて重要ですので、体調を整えて元気にしっかりと仕事・議論して来ます。また、もちろん、可能な限り若い方々にも(興味があり、「やるぞっ!ということであれば)一緒に動いていただきます。


2023年3月12日
WBCでは、日本の快進撃が素晴らしいです。WBCのみならず、サッカーワールドカップでも、日韓戦はある種独特の雰囲気や盛り上がりがあります。お互いに良きライバルとして、共に切磋琢磨したいものです。また、中国やチェコのチームからは、野球に対する真摯さ・ひたむきさを感じ、敬意を覚えました。そう言えば、今夜はオーストラリア戦か。強敵やな。

さて、ガラっと話は変わりますが、韓国の大統領であった金大中氏は、民主化運動を推し進める過程で何度か牢獄に入れられました。でもその度に、彼は「むしろ時間ができた」と考え、牢獄で拷問を受けながらもトインビーの著作など多くの書物を読破して自ら研鑚しました(「金大中自伝(I)」、岩波書店)。元ロシア外交官であった佐藤優氏も、国策捜査のような形で逮捕され、牢獄に入れられました。しかし佐藤氏も「これで勉強できる」と考え、史記列伝など数多くの書物を読んで研鑚しました(「国家の罠」、新潮文庫)。小説家の安部譲二氏も、牢獄生活をむしろ社会人としての実力を上げるバネとしました(これは有名な話し)。昨今、わが国から遠く離れたところにいて国民のための仕事をしない方が話題になっていますが、彼は我々のための仕事をする器と見なせるかどうか。彼は単なる野狐禅かもしれない。


2023年3月8日
今日、生態研で、今年最初のつくしを発見しました!私の春第一号です!

ん?でも昨日、カエルの鳴き声を今年初めて聞いたなあ。そっちが春第一号か。


2023年2月26日
一か月間もご無沙汰しております。実は、前回の更新の日以降、大変辛い出来事がいくつも起こり、ブログを更新する気持ちになれませんでした。かと言って、悩み苦しんでいるというのとは違い、実際、「滋賀割」を2回分、約2万円を全て日本酒購入に充てるなど、心身ともに大丈夫(?)ではあります。でも今はもう少し、心を静かにしておきたいと思います。でも、ご心配にはおよびません。ってことで。

2023年1月25日

久々の大雪です。

でも、交通機関が大混乱でした。特にJRは、昨日の夕方あたりから本日の午前中まで動かない(後に、ほぼ丸一日動かなかったと判明)。特に新快速にご乗車のみなさんは、昨日はラッシュ時間帯の混雑にも関わらず、9時間も車内で待機させられたとか!大変にお気の毒。お疲れ様でした。


2023年1月21日
新春快楽!兎年大吉!ところで、去る1月18日に中国人留学生の蒋夢奇くん、1月20日にはインド人留学生のDeb Soumyaくんの博士論文審査・公聴会が開催されました。

二人とも、研究者としてはまだまだ未熟ではありますが、これでようやくプロの研究者としての「黒帯取得」です。まさに、これからが勝負です。彼らは、いずれは母国に戻って、優れた研究をたくさん行ってさらに自分の研究を発展させつつ、後輩指導・人材育成に取り組むのでしょう。二人とも、頑張れよ!そして、これからもよろしくね!私は貴兄らの「日本人のお父さん」です。相談したいことがあれば、遠慮しないで連絡してね!

2023年1月15日
今年の4月から義務化ということで、、、、、

私の行きつけの自転車屋さんで、買っちゃいましたっ!もう古いデザインかもしれませんが、その分安くて、お買い得♡


2023年1月7日

現在、益田肇氏の「人びとのなかの冷戦世界」(岩波書店)を、再び読み直しています。まだ途中ですが、本書の81ページから85ページに記述のある朝鮮戦争勃発当時の世界情勢は、まさに現在のロシア・ウクライナ戦争中の世界情勢と良く似ています。欧米や日本の当該戦争への対応に対して、インド、アラブ諸国、アフリカ諸国、東南アジア諸国の対応は異なっており、当該戦争に対して(我々の感覚からすると)冷ややかとも取れるものです。ひょっとすると、当該戦争に対して、今後の世界はどう対応するかについてのヒントを得るためには、本書は何らかの教示を与えるものかもしれません。

それにしても、「新しい〇〇主義」だけでも何を意味するのか分からないのに、今度は「異次元の〇〇〇対策」ですか。意味不明な言動で我々を混乱させ不愉快にさせる権利は、彼には無い。そんな国民を愚弄する権力を、我々は彼に附託したつもりはない。

2023年1月3日

あけましておめでとうございます(昨年、中野家と女房の家を合わせて3名も亡くなったので、喪中ではありますが、、、、ま、いっか!)。今年もどうぞよろしくお願いします。で、正月の夜は、毎年恒例のウィーン・フィル ニューイヤーコンサートです。今年も、ドナウとラデツキーを満喫させていただきました。何かこう、実況中継でのニューイヤーコンサートのドナウとラデツキーを聴くと、「ああ、年が明けたなあ!今年も、頑張るぞーっ!」って気持ちになれます(その時だけかも)。ホント、何かスッキリさせてくれます。ありがたいことです。

さて、今年のニューイヤーコンサートでは、楽団等のメンバーに多様性がみられたのも、嬉しくなりました。まずはオーケストラのメンバーですが、チェロ奏者のお1人がアジア系の方のように見えました(でも、後でHPで調べたら、その方はオーストリアご出身でした)。また、今年はウィーン少年合唱団およびウィーン少女合唱団も一部の曲目に協力してコンサートが行われたのですが、「少年」の方では何人ものアジア系の方々が見られました。今後、欧米やアジアだけでなく、世界中からのメンバーがオーケストラや合唱団に加わって、コンサートをさらに盛り上げてくれることを期待します。

Dear Wiener Philharmoniker
Thank you very much for your holding the New Year's Concert 2023. I was very much encouraged through it, enjoying especially "Blue Danube" and "Radetzky". My impression was also derived from the words by the Direcor, Franz Welser-M
öst. For the concert 2023, you collaborated with Vienna Boys' Choir and Vienna Girls' Choir. In the former choir, I found there would be some Asian singers, and this made me happier to listen to your music. I do hope your orchestra and the choirs will have more diversity not only by members from developed countries/regions but also by those from developing contries/regions. I strongly believe high diversity would have more progress, advance, development and growth for organizations, nations and countries/regions (though Japan is the country with less diversity,,,,).

2022年12月25日

みなさま、今年も一年間、大変お世話になり、誠にありがとうございました。来年も、どうぞよろしくお願いいたします。来年こそは、世界中の人々が幸せに、楽しく、安全快適で、健康に明るく過ごせる世の中になって欲しいです。とにかく、みんなが幸せにならなければなりません。では、良い年をお迎えください!

2022年12月18日
吉良竜夫先生の「地球環境のなかの琵琶湖」、人文書院、1990年を読みました。吉良先生は、私が滋賀県琵琶湖研究所の研究員として就職した時期の当該研究所の所長でした。当時の私は28歳でしたので、もうかれこれ30年ほど前です。当時の私は、まだ極めて若く、ペーペーの研究員にもかかわらず、吉良先生には、正直、あまりなついていませんでした。今になって、たまたま上記の本を拝読しましたが、本書を読んでわかったことは、吉良先生の自然環境や生態系に関する極めて深いご造詣であり、彼のご造詣は歴史や文化にも及んでいます。また、吉良先生は国際的にも優れてご活躍されたのですが、驚くことにご活躍の場をゼロからご自身で確立されたのです。さらに、彼は滋賀県でのお仕事を通じて、琵琶湖の環境保全の在り方や、我々の社会の在り方にまでご提言されておられます。私は、本書を読んで大変強く感銘を受けました。そして、「若気の至りではあるが、あの当時、吉良先生ともっと近しい関係となって、より多くを先生から学んでいたなら、私は社会人としてもっと高いレベルに行けたかもしれないのに、、、、」と、若い時分の自分自身に後悔しました。残念なことに、彼は2011年にご逝去され、最早彼の薫陶を受けるチャンスはありません。

さて、今朝のNHKの「日曜討論」のテーマは「原発”方針転換”、エネルギー政策を問う」でした。私はこれを観ていて、ある発言に大変驚きました。当該番組には、国際環境経済研究所・理事の竹内純子さんがご出演だったのですが、番組の終了近くになって、彼女は「再処理、最終処分」の議論の際、「私見だが、国境というものは動くものなので、現在は、原発の放射性廃棄物は当該廃棄物を出した国の責任で処理しなければならないが、私はこれにこだわる必要は無いと思う。将来的には、放射性廃棄物を国際的に管理する方が良い。」とおっしゃいました。私はこのご発言に、思わずのけぞりました。私がのけぞった理由は、彼女のご発言の最初の部分に「国境というものは動くものである。」というのがあったからです。私は、彼女のこの一連のご発言に、背筋の凍る思いがしました。

さてさて、中国ではゼロコロナ政策が大きく転換され、住民の移動の自由度が急に高くなったようです。が、あまりに急な「開放」のため、お店や各種施設の準備が整っておらず、状況が混乱しているとマスコミ報道されています。しかし、さらに良くないことには、今までは科学者やウィルスの専門家が「コロナは極めて危険なウィルスである。罹患したら、大変なことになる!」と国民に流布していたのが、ここにきて一転して「コロナは風邪のようなもので、罹患しても大したことない。。。」と、手のひらを返したような説明を国民に対して行っているとのことです。こうなると、国民は騙されていたことになりかねず、国民はもはや誰を信じたら良いのか分からなくなりますし、そもそも科学や専門家に対する信頼が損なわれます。21世紀における中国の科学・技術の発展は驚異的に素晴らしく、中国国民からの信頼や期待は極めて高いでしょう。我々研究者・科学者は、国民からの支持・支援・信頼・期待を失ったら、仕事ができません。さらに、我々の活動は国際的であり、世界人類の幸福と福祉に貢献しなければなりません。

ただ、「急展開」や「手のひらを返したような」案件は、わが国でも起こっていますね。12月17日の各紙新聞のトップで報道された、わが国の安全保障に関する件です。KSDさんの本件の進め方は、拙速以外の何ものでもない。彼は、「人の話を聴くことが、自分の長所である」と、かつて宣っておられたが、彼はどうやら自分自身を良く理解していないようです。これまでの多くのケースにおいて、彼の決断は遅く、決断に至るまでの彼の発言は新聞などのマスコミ報道を一切知らないようなものばかりであり、彼は発言する度に国民感情を逆撫でしています。「兵は拙速なるを聞くも、未だ功久なるをみざるなり(孫子)」とは言いますが、孫子が言うようなケースは一時的にはアリかもしれませんが、今回のKSDさんの件はわが国が続く限り継続しますし、周辺諸国との関係調整に相当な努力を必要とするでしょう。物事の進め方について、私はKSDさんに以下の言葉を贈りたい:「あなたは、蚊がおしっこをする音を聞いたことがありますか?政治とは、それよりさらに繊細なものです。」、スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチ著、奈倉友里訳、「亜鉛の少年たち:アフガン帰還兵の証言」(増補版)、岩波書店、2022年、73ページ。
 ただ、国家の安全保障を考える場合は、以下のような言葉もあります:「一時的にそうせざるを得ないなら、平和と友好に訴えよ。実際の手段としては戦いと防御を用いよ。」、(中国の古いことわざで、恭親王が使った)、塚越敏彦、松下文男、横山司、岩瀬彰、中川潔訳「キッシンジャー回想録:中国」、上巻、岩波書店、2021年、81ページ。


2022年12月11日(メンバーリストを更新しました。遅くなって申し訳ありません。)
今日は、町内大清掃!コロナのために、秋の分が中止となっており、せめて年内に一回はやらんとアカンなぁ、、、、ってことでした。あらかじめ業者が樹木や蔓植物をかなり刈り取ってくれてはいましたが、雑草は、、、、すごい状態でした。町内大清掃って、面倒くさいのですが、でもさすがにこの状況ではやらないと。で、大量の雑草ゴミが出たのですが、うん、街中がスッキリしました。今日出たゴミは、大津市が回収するのですが、、、、先日の大山修一先生のお話しを活かすなら、「廃棄ではなく、分解」として、肥料などに有効活用できるのかもしれません。

さて、サッカー・ワールドカップでは、日本チームの大躍進が我々を熱狂的に喜ばせてくれました。森保監督、選手の皆さんをはじめとする関係者全ての方々に、心から御礼を申し上げます。ホント、久々に良いニュースをいただきました。ありがとうございました。今回のワールドカップでは、日本のサッカーチームが世界の強豪を凌駕する時代は、それほど遠くないと感じた方は多いと思います。わが国が約30年をかけて育ててきた日本サッカーは、もうすぐ世界のトップレベルとなるのでしょう。少なくとも私は、そう感じましたし、とても幸せな気持ちとなりました。ちなみに、これから始まる国際卓越研究大学(大学ファンド)は、25年間のサポートですが、この制度もわが国の大学を世界のトップレベルに押し上げるものにならなければなりません。また、我々大学人も、国・国民の付託に応えなければなりません。

さてさて、私事ながら嬉しいニュースが2つありました。一つは、私のラボで博士学位を取得し、現在は滋賀県琵琶湖環境科学研究センターでポスドクをしている蔡吉君が、彼が雇用されているエチオピアのタナ湖の調査研究から無事に戻って来て、数多くの写真やビデオと共に素晴らしい土産話を聴かせてくれました。彼にとっては、日本以外では初めての海外出張であり、しかもつい最近まで内戦状態にあったエチオピアです。でも、タナ湖周辺は治安が回復し、彼はエチオピアを大変満喫したようで、かつとても貴重な体験の数々を得ました。彼の嬉しそうな様子を観て、私は本当に心から嬉しく思い、彼の成長に感謝しています。さらに、もっと私事ながら、私の愚女(長女)と愚息は、二人して韓国・大邱市で開催のSIGGRAPH Asia 2022https://sa2022.siggraph.org/en/に、大会運営ボランティア(?)として参加して来ました。愚女はすでに社会人ですが、仕事を休んでの参加のようです。愚息は大学院生ですが、指導教員から許可をもらったようです。彼らからは、大邱市での楽しそうな写真が何枚も送られてきていますが、当然ながら日本人はほとんどおらず、外国人だらけ!でも、二人とも立派にボランティアの仕事をしてきたようです。蔡吉君にしろ、うちの子供たちにしろ、大きくなって、しかも海外で立派に活躍している様子を観ると、本当に心の底から嬉しさがこみ上げてきます。こんな気持ちになるってことは、オレも年を取ったのだなぁ。。。。。

 
2022年12月3日
昨日は、第16回京都大学・東京フォーラムに、部局長として参加しました。このフォーラムは、首都圏における京都大学の情報発信、および各界でご活躍の京都大学関係者の結束を図るため、毎年、東京で開催されています。今回のフォーラムで行われた講演の中で、大山修一先生(大山先生紹介)のご講演は、まさに目から鱗で、とても素晴らしいものでした。彼の講演は、アフリカ・ニジェールにおけるゴミを使った砂漠緑化活動で、短い紹介ビデオもあります紹介ビデオ。私は、ペットボトルやサンダルなどのプラスチックゴミは、難分解であり、捨てられると環境中に残留してどうにもならないものだと思っていました。が、実際にはそうではなく、プラスチックゴミは砂漠から水分が蒸発するのをある程度防ぐことが出来、またそのことによってゴミに集まってきたシロアリの住み家の一部として機能します。さらにサンダルは幾層かの構造を持ち、ある層の素材(エチレン)はシロアリの餌となります。アフリカでも、家庭ゴミは様々な内容物から構成されますが、自然界の生き物はとてもたくましく、どの内容物も無駄にせずに利用して、餌・水分保持・ハビタットなどの資源としてしぶとく生きています。もう、ビックリ!でした。このようなことで、家庭から出された生ごみやプラスチックゴミを一緒くたにして砂漠にまくと、シロアリがそれらを分解しつつ巣を造って、そしてやがて植物が生育するようになります。本当に、ゴミをまくだけなのです!これにも、超ビックリ!でした。もちろん、だからといってゴミの投棄をお勧めするものではないのですが、現在の世界的な化学肥料供給不足、およびこのことによるわが国の食料安全保障が危うくなっている現状に鑑みると、大山先生が最後に言われたメッセージ(ゴミは、今までのように「廃棄」の対象として考えるのではなく、「分解」の対象として考えてみても良いのではないか)は、心に響きました。大山先生の行われておられるご研究は、まさに我々の生活スタイルを変えるものであり、パラダイム転換のきっかけともなり得るものです。わざわざ東京まで行った甲斐がありました。ありがとうございました。

さて、以下は生態研および拙宅近くの紅葉です。

急に寒くなりました。。。。。。

2022年11月26日

今日は、中国の温州大学で開催のWorld Young Scientist Summit 2022https://www.wyss.org.cn/で講演しました。このシンポジウム、元々は昨年中に開催予定でしたが、コロナ禍のために延期となっていたものです。が、ご存知の通り、中国は現在もゼロコロナ政策なので、今年も開催は難しいと思っていましたが、温州大学のある地域は、まだそれほど厳しいゼロコロナ政策はとられていないのかも。私の講演は、招待してくれた温州大学の李仁輝教授と相談して、より多くの人が関心を持ち理解しやすいものとして、「Long term changes in water quality of Lake Biwa with special reference to global climate change」としました。おかげさまで、チャットにはたくさんの感謝のコメントをいただきました。その後、他の講演も聴いていたのですが、ほとんど全てが中国語講演なので、てんで分からなかったのですが、でもNIGLASのQinglong Wu教授の講演ではアオコが発生する太湖での微生物ループの内容であり、何とか理解しようと努めました。でも、質問はできなかった。。。。

ところで、つい2,3日前、自宅でラジオをBGMとして流していると、ロシアの作曲家リムスキー=コルサコフの交響組曲「シェヘラザード」が流れてきました。実は、私はこの曲が大大大好きなのです!もう45年ほど前の話しなのですが、私の祖父と父親(いずれも、故人)はステレオが趣味の一つで、録音状態の良いレコードを音楽雑誌(「レコード芸術」だったか?)から選んで購入しており、ズービン・メータの指揮による「シェヘラザード」が「ステレオ・ラボラトリー」というシリーズから販売されていたのを購入しました。当時、小5か小6だった私は、この曲を聴いて完全にハマってしまい、それ以降、現在に至るまで、時々聴いています。この交響組曲は4つの楽章から成るのですが、私が特に好きなのは第3楽章と第4楽章です。でも、これから初めて「シェヘラザード」を聴かれる方は、必ず第1楽章から順番にお聴きください。そうしないと、第4楽章の「物凄さ」が理解できません。初めて「シェヘラザード」をお聴きになられる方、きちんと第1楽章からお聴きくだされば、最終楽章で「鳥肌が立つほどの感動」を覚えるでしょう。ちなみに、第3楽章の「若い王子と王女」は、大変に美しい曲です。私は、いわゆる愛についての曲では「シェヘラザード」の第3楽章とIwan Falsの「Yang Terlupakan」が大好きなのですが、「シェヘラザード」の第3楽章は本当に美しい!この日も、ラジオを聴きながら感動していました。そして、「ロシアって、こんなに素晴らしい音楽、こんなに美しい音楽を創る人間をたくさん輩出してきた国なのに、なんであんな愚かなことをしたのだろう。。。。こんなに素晴らしい、感動させる音楽を産み出す国なのに、なんであんなに惨いことをするのだろう。。。。」と思い、とても悲しくなりました。私は、バイカル湖調査などで何度もロシアを訪れ、現地の人々の優しさや温かさを知っています。このことも含めて、今般のロシアの所業が残念でなりません。

2022年11月19日
先週は、更新できず、ごめんなさい。今日は朝から、12月1日に開館する滋賀ダイハツアリーナhttps://shiga-arena.jp/の開館記念式典に招待され、参加しました。「なんで京大生態研のセンター長が?」と、お思いの方もおられましょうが、京大生態研は当該アリーナの近隣施設なのです。招待された方々は、ほとんどが車での来場ですが、黒塗り・運転手付きの車でご来場のエライ方々も多く居られました。一方、私はと言うと、電動アシスト自転車。

さすがに、チャリンコでの記念式典来場者は、私だけ。

三日月知事も、もちろん、来ておられました。知事には、来年の第22回生態学琵琶湖賞の授賞式・記念式典にて再びお世話になりますと、ご挨拶差し上げました。

ここ最近、忙しいのです。ストレスがかかっています。

2022年11月5日

今日は、当センターの一般公開「学校で習わない生き物の不思議https://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/openseminar.html#ct7」です。たくさんの方々がお越しくださり、当センターで最も大きい講義室がほぼ一杯になりました。大変有り難く、心より感謝申し上げます。ただ、密を避けねば、、、、、。一応、参加者の皆さんには間隔をあけて座ってもらっています。地道な活動ですが、我々の研究を皆様にご紹介差し上げ、我々の研究の社会的意義を御理解いただき、さまざまな形でのご支援を賜りたく思います。

一昨日まで、札幌で開催の日本微生物生態学会第35回大会に参加しました。私は、この学会の大会に数年ぶりに参加したのですが、多くの懐かしい方々にお会いできて、とても嬉しく思いました。また、この大会ではじめてお目にかかる方々とも親しくさせていただき、今後の研究生活の財産となりました。ありがたいことです。この学会の大会は、来年は浜松での開催です。浜松は、私は佐鳴湖調査で何度も訪問しました。うなぎと浜松餃子が有名な、良い所です。

さて、来年は、韓国の済州島で東アジア生態学連合(EAFES)の大会が開催予定です。当該大会を開催するにあたり、日中韓の生態学会の責任者が大会準備会議を開きます。この会議は、11月中、おそくとも12月中に開催しなければなりません。本日ようやく、韓国生態学会のEAFES担当者2名が決まりました。これでいよいよ、済州島EAFESが動き出します。EAFESは、参加者のほとんどが英語を母国語としない研究発表会で、特に大学院生などの若手研究者にとっては英語プレゼンのプレッシャーについて敷居の低い大会です。韓国最南端に位置する済州島は、私は一度、日中韓の陸水学会が合同で開催する国際河川湖沼生態系シンポジウム(ISRLE)で訪問したのですが、海産物が美味しい、風光明媚な所です。ん?そう言えば、ISRLEも2023年に開催予定かもしれない。今度は、中国の順番だったとおもうが、、、、、。はて、日本陸水学会の幹事会に相談せねば、、、、、。


2022年10月29日

今年の年末ごろにようやく来日予定となったインドラニル・ムカルジ博士(チェコ科学アカデミー・水生生物研究所・研究員)に、玉のような女の赤ちゃんが生まれました!

Kiyana Mukherjeeちゃんです。これからも、どうぞよろしく!インディお父さん、本当に心からおめでとう!生態研一同が日本で待っています!京大の学生が、貴兄の授業を楽しみにしています!

ところで、先日の野田佳彦元総理による安倍晋三さんへの追悼演説は極めて素晴らしく、私はとても感動しました。野田さんは、元々演説が上手い方ですが、今回の追悼演説では読み上げた文章も大変優れており、安倍さんのことが好きな方もそうでない方も、これを聴いた全ての方々の心に染み入ったのではないでしょうか。正直、あの名演説だけで十分であったかもしれません。


2022年10月23日

拙宅近くの里山や、生態研近くの山では、鹿が鳴き始めました。空の雲を見ても、秋です。まだまだ暑い日もありますが、カラッとして気持ちの良い気候です。

昨日のNHK「ブラタモリ」では、私がご登場を心待ちしていた雨森芳洲さん、何とも悲しいことに、一切取り上げられませんでした。江戸時代の朝鮮通信使は、芳洲さんのご貢献が無ければ上手く運営されなかったでしょう。彼は、日本が誇る国際人のお1人です。「ブラタモリ」では、その土地の歴史と地学との関係を多く取り上げていますが、タモリさんは地学がお好きなのですね。あの番組では、対馬の歴史にも一歩、いや半歩踏み込んでくれたら、芳洲さんのご登場だったかも、、、、、、。

さて、先日、うれしいニュースが来ました。中国科学院南京地理湖泊研究所(NIGLAS)の秦伯強博士が代表で、日本からは私と某国立研究所の研究員が参画している国際共同プロジェクト「
气候变化对东亚典型湖泊藻类水华影响的定量分析和预测(東アジアの代表的な湖におけるアオコへの気候変動影響の定量的解析と予測)」が、見事採択されたとのこと。これで、日中双方の行き来ができて、共同研究が加速するぜいっ!って、、、、、、。でも、中国はまだゼロコロナ対策です。本日、新しい中国の体制が発足しますが、ゼロコロナは継続される見込みのようです。となると、、、、まだまだ日中の行き来は簡単ではなさそうです。はあ、せっかく久々に中国に行けるって、楽しみにしているのに!気長に待ちますか。。。。。

2022年10月16日
2週間ほど、ご無沙汰しております。このブログを更新するには、職場に来なければならないのですが、10月7日に義父が亡くなり、しばらくドタバタしておりました。このようなことで、更新できませんでした。ごめんなさい。

さて、皆さんは、もうコクワガタは季節的に観察できないとお考えかもしれません。ところがどっこい、まだまだ彼らに会えます。私は、10月14日の金曜日の夕方、2匹観ました。でも、素早く逃げられてしまい、写真が撮れなかった。。。。。

ところで、10月8日は、京都大学でブループラネット賞の受賞記念講演会があり、私は受賞者の1人であるStephen Carpenterさんの講演を楽しみにして参加しました。彼の講演はもちろん素晴らしく、私は質問をして、講演後に彼に挨拶をしに名刺を持って行きました。すると、「Oh! Are you Nakano? Shin-ichi Nakano, yes, I know your name. Oh, this is the first time I meet you!」って言ってもらいました。もう、超うれしかったです!彼は、Mendota湖、Monona湖、Wingra湖、Waubesa湖、Kegonsa湖を擁するYahara Watershedについて、当該集水域の保全をどうするのか、行政、民間企業、一般市民、研究者が一緒に議論し、2070年までの保全策を策定するYAHARA 2070を率いています。このプロジェクトでは、陸水学や生態学の科学的情報とシナリオ分析(で、正しい?)によって、国や自治体が適切な施策を行い、これに企業や一般市民が協力しないと、2070年までに当該地域は大変深刻な事態に陥ることが示されています。さすがは米国です。環境問題、気候変動について、やるべきことはきちんとやっています。わが国でも、頑張らねば、、、、。Steveとはその後、何度かメールのやり取りがあり、琵琶湖の保全についての貴重な情報をたくさんご提供いただいています。本当に、ありがたいです。

ところで、皆さんはNHKの「ブラタモリ」をご覧になっていますか?今週と来週は、「対馬」です。私にとって、「対馬」と来れば、「雨森芳洲さん」なのです。芳洲さんは、滋賀県の高月で生まれ、江戸時代に対馬藩の通訳・役人として大活躍した、わが国が誇る優れた国際人の1人です。私にとって、芳洲さんは尊敬する偉人のひとりです。このようなことから、10月15日の「ブラタモリ」は、芳洲さんの登場を期待していました。残念ながら、15日の前編では遣唐使あたりまでの時代でした。が、次週の後編についての予告では、朝鮮通信使の絵が、ほんの一瞬チラッと見えたので、来週22日の後編では芳洲さんのご登場となるのでしょう。今からとても楽しみです!


2022年10月1日

拙宅から草津に行く途中の農家の方の家で、遅咲きのアサガオがキレイに見事に咲いていたので、その家のご主人の許可を得て撮影しました。

キレイでしょ!当該農家のご主人の自慢の花です。素晴らしい!


2022年9月25日

今日は日曜ですが、あまりにめでたい・嬉しいことがあり、更新します。私のラボで博士学位を取得された高巣裕之さん(長崎大学大学院水産・環境科学総合研究科)が、今年の8月1日付けで、准教授にご昇進されました!もう、ただただ「ウァ~~~おう!!!」です。准教授になると、助教の時よりも管理運営業務が増え、研究に割ける時間が限られてきますが、とにかく死に物狂いで頑張ってください!素晴らしい!おめでとうございます!実は今朝、以下の高巣氏の論文が、
PNASに引用されたとシュプリンガーから連絡があり、喜んでいました:Takasu et al. (2014) Protistan grazing and viral lysis losses of bacterial carbon production in a large mesotrophic lake (Lake Biwa). Limnology 15: 257-270.

当該PNAS論文は:
Guillonneau et al. (2022) Trade-offs of lipid remodeling in a marine predator–preyinteraction in response to phosphorus limitation. PNAS 119: e2203057119で、海洋の研究・論文です。よくあることですが、海洋研究者のほとんどは通常、陸水の研究論文を引用しないどころか、読もうともしてくれません。私は、とても親しい海洋学研究者に「これはおもしろそうだと思った論文でも、タイトルに『Lake』って書いてあるだけで、読まない」と言われたことがあります。「なんでそんな、、、、」と、一般の方々は思うかもしれませんが、現実はそうなのです。が、上記のGuillonneauさんらの論文は、陸水学、それも日本陸水学会の英文誌Limnologyの論文を引用しているのです。たしかに、高巣氏の当該論文は、細菌バイオマス測定をキノン分析で、細菌バイオマスの損失速度をdilution法で測定しており、このような手法を用いた論文は世界的にもおそらく皆無かほとんど無く、オリジナリティの塊(かたまり)のような論文なのです。つまり、とてもユニークなのです。それに、ここ10年ほどは微生物ループ研究といっても生産・摂食・死滅といった古典的な生態学の研究は、正直、流行りではありません。でも、世界では誰かが観ており、読んでおり、興味を持ってくれているのです。世界は、広い!高巣氏も私も、励まされています。Dr. Guillonneau, thanks a lot for your citation of our paper published in "Limnology", the official journal of the Japanese Society of Limnology.

ところで、もう一つ、良いニュースです。うちのラボの中国人留学生のジャンが、また一報、国際学術誌に論文受理されました:Jiang and Nakano (in press) New insights into the stoichiometric regulation of carotenoid production in Chlorella vulgaris. Bioresource Technology Reports.

この論文は、植物プランクトンの光合成補助色素の一つであるカロテノイドの生産は藻類培養培地のN:P比に影響され、クロレラについてはカロテノイド生産をより効率的にするN:P比が存在するとの内容です。これは、手法の論文であり、栄養食品や化粧品の生産工場などで大量のカロテノイドが必要となる場合に向けた研究成果です。このようなことから、本論文は平素は我々が投稿しない学術誌での発表となりました。

私のラボは、教員(つまり、私)はアカンのですが、学生さんやポスドクさんは自由にどんどん成長しています。素晴らしいし、本当に嬉しい。


2022年9月24日
滋賀県は、台風の影響はありましたが、今日は良く晴れた連休中日です。いかがお過ごしでしょうか?私は、女房が高齢者介護をしているため、自宅にコロナを持ち込むわけには行かず、どの休日も自宅、生態研か近所のスーパー(あるいは金澤酒店)が行動範囲です。現在の私は、今年の科研費申請をようやく終えて、次は環境省推進費をどうするか?を検討しています。が、環境省推進費は、共同研究者の動きがまだ定まらず、状況を静観しています。そこで、この連休中は、日本学術会議が現在公募中の「未来の学術振興構想」を作成しています。

私は、日本学術会議の生態科学分科会において「研究ビジョン・ワーキンググループ(WG)」を任されており、当該WGが中心となって作成する申請が生態科学分科会による申請となります。ただ、申請代表者は「京都大学生態学研究センター長」ですので、当該申請は生態研による申請でもあります。このようなことから、当該申請は生態科学分科会の承認だけでなく、生態研の協議員会の承認も必要です。「未来の学術振興構想」では、今後20~30年ごろまでの将来を見据えた学術振興の「グランドビジョン」を日本学術会議が複数提示するのですが、現在行われているのは「グランドビジョン」の基となる「ビジョン」を研究者コミュニティから募集するというものです。また、「ビジョン」だけでなく、それを実現するための「学術研究構想」の計画も書かねばなりません。以前は「マスタープラン」と呼ばれていたものなのですが、今回新たに公募されている「未来の学術振興構想」の方が、量的により多く書かねばなりません。結構、大変です。でも、生態研はやらねばならない。私が現在作成している「ビジョン」や「学術研究構想」は、ちょっと一風変わっているので、生態研や生態科学分科会から承認されないかもしれません。つまり、頑張って作成しても、お蔵入り・ボツになるかもしれない、、、、、。でも、今のところ、これら両者で「ビジョン」や「学術研究構想」を作成している方はおられないようなので、「せめて責任者の俺だけでも、、、、」と、頑張っております。

しかしながら、日本学術会議の「マスタープラン」は、「重点研究」に選ばれたとしても予算が付いたケースがほとんど無く、今回の「未来の学術振興構想」についても画餅に終わるかもしれません。たとえそうでも、何だかんだ言って、やらねばならないのです。

さて、今日は中国・海南大学ご卒業の謝富績(シェ・フジ)さんが来日され、10月1日付けで生態研の研究生となります。彼は、来年度の理学研究科の大学院修士課程の入試を受験し、運が良ければ来年10月入学となります。修士課程からのご入学であれば、少なくとも5年間の研究期間があるので、そうであれば博士学位は何とかなるかなあ、、、、です。どんな学生さんだろう?彼の方でも、「どんな先生だろう?生態研って、どんな所だろう?」と、思っているでしょう。そりゃ、彼の不安や心配の方が、私よりずっと強いでしょう。また、彼のご両親のご心配は、相当なものでしょう。私にできることは、彼がそれなりに順調に成長して行けるように、ご支援差し上げることです。でも、結局、最後はご自身の努力です。是非、頑張っていただきたい。

2022年9月17日
さて、先週ご連絡差し上げなかったもう一つの良いニュースとは、以下の論文が日本陸水学会の英文誌Limnologyの最優秀論文賞を受賞しました!
Hodoki, Y., T. Koitabashi, Y. Goda, T. Akatsuka, S. Nakano (2020) Long-term variation in abundance of the non-native phytoplankton Micrasterias hardyi (Zygnematophyceae, Streptophyta) in Lake Biwa, Japan. Limnology 21 (1): 67-72.

この論文は、京都大学理学部附属大津臨湖実験所による琵琶湖の長期観測を生態学研究センターが継承し、当該観測で得られた20年間にわたるサンプルを用いて、近年問題となっている緑藻のミクラステリアスの侵入過程と個体群動態を解明したものです。また、単にミクラステリアスの個体群動態を追うだけでなく、この緑藻に感染するツボカビによる影響についても考察しています。

この研究は、「環境問題の解明には、長期モニタリングが極めて重要!」をまざまざと見せつけるものです。まさに、京都大学が100年以上の歴史でもって継続している琵琶湖研究の一つの結晶とも言えます。この論文は、これまで琵琶湖の長期観測に関わって来られた諸先輩方のご努力とご尽力の賜物です。諸先輩方、およびご審査頂いた方々に、心から御礼申し上げます。また、当該論文の第一著者である、中部大学の程木義邦先生には、特別な感謝を申し上げます。皆様、本当に心から御礼申し上げます。ありがとうございます。

さて、去る9月9日にこのノコギリクワガタを観たのが、今年最後の大きなノコギリクワガタ観察となりました。


今年は、今までで最も遅い時期まで大きなノコギリクワガタとお会いできました。ありがとうございました。大きなノコギリクワガタは、夏の私の心のよりどころの一つでした。で、秋はコクワガタです。私はほぼ毎日、3匹から5匹のコクワガタにお会いしています。今の時期は、何故かオスばかりなんだよなぁ。なんでやろ?

2022年9月10日
先週は、なぜか自宅から生態研のCER WEBに入れず、更新ができませんでした。ご心配をおかけして、ごめんなさい。で、現在もその状況が継続中ですので、今日は職場から、、、、。

さて、今更ながらの連絡ですが、池谷透博士が私のラボの機関研究員としてご赴任されました(7月1日付け)。彼は以前、地球研の奥田プロジェクトでご活躍の大変優れた研究者です。湖沼、河川や海洋において化学的手法を駆使した研究を専門とされておられますが、近年は次世代シーケンスを用いた微生物生態学的研究にも取り組まれておられます。どうぞよろしくお願いいたします。

それで、とても、とても嬉しいニュースです!私のラボ出身の岡崎友輔さん(京大化研)が、2022年度の日本陸水学会・吉村賞をご受賞されました!去年は、同じく私のラボ出身の高巣裕之さん(長崎大総合生産科学域)が同賞をご受賞されたので、2年連続です。誠におめでとうございます!うちのラボは、教員はホンマにアカンのですが、学生さんは本当に優秀です。

実は、もう一つ素晴らしい良いニュースがあるのですが、そのニュースはまだ公表して良いのか分からないので、来週に発表します。これも、本当に良いニュースです。

さてさて、先日、もう秋になりコクワガタに入れ替わったと言いましたが、9月2日に帰宅途中にある保育園の前の木で、オスのノコギリクワガタが木を降りてくる光景に出くわしました。あれ、どういうこと?と思い、念のため私の行きつけの木に行ってみると(9月8日)、、、、

おお、まだいるじゃん!しかも、今年観たノコギリクワガタの中では最大かも。また、どうやらこいつは羽化して間もない個体のようです。私がスマホを向けると、威嚇してくるのです。私の拙い経験では、威嚇してくるノコギリクワガタは①若い、②自分が大きいことを自覚しており自信がある、③これら①と②の両方、のいずれかです。今回の個体は、③に該当します。でも、悲しいことに、ここ数日はメスのノコギリクワガタを見かけません。昆虫の羽化のタイミングは意外に難しく、他個体の多くが羽化するタイミングに自分も羽化しないと、異性に巡り会うチャンスを減じてしまいます。一方、皆と同じタイミングでの羽化は、当然ながら異性を巡って高い競争となります。いろいろと難しいですね。ノコギリクワガタも、大変な生活を送っています。9月8日に観た大きなノコギリクワガタは、昨日も同じ木に居ました。でも、うかうかしていると、彼は大きくて目立つので、カラスに食われるかもしれません。カラスに見つからぬうちに、無事にメスと巡り会えると良いのですが、、、、。

2022年8月28日
もう、コクワガタに入れ替わりましたね。秋です。空の雲も、秋の雲。

ところで、特に重要な研究成果報告の指標であるTOP10%論文の発表数が、わが国はスペインと韓国に抜かれ、前回10位から今回は12位とランクを下げ、過去最低となったとのこと(科学技術指標2022)。私は、大学以外の方々と世間話をすることが(もちろん)あるのですが、ときに言われるのは、「少なくとも、東大と京大は世界のトップになってもらわんと!今のままでは、国民が納得せんでぇ!」です。もちろん、我々大学人は決して怠けているわけではなく、みんな必死に日々頑張っています。ですが、、、、、。東大や京大も含めたわが国の国立大学における教育研究環境の実情は、広く人口に膾炙しているので、ここでは述べません。ただ、我々も必死なのです。自分たちのことだから、自分たちの置かれている状況は、かなり理解しているつもりです。そして、何とかしようと、少なくとも私自身は、この10年間、滅私奉公を継続してきたと自負しています。しかし、その10年間に、我々の状況をさらに悪化せしめる事案が次から次へと起こるのです。そしてこの事案は、かなり上の方から来るのです。つまり、一個人、一研究室、一部局、一大学の努力では、どうにもならない。これが、私の感じているここ最近の10年間です。Running on the spot (The JAM, Paul Weller, 1982)

2022年8月27日
拙宅近くの公園で、たくさんのカメムシが群れていました。

何や、これ?この木には、これもたくさんのスズメバチが来ており、大変危険なので、急いで撮影して逃げました。滋賀県の農家では、カメムシが大発生する年は雪が多いと言います。が、そのカメムシは、今回出会ったカメムシとは、確か違う種であったと思います。右の写真を見ると、今回のカメムシの多くは、まだ幼虫かな?

毎回グダグダ言うのですが、あの和歌山出身の昭和の恫喝政治家に「ばか」と言われるであろう小生としては、病気(コロナ)になったら、まずは治療に専念して頂き、病床から国の運命を左右するような判断(新増設)を行うのは一切止めて欲しいのです。貴殿はただでさえ、国民の半分以上が反対している国家的行事を病気ではない健常な状態でも強行判断する暴挙愚行を犯してしまっているのに、ご自身は病床に在ってマトモな判断が出来るとでも思いか。まあ、小生ごときが何をほざこうが、「自分よりも高度の知性を持った狂人に対して何が言えるというのだ?」(ジョージ・オーウェル「1984年」、早川書房、407ページ)。

2022年8月21日

本日、昼ご飯の買い出しに、拙宅近くのスーパーに言った帰り道、「ん?クマゼミが、やたらとうるさいなあ。それにこの鳴き方、鳥にでも捕まったか?!」と思って、木の下からクマゼミを観ると(以下、ビデオです)、、、、

この通り、なんと、カマキリに捕まって、今から食べられちゃう様子。このカマキリ、、どうやらメスに見えます。カマキリのメスは、産卵のために交尾に来たオスを食うほどなので、お腹が空くのでしょう。。。。。


2022年8月20日
もうそろそろ、こいつらとはしばらくお別れですね、、、、


とてもさみしいですが、まあ仕方ない。でもこれからは、しばらくはコクワガタの季節となるでしょう。それはそれで、楽しみです。コクワガタって、カワイイので。

ところで、8月お盆前から、科研費申請に取り組んでいます。今年度は、新しい科研費研究をスタートさせることができ、かつ関連の他の科研費研究と組んで大きな研究プロジェクトとして発足しているのですが、今書いている科研費研究は当該プロジェクトとは全く異なり、一見すると人文社会科学系の研究のような内容です。でもこの研究、湖沼の水質管理と環境保全に取り組んできた方々にはまさにジレンマな未解決問題であり、私もここ数年関わってきた難題です。ですから、本当に心から純粋に取り組みたい課題です。

さてさて、当センターの外国人客員准教授として三か月間滞在されておられたクリスティン・ウェイルフェーファーさん、およびJSPSのBRIDGEプログラムで一か月間滞在されておられたルキ・スベヒさんが、お二人とも8月18日に無事帰国されました。クリスは、仕掛けた河川実験系が増水の影響を受け、さらに不運にも滞在中にコロナ感染する等、とてもお気の毒でした。ルキは、当初は安定同位体分析を行う予定でしたが、こちらも不運なことにロシアのウクライナ侵攻に端を発する世界的な流通の混乱のために、分析に必要なヘリウムガスが欠乏し、彼の分析はできませんでした。このように、お二人ともとても残念な結果となってしまいましたが、私としてはどうしようもないのです。大変、お気の毒でした。でも、次の機会を待ちましょう!

それにしても、わが国のまつりごとには、ほとほと呆れるばかり、、、。かつての悪夢の2822日間は、テレビニュースを観る度に出てくるあの方に気分が悪くなるほどでした。しかし現在は、そもそもテレビで(別の)あの方をお見掛けすらしない。一方、毎日テレビでお目にかかれる方はおられるのですが、この方の場合は例の団体とのお付き合いの件ばかり。彼らは、そもそも仕事しているのか?彼らの仕事について、ニュースでお目にかかりたい。仕事しないなら、とっとと(ここで、沢田研二の「勝手にしやがれ」のフレーズを挿入)。

2022年8月13日
ここ数日、気付いたこと、思うこと :

甲子園・高校野球の滋賀県代表・近江高校は、すごいです。でも、心配なことがあります。エースで4番の山田陽翔さんのことです。近江高校は、地方大会から現在に至るまで、山田さんに頼りっきりに見えます。春の甲子園でも、そうでした。彼は、高校野球で酷使され過ぎて、壊れてしまうのではないかと、大変心配です。記憶に新しいところでは、千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手が、高校生時代の最後の夏の地方大会で、高校生投手を酷使しないとの監督判断により重要な試合で登板できず、彼の高校は3回戦で敗退しました。このことについては、喧々諤々の議論があったと思います。しかしかねてより、将来有望な高校生野球選手が地方大会・甲子園大会と立て続けに酷使され、体を壊すかプロになってから体が耐えられなくなるかして、高校野球の後の人生を本人が望む形に持って行けないことがあるとされています。このことを考えると、私は近江高校の山田さんが心配です。

上とは全く別の平和な話ですが、甲子園・高校野球の中継を見ていて気が付いたのは、高校生のお名前って、いわゆる「キラキラネーム」がかなり増えたなあ、です。別に違和感とかは全く無く、でも妙に、私の心に残っています。今の時代なのですね。

しかし腹が立つのは、あの人たちです。特にリーダーは、あれでトップが務まるのか?!と、呆れています。彼は、新聞を読むとか、テレビやネットのニュースを見るとか、しないのでしょうか。また、彼に選ばれた人たちも、その釈明のバカバカしいこと。こんな大人の様子を、我々は子供たちや若者にどう説明すれば良いのでしょう。まさか「いやいや、世の中誤魔化しって、効くもんなんだよ。。。。」って、教えます?恥を知れ!(Shame on you!)、と言いたい。The more I see, the more I know. The more I know, the less I understand. (Paul Weller, "The changingman", 1995)なんて、呑気なことを言っている場合ではないのかもしれない。

2022年8月6日
今日は、広島に原爆が投下された日です。原爆でお亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈り差し上げますと共に、いまなお原爆の後遺症で苦しんでおられる方々に対して衷心よりお見舞い申し上げ、さらにはこの世の中から核兵器が全廃されることを強く願います。

いやー、暑いっ!さっき、冷房を付けて昼飯の準備をしていたのですが、どうにも涼しくならない。ん?変だぞとリモコンを確認すると「暖房」!完全に、暑さでやられてしまっています。。。。琵琶湖では、、もうアオコの発生が確認されました。以下の写真は、合田船長がご撮影の、下坂本にいたアオコです。右には、ボルボックスも見えますね。

ところで先日、激しい雨が降った日の夕方、生態研からの帰宅途中の歩道に、こいつが落ちていました。

ミヤマクワガタって、結構パニックに陥りやすいクワガタです。私は、数年に一度はお目にかかれるのですが、ゲリラ豪雨のような大雨の直後に、パニックになって森林を飛び出してしまい、家の軒下とか歩道とか、すぐに見つかるところでボーっとしているミヤマクワガタを見かけます。私としてはウレシイのですが、当の本人はボーっとしている。上のミヤマクワガタは、帰宅途中にあるクヌギの木に放してやりました。たまには、善いことしなければ。。。。一日一善!

さて、、、、、ここ数日、不満があります。KSDさんは、どうにもアカン。私は、我が国の安全保障における重要性の観点で、アングロ・サクソン連携・協調(岡崎久彦、「戦略的思考とは何か」、中公新書700)には得心が行きます。でも、現在は岡崎氏のあの本が書かれた頃とは状況が全く違う。今の我が国は、アングロ・サクソン連携・協調だけでは済まされない。KSDさんは、あの嫗に直接会うべきではなかったと、私は思います。その他に彼のやることと言ったら、現在全国から非難を浴びている例の件について、グループの代表としての見解をほとんど示さず、挙句の果ては来週中にメンバー入れ替えで国民の歓心を惹こうとする。これはまさに、掛羊頭売狗肉そのものです。KSDさんが表舞台に登場した時は、何か期待できると希望を持っていたのですが、コロナの第6波あたりからの彼の仕事について、私は不満です。そうなると、いつも良く使う以下の一言:"
Ever get the feeling you've been cheated?" (Johnny Rotten, 1978)。  「鳩山は人がいい、岸は頭がいい。善良な人間も他人を傷付けるが、頭のいい者の害の方が要注意」とは、吉田茂氏が大平正芳氏に言った言葉(辻井喬、「茜色の空:哲人政治家・大平正芳の生涯」、文春文庫、2013年、210ページ)ですが、さて、もし吉田茂氏が現在まで御存命なら、KSDさんをどう評するか?  『政治におけるまるっきりの現実主義者は二流以下の政治家に過ぎず、政治家というよりも商人であるにすぎない。政治家がどのような理想をもっているかにおいて人物の品質が決まるのだが、しかし政治が現実からはなれて存在しない以上、理想の比重が重すぎる人物は、結局は、単なる願望者か、詩人か、それとも現状否定のヒステリー的な狂躁者になりがちである。』(司馬遼太郎、「坂の上の雲」、文春文庫、三、84ページ)。

2022年7月30日
ついに、今年も出会えたぜぃ!

ところで、ここ最近、戦後の日本をほぼ牛耳ってきたあの人たちと例の宗教団体との関係が、社会的にかなり注目されていますが、我々が小学校で習った政教分離ってどうなっているのでしょうね?上記の「あの人たち」のうち、憲法改正を強く求めている方々って、ひょっとしたら第9条だけでなく、第20条も変えたいのかもしれませんね。第9条については、我が国がジェノサイド条約を批准するのであれば、改正することに意味があるのかもしれません(池内了、「科学者は、なぜ軍事研究に手を染めてはいけないか」、みすず書房、2019年、104から105ページ)。

それにしても、KSDさんは、何も言わないし、何もしないなぁ。ABさんやSGさんは、彼らの対応が適切であったかどうかはともかくとして、彼らは我々に対して、随時何か語ってくれた。そりゃ、話し方に得手不得手はあったかもしれないが、少なくとも国がどう考えているのか、トップの言葉として語ってくれた。本件に限らず、KSDさんのこれまでの仕事ぶりは、トップの仕事としてどうか?


2022年7月23日

インドネシアから、ルキ・スベヒさんが、無事京都のホテルに昨日到着!ホッとしました。

彼は、筑波大で博士の学位を取得後、インドネシアの陸水学や生物多様性科学の発展に貢献して来られた、中堅研究者です。私の記憶では、彼と私が最初に出会ったのは2012年に九州大・伊都キャンパスで開催の生物多様性の国際シンポジウムでした。彼は、それ以前も以降も、さまざまな理由で何度も来日されており、2017年につくばで開催の世界湖沼会議など、彼と私は機会あるごとに出会って、さまざまなディスカッションをしてきました。今回は、JSPSの経費で一か月間、生態研に滞在されます。彼のメインの目的は、宇野裕美さんとの共同研究でインドネシア河川の魚類について安定同位体分析を行うことですが、私とも将来の共同研究やインドネシアと日本の陸水学会の交流などについても議論します。彼は本当に穏やかで優しく、大変誠実なお人柄です。幸か不幸か、7月21日から23日は祇園祭の後祭で、24日には山鉾巡行があります。コロナ感染が大変心配なので、彼には「祭の人込みには、決して近づかないでね!」というほかありませんでした。上の写真は、午後3時頃に先斗町を二人で散策したときのものですが、ご覧の通り、人通りは大変少ない。そのほか、鴨川とか周辺地域も、この時間帯はまだ暑いせいか、人出・人通りは少なかったです。なので、散策する気持ちが湧きました。

さて、、、、なーんか信頼できない、得心が行かない。我々の健康や安全に関わる案件をまず第一優先でやってもらいたいのに、そのことはほったらかして、彼らのやることと言ったら国を挙げての行事の強行。しかも、時間が経てば経つほど湧いて出てくる一般市民にはなかなか受け入れ難い醜聞の数々。それら全てについて釈明をするべき方は、国民に釈明する前に〇〇決定して、我々へは「丁寧に説明する」としか言わない。国民を二分するほどの今回の案件、このような状況下で弔われることになるあの方は、どんなお気持ちなのだろう?このような状況は、弔われる方に対してむしろ失礼であろう。どんな方だって、こんな状況で皆に弔ってもらいたくはないのでは?少なくとも私自身は、私の死に際してはごく少数の方々で良いので、私の死を衷心から悼んでくれる方だけに弔っていただきたい。


2022年7月18日
いずれも、「ミヤマ」。ミヤマクワガタと、ミヤマカミキリ。

2022年7月16日

うちのラボの博士後期課程大学院生で、中国人留学生の蒋梦琦君の論文が、国際学術誌Water Researchにアクセプトされました!
Jiang, M. and S. Nakano: The crucial influence of trophic status on the relative requirement of nitrogen to phosphorus for phytoplankton growth

この雑誌、IFがかなり高いです。もちろん、IFだけを信頼するものではないのですが、でも、すごい!毎回言うのですが、うちのラボでは、教員(つまり、私)はアカンのですが、学生さんは皆さん優秀です。教員の能力が低いから、学生さんがしっかりするのでしょう。蒋さん、恭喜、恭喜!


さて、参議院選挙が終わりましたが、こんな結果だと、やはり下の7月3日の記事のようなことを検討すべきと思います。7月15日の朝日新聞朝刊の社説「参院のあり方:「再考の府」機能強化を」にも関連記事がありますね。

それにしても、国のレベルで行うことには、私は(強い)違和感を覚えます。この点で、私は共産党、社民党、れいわのご意見(7月16日の朝日新聞朝刊、4面)に賛同します。


2022年7月9日

こんなことが、あってはならない。絶対に、あってはならない。安倍晋三様、貴殿には、やらねばならないことが、まだまだたくさんありました。ご冥福を、心よりお祈り申し上げます。誠に、無念です。


2022年7月3日

今朝の朝日新聞の1面と3面、「深論:参院選の先に」では、片山杜秀さんの「参議院を科学者議会にする」とのお考えが紹介されていました。私は、「ああ、なるほど、それはおもしろい!」と思いました。たしかに、従来、「参議院の存在意義は?」との議論が何度もあり、でも「衆議院だけでは、ちょっとねぇ、、、、」であり、結局、「良識の府なのだから、必要(なのだろう)」と、我々国民は(無理やり)納得していました(させられてきました)。でも、片山氏の上記の考えは、私には「あ、それ、良いかも!」であり、「それなら、参議院・科学者議会の先生方の意見って、聞いてみたくなるよなぁ」と思えます。試みでも良いので、是非一度、やってみていただきたいです。ただ問題は、「では、どうやって参議院・科学者議会のメンバーとなる科学者・専門家を選ぶか?」ですね。政府に任せると、いわゆる「御用学者」ばかりになるでしょうし。。。。。片山杜秀さんと言えば、私は確か半年ほど前かな、彼の著である「尊王攘夷:水戸学の四百年(新潮選書)」を読みました。本書は、江戸時代に鎖国していた我が国が、いかにして自国の安全保障を確保しながら開国し、そのためには士農工商を廃止せざるを得ず、、、、といったエピソードが、片山氏の膨大な知識でもって語られる、大変読み応えのある本です。この本を読むと、「うーん、『歴史に学ぶ』って、まさにその通りで、重要だよなあ!」って思います。この本、超おススメです。で、この2日間に観た生き物たち:

なんでだろう?大きいノコギリクワガタに、なかなかお会いできない、、、、。

2022年6月26日

今日は、町内大清掃。で、午前中に2つも驚いたことがありました。昨日、下のように、庶民の文化を醸成する意味で、街中の書店・本屋がいかに重要な拠点であるかを書いたのですが。。。。あの著名な作家である水村美苗さんの一言「わたしは店に入るのが苦手だ。とりわけ本屋に入るのは苦手だ。」(水村美苗、「日本語で読むということ」、筑摩書房、ちくま文庫、2022年、200ページ)には、思わず「何でやねん?!」と言ってしまった。もう一件、大変驚いたのは、今日の午前9時からのNHK日曜討論で、正真正銘の「チンピラ」を観ました。後者では、とても腹が立ったので、少し癒されるものを一つ。アオカナブンです。キレイでしょ。


2022年6月25日

いやー、暑いっすね!天気図見たら、もう梅雨明けやん?!今年の水は、大丈夫だろうか?でも、ついに彼らが出て来てくれました:

よしよし!ところで、先日の6月22日水曜日の朝日新聞朝刊、「後藤正文の朝からロック:用もないのに行くところ」は、良かった。彼は、文筆家の平川克美さんの言葉を引用し、街中の書店・本屋さんの役割は「用もないのに行くところ」であるとのこと。後藤さんの文章を引用すると、「無為の時間や、目的性から離れたところから文化は生まれてくる」とのこと。そして、「火が焚かれ続け、開かれている。そうした場所が街中にある安心感。暖かさは豊かさの比喩であろう」と。私は、こういうのが好きです。

ところで4月16日に、ロシアが北方四島をどう扱うかについて、北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターの前センター長・岩下明裕さんのコメントを紹介しましたが、実は同様のことを司馬遼太郎さんが1989年に、彼の著作の中で述べておられました。すなわち、「(ソ連は)四島を返すことによって、日本全体を得るのだ。」(司馬遼太郎、「ロシアについて」、文芸春秋、1989年、11ページ)。この本を読むと、現在のロシアの判断や振る舞いが、まさにその通りのように書かれています。もうかれこれ30年以上も前の本なのに、です。司馬遼太郎さんの歴史観は、いわゆる「司馬史観」として、現在もなお議論のあるところです。しかし彼の「ロシアについて」を読む限り、「うーむ、さすがは慧眼!」と、唸らざるを得ません。例えば、「(ロシアは)外敵を異様におそれるだけでなく、病的な外国への猜疑心、そして潜在的な征服欲、また火器への異常信仰」(司馬遼太郎、「ロシアについて」、文芸春秋、1989年、25ページ)は、まさに現在のロシア(プーチン氏)の特徴を捉えています。また、「ロシアは、異民族地帯に乱がおこったときに、救援を求めてくる一派の勢力に加担し、その一派から出兵を要請されたとして出兵し、そのあと『法を改め政を匡す』としてロシア領にする。この伝統は、その後もつづき、いまもつづいている。」(司馬遼太郎、「ロシアについて」、文芸春秋、1989年、228ページ)の下りも、まさにそうでしょう。
もちろん、ロシア人のほとんどの皆さんについての言及ではなく、プーチン氏のような方についての言及かと思います。

2022年6月19日

昨日は、京都大学創立125周年記念式典・フォーラムに(サクラとして)出席しました。たくさんの人出があり、感染予防対策もしっかりと採られており、大成功であったと思います。これまでご準備下さった多くの方々に、心より御礼申し上げます。記念フォーラムでは、京都大学出身のノーベル賞受賞者の講演がありました。どの先生も大変素晴らしいご講演でしたが、私は特に本庶佑先生のご講演は「これは、すごいっ!」と、唸ってしまいました。何がすごいのか?彼はもう、ご高齢で足腰が悪く、車いすでのご登壇でした。そのようなご体調なので、ご講演では言葉少なくお話し下さったのですが、彼の一言一言には全く無駄が無く、それぞれの言葉を噛み締めるように、しっかりと明瞭に、そして確実に聴衆に届くように丁寧にお話しされていました。何と言うか、まさに「魂を込めた講演」でした。私は、あんな風に講演することはできません。私の場合、身振り手振りが多く、ステージの端から端まで動き回り、要らぬ言葉(冗談とか)が多く、早口で、声を張り上げ、、、、そんな講演です。エネルギー消費が多く、無駄の甚だしい講演ぶりなのです。そんなことなので、本庶先生のご講演は、まさに数段の格の違いを見せつけられました。その「違い」とは、単に「研究者としての違い」だけではないものであると思います。恐れ入りました。

今の時期、綺麗なユリが咲いています。そして右は、今日、近くの里山で見かけたゾウムシさん。

2022年6月12日
それにしても、「はやぶさ2」って、すごい成果を上げたものだ。おめでとうございます!素晴らしい!

2022年6月11日
今年最初のノコギリクワガタ!

やっと出てきた。今日はあいにくの雨ですが、クワガタが好きな私は雨にもめげずに近くの里山へ。私が幼いころ、「コンパス」と呼んでいたもの。小さい個体ですが、小さくても立派なオスの成虫です。かく言う私だって、出川哲朗と同じ身長(159.5センチ)ではありますが、立派な大人(のつもり)。

また、下は昨日の琵琶湖北湖Ie-1の植物プランクトンの写真です(合田船長撮影)。

今年は、ミクラステリアスがとても多いとのこと。ミクラステリアスって、キレイなんだけどなぁ、、、、。あと、合田船長と私が検鏡したかぎりでは、緑藻のClosterium aciculareもとても多かった。この緑藻、私が大学院時代に琵琶湖北湖で大発生したのですが、その時は湖水表面に筋になって漂い、プランクトン・ネットを引くと、ネットに大量にベトッと付着して、もうどうにもならなかった(苦い)思い出があります。でも、今回出ているC. aciculareは、ネットにこびり付かないとのこと。同じ種でも、遺伝子型が違うのかなあ。

ところで、来る6月末には、うちのラボで博士の学位を取得し、現在はチェコ科学アカデミー・水生生物研究所のポスドクとして勤務しているインドラニル・ムカルジさんが、京都大学の准教授として赴任されます。彼の所属は、生態研です。また、7月22日には、インドネシア国立研究革新庁(BRIN)・陸水学研究センターのルキ・スベヒさんが、JSPSのBRIDGEプログラムで約一か月間、生態研に滞在されます。先日の5月16日からは、米国・ポートランド大学のクリスさん(准教授)が3か月間滞在中です。そして元々、うちのラボには中国人留学生とインド人留学生が居られます。うん、なかなかのインターナショナルです。


2022年6月5日

訳あって、ユクスキュル/クリサート著、日高敏隆・羽田節子訳、「生物から見た世界」、岩波文庫、青943-1を読みました。通常、「環境」と言うと、どの生物にとっても「環境」であり、もう少し厳密にするなら、例えば「カマキリにとっての環境」、「バクテリアにとっての環境」と、わざわざ生物主体を特定する必要があります。つまり、「環境」という語は、かなり漠然とした語なのです。これに対して、ユクスキュルが定義する「環世界」とは、「(生物)主体ごとの環境・周りの状況」であり、我々の言う「環境」よりも、より厳密な意味を持ちます。この本、いろいろと考えさせられます。が、はて、何を考えつくのか?うーん、分からない。とにかく一つ言えることは、この本は相当難解です。。。。。

さて、私は、京都府の宇治市で最初の18年間を過ごしました。今日は、忘れもしない縣(あがた)祭の日です。宇治市民、特にJR宇治駅とか宇治市役所周辺の市民にとっては、あがた祭は一年で最も楽しみにしているイベントです。ですが、コロナ禍のため、今年も露店の出店が中止だそうですhttps://alco-uj.com/news-u20220428/。でも、宇治の家を出て以降、もう何年もあがた祭には行っていない気がします(いや、約30年前に、一度行ったか)。で、今日、近鉄京都駅に、すごい特急列車が停まっていました。


まさに、高級感満載!これに乗って観光に出かけたら、さぞかし楽しいでしょうねhttps://www.kintetsu.co.jp/senden/aoniyoshi/。いや、素晴らしい列車です。


2022年5月29日

昨日、宇治に独居している高齢の母を見舞いました。その際、どういうわけか、自衛隊のヘリコプターが何度も何度も、しかも低空飛行して周辺を飛び回り、かなりの騒音でした。しかも、そのうちに地鳴りがするほどの轟音が響き渡りました。「えっ?!雷?」でも、晴天です。さらに、轟音は何度か響き渡ります。「ん?これは何か大砲みたいなのを撃っている?」、そんな音でした。お向かいにお住まいの方が、「ああ、あれは今日、自衛隊のお祭りか何かのイベントですよ」と、教えてくださいました(自衛隊のイベント)。それでどうやら得心はいったのですが、でも別の考えも湧いてきました。こんな騒音や轟音を、毎日聞かされている沖縄の方々は、どんなに辛いのだろうかと。しかも、沖縄の場合はヘリコプターだけではなく、オスプレイや戦闘機も飛び、かつそれらが低空飛行で何度も何度も、毎日頭上を飛ぶのでしょう。これはたまらない。私は2回ほど、滋賀県上空を飛行するオスプレイを観たことがあるのですが、オスプレイの飛行音はヘリコプターどころのものではなく、かなりの轟音でした。今回の経験は、沖縄の方々の辛さを理解して差し上げるほどのものでは全くありません。沖縄の皆様は、もっともっといろいろなことで、もっともっと辛い日常を送っておられるのでしょう。どうにか良い方向にならないものか。。。。


2022年5月28日

ニュースや考えていることなどをいくつか。
(1)コロナ前に一度、生態研の客員准教授で3か月間滞在された米国・ポートランド大学のChristine L. Weilhoeferさん(クリス)が、5月16日からの3か月間、再び客員准教授として滞在されます。彼女にとっては、日本はもう慣れたもの。毎日楽しそうに過ごしておられます。彼女が前回滞在した際に行った実験は、すでに某国際学術誌に受理間近です。前回は寒い季節の実験だったので、今回は暖かい季節の実験です。生態研の学生さん達は、ランチタイムなど、さまざまな機会をとらえてクリスに話しかけ、英会話の練習をしています。

(2)うちのラボのインド人留学生であるSoumya Deb君の最初の論文が、スロバキアの学術誌Biologiaに受理されました!
Soumya, D., J. Cai, Y. Hodoki, Y. Goda, T. Akatsuka, S. Nakano (in press, 2022) Seasonal changes in the cell size and density of the diatom Fragilaria crotonensis Kitton in Lake Biwa. Biologia
この論文は、かなり時間がかかりました。。。。とにかく、おめでとう!それだけで、とてもうれしい。

(3)5月25日水曜日の「後藤正文の朝からロック:自分に聞こえる音」は、意味深であり、私の心に刺さっています。このコラムは、いろんな音に関する内容なのですが、私たちは自分が聞きたい音を選択的に聞いているとのことです。でも、私たちの周りでは、私たちが意識していない音が満ち溢れています。そのことを受けて、後藤さんはこう述べます:「私たちは、自分が聞きたい言葉だけを聞いたり、読んだりしている。今聞こえている音は、この空間に鳴っているすべての音ではない。」

(4)5月24日の朝日新聞朝刊、「耕論」、オピニオン&フォーラム「昭和天皇とヒトラー並べた動画」では、つい1,2か月ほど前、ウクライナ政府の公式ツイッターとみられるアカウントが投稿した動画に、ヒトラー、ムソリーニに並べて昭和天皇の写真が掲載され、その後、当該政府が謝罪し削除した案件について、有識者3人がそれぞれのご意見を述べられていました。どの方のご意見にも、私は得心しています。実は私自身、当該案件が報道された際には、「やはり、世界は日本をそう観ているのか、、、」と思いながらも、少しショックでした。我々は日本にいるから、ほぼ毎日、天皇陛下のご様子を知ることが出来、昭和・平成・令和の歴代天皇陛下は平和を愛し守ろうと、日々たゆまぬ努力を継続されておられることが分かります。しかし、それは日本にいるからだけなのかもしれません。日本以外の国々では、過去の日本の行為の記憶が未だに残っており、表向きは日本に対する印象が良さそうであっても、外国の方々の心の奥底では、まだ日本は許されていないのでしょう。私は、あるヨーロッパの研究者から、「ドイツは、過去の過ちについて何度でも謝罪している。その理由は、何度謝ろうが、あの件は決して許されないことだからだ。ところで、お前の国(日本)はどうだ?自分たちは、もう十分謝罪していると思っているのか?」と言われたことがあります(あるヨーロッパの街の居酒屋でのこと)。

(5)先日、世界を牛耳っている国のリーダーが来日され、すごいことをおっしゃいました。また、これを受けて、我が国のリーダーも、すごいことをおっしゃいました。私は、彼らのお言葉を受け入れることはできず、ネガティブな気持ちです。我が国の政治家の中には「最高の失言」として歓迎する向きもあるようですが、私はこのことにも同意しません。かの国のリーダーによる当該発言は明らかに「失言」と思いますし、我が国のリーダーは調子に乗りすぎと思います。彼ら二人には、「綸言汗の如し」を肝に銘じていただきたく思います。

(6)ロシアによるウクライナ侵攻以降、世界は決して一枚岩ではありません。上記(5)の軽率な発言は、私には「予防戦争論」(「戦争とは何か」、第2章、多湖淳、中公新書、2020年、119から120ページ)のことが関係してある国を精神的に追い詰めそうで、嫌な気持ちです。このようなことで、私は「綸言汗の如し」を言うのです。