JaLTERとは?

JaLTERは、人間社会を含めた生態系の構造・機能およびその変動過程に関する学際的な長期研究・観測を推進することにより、自然環境、生物多様性、生態系サービスの保全や持続可能性に資する科学的知見を提供することを目的とした組織です。また、本組織は国際長期生態学研究 (ILTER: International Long-Term Ecological Research)と密接に連携しながら国内外のフィールド科学のネットワーク構築を促進しています。

長期生態学研究やそのネットワーク研究を通じて、予測可能な生態プロセスを理解し、適切な情報を科学コミュニティ、一般市民、政策決定者に提供する社会的役割を担います。

生態学研究センターの前身である京都帝国大学医科大学附属臨湖実験所(画像アーカイブにリンク)は我が国の陸水学に先鞭をつける研究施設として大正3年(1914年)に創立しました。私たちは、その学術的伝統と知的財産を継承し、湖沼生態系の中・長期的な変動に関する研究を実施しています。当センターは、平成22年度より滋賀県琵琶湖環境科学研究センターと共同で琵琶湖流域の人間活動と生態系の長期変遷過程およびそのメカニズムを解明することを目的とした長期研究サイトを開設しました。

また、初代臨湖実験所所長・川村多實二教授の尽力により、昭和8年(1933年)には理学附属木曽生物学研究所が本邦初の森林渓流を研究する野外研究施設として設立されました(川村多實二(1928)木曽生物学研究所創設趣意書より)。当センターでは、本施設に隣接する木曽川中流域・黒川をフィールドとして、河川生態系の物理環境および生物群集に関する情報を体系的に収集し、公開することを目的として平成22年度より長期研究サイトを開設しました。

琵琶湖流域研究サイトおよび木曽流域研究サイトは、いずれも研究の場としてのみならず、若手研究者育成の場として機能することも目的としています。平成22年度より、全国共同利用・共同研究拠点「生態学・生物多様性科学の先端的共同利用・共同研究拠点」の事業の一環として、琵琶湖と木曽川における長期生態系観測調査を実施します。本事業は若手研究者が観測調査に主体的に参加することを通じて、水域生態系の調査技法を習得するとともに我が国の大規模長期研究を牽引する次世代のリーダーを育成することを目的とします。若い皆さんの積極的なご参加を期待しています。

戻る