木曽川流域研究サイト LTERデータ概要
1) 調査定点
木曽川支流河川・黒川の中流域(木曽群木曽町新開)に設けた調査定点の瀬(Riffle)、淵(Pool)、および、黒川に合流する山地渓流河川の赤塩沢(Riffle
& Pool)の3箇所において、物理・化学環境計測、底生藻類現存量の測定、礫付着藻類優占分類群の同定、底生無脊椎動物の定量採集を実施。黒川については、目視による魚類相調査も併せて実施。
黒川の長期モニタリングサイト上流部に位置する国土交通省管轄の「岡の平」水文水質観測所(長野県木曽郡木曽町新開 北緯35度56分05秒、 東経137度40分16秒)においてテレメータにより雨量(mm)を記録。1977年より観測が開始され、2002年以降のデータが検索可能。観測方法の詳細は、国土交通省 水文水質データベースのトップページ左欄「水文水質観測の概要」を参照。
3) 物理・化学環境
黒川の瀬・淵、および、赤塩沢の底生無脊椎動物採集地点直上の物理・化学環境を計測(ただし、黒川の流量測定は瀬のみで実施)。
流量(Discharge)(m3/s):河床横断面にラインプロットを設置し、各プロット1点の流速を広井電気式流速計にて計測。河道横断面積を求めて、流量を計算。
河床直上流速(Current velocity)(m/s):広井電気式流速計を用いて、底生無脊椎動物定量採集を行う地点の河床礫直上の流速を計測。
pH:多項目プロファイラーを用いて計測
電気伝導動(Electric conductivity)(mS/m):多項目プロファイラーを用いて計測。
溶存酸素濃度(Dissolved oxygen)(O2mg/L):多項目プロファイラーを用いて計測。
水温(Water temperature)(˚C):多項目プロファイラーを用いて計測。
光量子束密度(Photon flux density)(μmol/s/m2):光量子計を用いて採集地点川面直上で計測。
*測定データは反復観測の平均値で表記。セル内のNDは検出限界以下、(−)は欠損データを表わす。
4) 礫付着藻類現存量・優占分類群
礫付着藻類現存量:黒川の瀬・淵、および、赤塩沢の底生無脊椎動物採集地点の礫を採取し、クロロフィルa濃度から現存量を測定。ユネスコ法とロレンツェン法の測定値を併記。
礫付着藻類優占分類群:上記現存量測定用試料の一部を光学顕微鏡下で観察し、優占する藻類を属レベルまで同定し、上位3属を記録(複数回の採集を行った場合は、全ての優占属を加算)。不定期実施。
5) 底生無脊椎動物
群集組成:黒川の瀬・淵、および、赤塩沢において、サーバーネットを用いて複数回の定量採集を実施。実体顕微鏡下で科レベルまで同定し、各科の平均密度(個体数/m2)を記録。なお、2008年以前に実施された採集調査の結果も参考までに掲載したが、調査努力量や定量性が不明瞭なため、出現の有無のみを記載(+は出現を表わす)。また、2008年以前のデータは、個体密度の低い分類群が見落とされている可能性があるため出現種数を年ごとに単純に比較することはできない。あくまでも、優占分類群の出現傾向を示すに過ぎないことに注意。
アーカイブ標本:黒川の瀬・淵、および、赤塩沢において、サーバーネットを用いて定量採集した局所群集の液浸標本および同定後の証拠標本を長期所蔵標本として保管。標本の利用については、共同利用運営委員会に利用申請することが可能。
6) 魚類相
黒川調査定点付近において素潜りによる目視観察を行い、個体群密度を3段階(+++:多い、++:普通、+:少ない)で評価。
7) 調査実施者
上記調査に従事した参加者の氏名および所属を掲載。
年 |
物理・化学環境および礫付着藻類 |
底生無脊椎動物群集組成 |
アーカイブ標本 |
魚類相 |
調査実施者 |
2008年以前 |
× |
× |
× |
× |
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2010 |
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2012 |
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2014 |