Kei Koba's weblog in CER, Kyoto University ~ Are we on the right track ? ~

| Sep 30, 2005 / からから

生物地球化学研究会2005in Nagoyaのご案内はこちらです。

28日は、朝、突然静岡大の加藤先生から電話。シミュレーションをいじりながら、科研費の申請書類を書きながら、眞壁さんのリークとの戦いを眺めながら。やっぱりトラブルに見舞われると、賢くなるよね。結局29日に豊田さんが直してくれたのだが、とにかくよかったよかったよかった。夜、あべっちと天ぷら屋で飲み(あ、アイスクリーム食べるの忘れてたな!)。いろいろと。あべっちが怒濤のようにしゃべってたけれど、いろいろうれしいことを聞けて良かった。そうそう。僕らが本当に身につけなければならないのは、ま、いつもここに書いているけど、どのように考えるか、それだけだからね。極言すれば(それほどとも思わないけれど)、重金属だろうが、同位体だろうが、皿洗いだろうが、僕には全く変わりがない。

29日は、ま、午前中いろいろと。お昼ミーティングを抜けて、創価大の黒沢さんと鎌内さん、そして北大苫小牧研究林の村上さんがいらっしゃる。元々は、村上さんが遊びに来るよって事で、鎌内さんもくるよってことで、黒沢さんも呼ぶよって事で、鎌内さんがポルトガルで習ってきた真菌の微生物生態学的測定法について教えてもらいましょう、ということでした。早速小会議室で渓流での有機物分解についていろいろとおもしろい話を聞かせて頂く。結局あっという間に1時間半ほど足って、ラボを見てもらう。そんなこんなしていると、加藤さんが大岡山に行ってしまいそうだったので、あぶないあぶない。加藤さん到着、その足でもう一度ラボを回る。ラボを回ったら、もう大手さんが東京に着くよ!ってことで、とんぼ返りで東京駅へ。電車の中でもいろいろと妄想。加藤さんが思いついたアイディアをこねくり回し始める。大手町に19:50。待たせちゃった大手さんを捕まえて、とりあえず腹ごしらえで中華料理を食べながらさらに相談。夜23時までいろいろと相談したが、なにせ、さっと東京まで打ち合わせに来る加藤さんや大手さんの行動力足るや、すごいな。楽しい夕べ。

30日は、朝から科研費、、と思ったけれど、やっぱりいろいろありました。。。

えっと、ちょっと、いろいろあるもんだから、空元気を一生懸命放出してしまって、家に帰る途中で自分がカラカラになってしまっているのが分かって、帰り道を変えて、CDをいろいろ買いあさって返ってきました。なんだかなぁ。。

 

| Sep 27, 2005 / 生物地球化学研究会のおしらせ

宣伝してください、とのことだったので、挙げちゃいます。農工大の楊先生や北大の柴田先生や地球研の吉岡先生などが参加なさるようです。京大の大手先生と徳地先生も多分、木庭も多分参加します。

生物地球化学研究会2005in Nagoyaのご案内               
2005年度幹事、木平英一(名古屋大学)

2005年度の生物地球化学研究会を、11月5日(土)−11月6日(日)に名古屋で開催することとなりました。奮ってご参加ください。 (中略)下記の通り、「陸から海」をキ−ワ−ドに行いますが、陸の人に聞いてもらいたい内容です。 また、「陸から海」はあくまで講演のテ−マです。ポスタ−セッションは、各自、自由なテ−マで発表してください。この研究会は、人脈作りと情報交換を通じて、各自の視野を広げ ることが目的と思います。名刺代わりに気楽にポスタ−を出してください。参加者全員のポ スタ−発表を想定し、多数のボ−ドを用意しています。 参加希望の方は、末尾の参加票を木平まで返送してください。

【参加締め切り:10/14(金)】 また、不明な点も木平までできるだけメ−ルで問い合わせてください。
<どなたでも参加歓迎(ただし、学生、研究者むけ)> <参加費無料(懇親会、フィ−ルド見学は実費)>

「陸から海への生物地球化学」 開催趣旨
生物地球化学研究会は、陸上の生態系を対象としている人が多く、これまでも陸 域の話が中心で、海の話題がありませんでした。今年は、陸から海への生物地球 化学と題して、陸とのつながりを考えるという趣旨で海の話題を提供していただきます。海は広くて大きいのですが、日本の沿岸海域では、生態系は陸の影響を強く受けています。いつもは意識しない海ですが、視野を広げる機会になればと思います。多数、またお気軽にご参加ください。

生物地球化学研究会2005in Nagoya 「陸から海への生物地球化学」
日時 2005年11月5日(土)−11月6日(日)
11月5日(土):名古屋大学環境総合館1階レクチャ−ホ−ル
12:30〜 ポスター準備、受付
13:00−13:20 陸から海への生物地球化学 introduction         
木平英一(名大)
13:20−14:35 長江が日本海の一次生産および二酸化炭素に及ぼす影響         
渡邉敦、森本昭彦(名大)、滝川哲太郎、鬼塚剛(水産大学校)
14:35-14:50 休憩
14:50-16:20 アムール川からの物質供給がオホーツク海と北太平洋の一次生産に与える影響 -鉄の循環を中心にして-
中塚 武、西岡 純、長尾誠也(北大)
16:20-16:30 休憩
16:30-17:10 コメント+海洋の炭素循環と陸起源有機物         
半田暢彦(名大)
17:10−17:30 来年度以降の生物地球化学研究会の開催について
17:30−20:00 ポスタ−セッション(途中から懇親会を兼ねる)

11月6日(日):フィ−ルド見学(豊田フォレスタヒルズと藤前干潟、長良川河口堰)
8:30 名古屋大学環境総合館前集合(車で移動)
9:30-11:30 豊田フォレスタヒルズ(森林試験地)見学 <愛知県環境調査センタ− 吉田恭司さん他>
13:30-16:00 藤前干潟、長良川河口堰見学 <愛知工業大学 八木明彦さん、中部大学 梅村麻希さん他>
17:00ごろ 名古屋駅解散予定
<豊田フォレスタヒルズ> 豊田フォレスタヒルズは豊田市中心部から南東6kmに位置し、矢作川に隣接する全体面積76ha の丘陵台地です。トヨタ自動車が所有・管理しており、一部をモデル実験林として整備してい ます。2000年からフォレスタヒルズ内に試験流域(1.5ha)を設けて、名古屋大学と愛知県など が共同で水文・水質の観測およびタワーによる熱収支観測や土壌からのCO2フラックス観測など を実施してきました。試験流域は、当地方の同様な花崗岩帯の森林と比較して蒸発散量が大きく、 年間降水量に対する流出率が少ないことが特徴で、都市近郊に存在することで、その熱環境の影響を受けているものと思われます。渓流水質の面からは、CaやMg濃度が比較的低く、pHが中性付 近にもかかわらず溶存態アルミニウム濃度が1ppmを超えるオーダーで検出されるなど、非常に興味ある結果が得られています。
<藤前干潟> 伊勢湾北部、名古屋港に位置する渡り鳥の飛来地として有名な藤前干潟(120ha)は、名古屋市がゴミ埋め立てのために、埋める予定であったが、環境問題の高まりで中止となり、2002年にはラムサール条約に登録され、世界的に有名な干潟となった。 都市汚濁河川の新川と庄内川の河口干潟で、干潟底泥は砂と有機含量が大きい泥に分かれている。 1994年より、ほぼ毎月調査を行っている(八木研究室と中部大学寺井久慈研究室共に)。渡り 鳥に関しては「藤前干潟を守る会」が詳細に調査をしている。また、ベントスについては愛知みずほ大学川瀬基弘先生が調査研究をしている。  底泥付着藻類の一次生産量、干上がることによる底泥間隙水中の栄養塩類・溶存炭素・メタン・ 一酸化二窒素の変化および現在は潮だまり中の栄養塩類の調査研究が行われている。 環境省は太陽光発電を取り入れた干潟活動センターを建設し、干潟に関する教育・研究・学習の場 とした。これらの施設や干潟を見ながら、研究結果を紹介する。 (残念ながら、潮の状態が悪く、干潟に入ることはできません)
<長良川河口堰> 治水と利水目的で建設計画が始まったが、長良川はダム湖を持たない自然河川の象徴や環境破 壊等の理由で、建設反対賛成の論議が起こり、この中で、極力環境に配慮して生まれた河口堰も10年が経過した。当時の環境修復技術の粋を集めた堰建造物・魚道・環境型ウオーターフ ロントを見学すると共に長良川中下流部の特徴を展示したアクアプラザも見学する。なお、河川氾濫から守る輪中が点在するので、その建築様式の特徴を紹介する。また河口堰における メタンの発生について、1998年から2001年まで調査した概要を説明する。

参加票送付、連絡先(幹事):
木平英一(名古屋大学環境学研究科)
電話052-789-5469 ファックス052-789-3436 メ−ル ekonohiraアットマークnagoya-u.jp

参加票 (あて先 ekonohiraアットマークnagoya-u.jp)
生物地球化学研究会2005in Nagoyaに参加します
氏名(ふりがな):
所属:
メ−ルアドレス:
現在研究を行っている内容(キ−ワ−ド):
11月5日(土):参加  不参加
うち  懇親会: 参加  不参加     
ポスタ−: 発表する  発表しない
11月6日(日):フィ−ルド見学:  参加  不参加
☆11/5の宿泊は、8名分の名大内の宿泊施設(ビジネスホテル並み)を確保しています。 一泊3260円で、会場から徒歩3分と便利です。先着順とさせていただきます。
名大内の宿泊施設への宿泊(11/5): 希望する  希望しない
☆11/6のフィ−ルド見学は、17:00名古屋駅解散予定ですが、状況によって途中までの参加も可能です。 その場合は、何時まで参加可能か、帰りの交通機関の事情などを含めてお知らせください。 できるだけ、途中まででも参加できるよう配慮します。

いろいろとやらないといけないことが目白押しなのだが、大車輪で、、というような感じに行かないのは、ちょっと疲れているのだろうか。今日は朝一番で楽しくメイルを書いて、すぐさま実験室にこもってdiffusionの準備をねちねちと。3時間やって、mass部屋に行くと、眞壁さんが謎のN2O消滅に悩んでいる。simulation modelを回しながら(Rosenbrockって、な、なんだ?)、眞壁さんの結果を二人でうーうー言って、また眞壁さんがいろいろやって、またうーうー言って、、の繰り返し。途中emissionというかmass全体が落ちてびびった(久しぶりだ、、、)。

頑張れば頑張るほど、機械のトラブルには出会うもの。その関数は線形ではないから、なんというか、とってもしんどい時期が、だいたい博士課程や修士2年生頃から突然訪れる(事が多い気がする)。ただ、トラブルは、自分の測定に対する感受性をアップするチャンスでもあるわけで、淡々と事に当たるしかない。実際のところ、出来ることは限られている。

今日の論文は、液クロで分離したターゲットの物質を、ベルトコンベアに乗せて、こんがり焼いて、同位体測定!そんなのあるんだ!!10nmolで測ってる。。。昨日話していたようなことは、これで出来ちゃうわけなのね。まぁ、酢酸は難しいだろうけど、たぶん。

なぜか1995年のモデルは再現できるのに、2000年のモデルは再現できない。。。なぜなのだ。。。生物が死に絶える。。。。

モデルを回しているので、全く研究と関係ない話ですが、全く生協で買うのに似合わない、京都枝魯枝魯の本を買いました。枝魯枝魯の本店には京大にいた頃、数回連れて行ってもらったのですが、料理であんなに心底感動したのは初めてでした。今年で閉店なんて信じられない。本にも出ている、じゃがバターが、びっくりするようなおいしさなんですよ、、二度と同じ料理は出てこないから、二度と食べることは出来ないのだけれど(レシピが当たり前に載っているのが、びっくり)。ああ、、夜中で良いから(夜の11:30からであれば、まだ予約することが出来るそうな)、調査でなく(これ重要!)、京都に遊びに(遊びに!!)行きたいよぅ。。。

モデルの結果が出た!あ、やっぱり死に絶えてる。。。なぜだろう。なぜ養分あるのに死んでいってしまうんだろう。。

今日はAGUから「早く年会費払うとお得よ!」というメイルが来ていて、JGR-Biogeosciencesも購読することにしました(今年は確か無料)。ああ、お金のことは見なかったことに。。。それと、名刺を作ったのだけれど、すぐにG5-12という大事な番号は変わってしまうんだよな、、、ああ、。

眞壁ボスから、今度はGCがご乱心と!きょ、今日は何か呪われてる日なんだよ。そ、そんな日もあるってば!!

 

| Sep 26, 2005 / 連休明けでぼやぼや

朝から引っ越し関係などでばたばたと。その後吉田先生とお話しして、気がついたら生態学の輪講は出ることが出来ず、微生物輪講に途中から参加。その後、博士中間報告会の審査を2名分。こりゃしんどい。終わって急いで吉田研ゼミ。ぜいぜい。終わった後、藤原君や水野さんの研究の話をあれやこれやと。こういった話は楽しい。バン、ドーン(意味不明)。

みんな、これから数ヶ月で、むちゃくちゃ頭が良くなるんだから(そのチャンスなんだから)、とにかく歯を食いしばっても、楽な方に逃げないで頑張るように!!!って、自分に言っているようなもんだが。

今日の論文は、アーキアでも硝化するやつが居る!です。そうなんだ、、ほら、、やっぱり窒素循環の進化って、全然分かって居ないじゃないか、、、いや、ほんとうは、リンlimit環境下で絶滅危惧種が勝つ!の方がどきどきしますが。ねぇ。

ああ、とにかく今できているsimulation modelで、仮想添加実験をやってみれば良いんだ、、、なぜ気づかなかった、、、。だめかもしれないけれど、、、

だれか、「緩衝液」の仕組みを教えてください。MgOが入っている溶液にはNaOHを入れてもpHは上がらないのでしょうか?Mg(OH)2になるので、pHが10位まで上がるんでしょ?でしょ?なぜ、NaOH入れても上がらないの?本当に上がらないの?(涙)。

ま、僕の化学的知識なんて、こんなもんなんです、、、まったくどうしたもんだか、、、

 

| Sep 25, 2005 / 締め切りは、、、(ジョーズのテーマ)

今は昔、京都大学生態学研究センターが湖の畔にあった頃、占部先生がJJ Elserさんを講師に、「論文の書き方講座:Science as a culture(だったかな?)」を開いてくださっていた頃、最後の講義かなにかで、みんなで飲んでいた時に、占部さんが、「外国の偉い人でも何でも、とにかくメイルを書いたら、2割は返事が返ってくるから、何かあったら怖がらずに書いてみたらいい」とおっしゃっていた。

いろいろな人から質問のメイルが来るのだけれど、僕はその2割になりたいと思っていて、なるべくすぐに、何らかの形で(「読みました。今出張中で携帯から失礼します。返ったら改めて連絡します」ってのが多いけど)、返信することにしている。特に大学院の学生さんに向けてはpriorityを上げている(吉田・木庭研の学生に限らず)。僕も、いろいろな人に、いっぱい助けてもらってきた。それを忘れないように、と思ってのことなんだが。PDの人たちに向けては、返信遅れるけどね。そりゃ、だって、博士持ってるんだから!

ということです。今現在、僕も、全くしょうもない質問(だろうが、僕にとっては重要な質問)を、とある著名な先生にメイルでおたづねしているところ。返ってこないだろうと思ったら、返ってきた(というか、その人では分からないから、ということで、もう一人の著名な先生に転送されて、その先生からも、学会が終わったら返信するよと返ってきた)。世界的に有名なこの人達が、僕のmessyな(数式をいろいろplain textで書いたから、本当にきちゃないメイルになってしまった)メイルを見て、ちゃんと対応してくれることに、思いを新たにした次第でございます。僕のような人間が、偉そうにしている場合ではないのだ。

 

| Sep 24, 2005 / 締め切りはそっと肩に手をかける、、、

DL DeAngelis and PJ Mulhollandの"Dynamic consequences of allochthonous nutrient input to freshwater systems"のお勉強、、って、いまさら、、、ただ、どうせノートにとるんだったら、ここに挙げておけば何か良いことあるかもしれない。Wordの数式editorを使って書くなんて、なんだか悲しい、って気もするが、手っ取り早い。textでは下付とか無視して書いちゃうところが全く中途半端だが、とにかく自分が分かりますように、、、、、、。

   (2.1)
   (2.2)

N: nutrient concentration
B: concentration of nutrient tied up in biomass per unit volume of water (g m3)
r: maximuc growth rate of the phytoplankton (d-1)
Q :flux of water throught the system
e: recycling coefficiet of nutrient from phytoplankton to water (d-1)
b: half-saturation coefficient for growth of phytoplankton (g m3)
V: volume of the stream segment (m3)

これをsteady stateで解けば

   (2.3)
   (2.4)

となり、両者が正の値を持つためには、r-eつまりnet rateよりもQ/Vが小さくなければならない。そうでなければ、phytoplanktonの再生はwash outに追いつかず、個体群は消え去ってしまう。ふむ。

こういった計算はケモスタットの分野またはバイオリアクターの分野でいろいろやられている。のだが、reactorの中が完全に混ざっているというのが大前提。でも河川とか、そんな単純じゃないだろう。

ってことで、autotrophはphytoplanktonではなく、algal periphytonを考えて(つまり底にくっついていて、流れていってしまったりはしない)、って考えると,

   (2.5)
   (2.6)
  (2.7)

D: dead biomass (or detritus)
γQD: washout of detritus
e1, e2: nutrient recycling
m(VB): mortality

だそうで。 んで、これをsteady stateでとくとBssはある値に落ち着く。Nssは、しかし、

   (2.8)

と解けばなるわけなのだが、これって、algaeのパラメーターのみで決定している。これはおかしい。というのも、どれだけstream segmentが小さかろうが、どれだけQやN0が高かろうが、つまりは、どれだけallochthonous nutrientが入ってこようが、Nssは関係なく決まる、algaeのgrowth rateに見合った濃度に決まる、と言うことだからだ。んなわけはない。これはlongitudinal seriesで考えても、うまく行かない。最初のsegmentで濃度がものすごく低くされてしまうから。

ということで、いつもの2 layer modelに行くことになるわけだ。見えづらいと困るし、ここは大きくして表示。汚いけど。

   (2.9)
   (2.10)
   (2.11)
  (2.12)

ここで、

e3: the rate of loss of nutrient from the system to recalcitrant forms
Vs, Vw: unit segment volumes for the storage zone and free-flowing water compartments
kwVwNw, ksVsNs: nutrient fluxed from free-flowing water to the strage zone and vice versa
kwVw = ksVs must be assumed in order for the net flux across the boundary between the two zones to be zero when nutrient concentrations are the same.....

e3というのが新しく微妙に入ってきている。Q (m3/d)という一定の水量が上流のsegmentからやってくる。そのfluxは保存される。つまり支流や地下水からの流入はここでは考えていない。 蒸発も。なので、あるsegment i における上流からの溶存養分のインプットはQNw,i-1となる(Nw,i-1は一つ上流のsegmentでの養分濃度)。同様に養分のwashout rateは-QNw,iとなり、Nw,iはsegment i での養分濃度。ね。上の式では i を up に書き換えているだけ。さて、これらをsteady stateで解けば(ああ、ちょうどピアソラの演奏熱が入ってきた)

   (2.13)
   (2.14)
   (2.15)
   (2.16)
と、ところで、じゃぁ、Mulholland and DeAngelis (2000)から何が変わっているか、それが僕には問題なんだ(そのために書いている)。良く読むと、surface waterではただ単にNwが流れてゆくだけで、消費はsubsurfaceで全て行われている。吸収、再放出、detritusとして埋没、などなどなどなど。ちぇ。ま、先に進もう。

このsteady stateでの振る舞いは、Vs/Vwを変えてみたり、kwとksとか、e3とかを動かしてみていろいろ考えるといい。より長い渓流でのNw、Ns、Bs、Dsの値を計算するためには、ある固定された上流地点から初めて、iterationで数式を解く。kwとksの関数敏江Nwを書くと、論文の図2.3のようになるが、Nwはどんどん下がって行き、最終的にはNsに近づく。ksやkwが大きいとNwの減少は急速に起きる。これは、どんどんstorage zoneに養分が供給されるから。もちろん同様にe3VsDsという分解しにくいdetritus生産速度が大きくなってもNwの減少速度は大きくなる。

と、ここまで書いてきて、うーん。2000年の論文の概念より、この論文の方が良いような気がしてきた。表層でのbiomassって、効きそうにない、というのが僕の個人的な(野外での)印象なんだが、、、、、。とはいえ、この論文ではその先の本当に必要な議論がないので、うーん。古い方でチェックしないといけないかなぁ。。。。あ、、、というか、DeAngelis et al. 1995と同じじゃないか、、見かけちょっと違うけど。。。 allochthonous inputを考える記述がこの後続くんだけど、今はその段階じゃないんだなぁ。。あああ。。。

ということで、一生懸命読みながらノートとってみたけど、あれあれあれ?ということでした。残念!来週は、diffusion週間ですが、博士論文の中間審査から始まって、北大の村上さん、創価大の鎌内さん、山梨大の西田さんがぶらりとすずかけまで遊びに来て頂けるそうなので、火曜も木曜日も多分飲んでます。この2週間で出来る限りdiffusionをこなさないと、、、。10月は永田CRESTのコアメンバー会議、N2Oの測定(もう、最後かも、、)、北大雨龍でのサンプリング、とにかくまた忙しいな。11月は微生物生態学会、生物地球化学研究会、和歌山GPS測量と、11月前半までかなりねっちりつまってます。ずっと専攻の引っ越しは続きますしね。。。関係者の皆さま、何卒、、なんだか分からないけど、とにかくよろしくお願いいたします。

 

| Sep 22, 2005 / 学会から帰ってきました

連休はいろいろとありまして、そんなこんなで陸水学会でした。ちゃんと最初から最後まで聞いた学会というのも初めてだったな。懇親会も生まれて初めて出ることにしましたが、これは、アロキトナスからオートキトナスに僕のなかで何かが変わったと言うことで大変なことなんだな??

ま、学会に行くといろいろ良くも悪くも思うことがあるもので。

  • 同位体の発表って多いんですね。びっくりです。このwebsiteを見ているって言う人も結構いるんですね、それまたびっくりです。
  • DINとかNO3とかの濃度がこんなに発表されている学会ってのも初めてでした。
  • 初日は、同位体やら水質やらを聞いて、午後からLTERを聴いて、なんだかいろいろ考えることが多くて頭が重くて、しかもいろいろなコメントすべきメイルがみるみるたまってきていて、自由集会には出席せずに難波に戻り、ホテルで仕事を始めてみるもおなかが空きすぎて、ちょっと遅れて帰ってきた眞壁さんについてきてもらって難波のど真ん中でお好み焼き食べました。うまかった!
  • 2日目は、永田研の小林さん、金さん、西村さんの発表を立て続けに聞いて結構おなかいっぱいでした。後でゆっくりお話を聞こうと思っていたのですが、捕まえられなかった、、、
  • 午後は陀安先生のD18O話から山田先生グループの恐ろしいダム湖話や、楽しみにしていたヒドロキシルアミン話を聞きました。土居君の話はわかりやすかった。最後に、誰だろう、着物来ている女性は、、と思ったら、島根の中村さんだった。中村さんには僕の調査人生ワースト10に確実に入る、恐ろしい調査に参加してもらったので、常に頭が上がらない。
  • 発表を吉岡さんとか宮島さんとか徳地さんと聞くと、一粒で二度も三度もおいしい。
  • 宮島さんが2日目でお帰りになってしまうとのことなので、是非眞壁の発表を聞いてコメントをしてやってください、とポスター会場に連れ出し、携帯メイルを連打するもなぜか届かなかったらしい。山田さんや宮島さんや、土木研の対馬さんとあーだこーだと。ああ、眞壁、、、最も重要な瞬間を、、、。時々届かないんだよね、メイル。暇だったら学会中はポスター会場に行こうね。
  • いろいろな学会には出ましたが、日本で懇親会に出たのは初めてです。いろいろな人を鎌内さんや土居さんが紹介してくれてありがたい。結局ほとんど何も食べられなかったけど、もうそれは良いといえる年になったし!後半、中村さんを捕まえていろいろと。本当に滅多に会えない人なので、だらだらお互いしゃべっていたら終わっていた。
  • 竹門さんが宇治に帰らなきゃならなかったのが残念だったのですが、とにかく、どんなあつまりなんだ?とにかく16人?くらいで鶴橋でさらに飲む。佐賀大の速水さんや土居さんご夫妻といろいろと。
  • 「見えないものを見なくちゃ同位体なんてやったって意味がないよ」とか「論文を読むのは勉強じゃないよ」とか偉そうに。無茶偉そうだ。レジームシフトくらい見えないとだめだろうて。
  • 土居さん、Jacques Finlay(FinlayさんはDOCとかやっている。Findleyさんともうごっちゃになっちゃって、、、)ところに最近遊びに行ったらしく、そしたらSarah Hobbieと会ったらしく(やっぱりSarahはJacquesの奥さんだったんだ。聞き間違えじゃなかった、、)、 3人でご飯を食べている時に、知っている日本人研究者として僕の名前が出たらしい。それはまぁそうかもしれないが、そこで出た、旦那さんすら知っている、僕がSarahに出した"exciting”なメイルというのはいったい何のことなのだろうか?留学時にだらだら書いていたここで検索すると彼女の名前はいっぱい出てくる(といっても、2000年の時は、本当にすれ違った時にHi !って挨拶するだけ位だった。だって、あの、あこがれの、分解のSarah Hobbieだったし!)。ま、彼女に書く時には、かなりの状態(??)であることは確かだろうなぁ。
  • ああ!土居君にAMEのあの論文のpdfちょうだいってお願いするのを忘れてしまった!!!
  • ま、とにかく今回の学会のタスクは、眞壁さんをいつもは絶対に会えない人々と会わせて飲みに連れ出すことだったので、タスク終了!野崎さんの飲みっぷりは相変わらず男前だった。
  • 飲んでいたなかでも、僕はすでに年上の方になってしまっているのか。いやはや。考えを新たにしないと。
  • 変にビールでおなかいっぱい。キャベツ焼き断念。
  • 3日目はポスター発表。すごい人。尾坂さんの発表もなかなか人がいっぱい聴きに来てくれていたし、眞壁さんのもいろんな人が聴きに来てくれていたみたいで良かった良かった。
  • 楊先生の学生さんの松下さんの同位体発表をフライングで聞かせて頂く。硝酸、きれいな傾向でびっくりする。砂漠で硝酸がたまりにたまって居るんだよ〜(pdfが開きます)てな話にもしかしたらつながるのかな?こういった仕事をしっかりやる人が出てきたのは正直うれしい。
  • へばって外に出たら、大手さん、徳地さん、舘野さんが居たのでいろいろと。硝酸ぐるぐる。
  • 午後は吉岡プロジェクト関連のモデリングについての集会。参加してくださる方がいっぱい居てよかったです〜
  • その後、えーっと、小川さん、勝山さん、吉岡さん、日野さん、吉田さん、柴田さん、舘野さん、木平さん、大手さん、楊さん、陀安さん(これであってるのかなぁ、、)で、飲みに出る。あっという間に時間は経つが食べ物が出てこない。ああ〜時間切れ。楊さんとご一緒して東京まで帰ってきました。楊先生とあんなにお話しできたのは初めてだったので、それだけでも良かった。いろいろなお話を伺ってしまった。生物地球化学、何とかしないといけないですね。
  • 0時を少し回った頃に帰宅。へばってた。

今日はなんだか負抜けちゃいましたが、まずは引っ越しが無事に始まってほっとしています(といっても、それは吉田・木庭研の引っ越しではないのですが)。那須君の学会発表予聴会、眞壁さんといろいろお話、阿部君といろいろお話。みんな、学生さんと話すために僕は部屋に居るんだから、遠慮なんてしないでください!!本当に忙しい時は部屋におりません(おれませぬ、、、)。しかもみんなとっても大事な話だったじゃないの!!今日、某超有名人にメイルを打ってみた。返事帰ってこないだろうけど。

自分の研究や考えていることをもったいぶったり秘密にする人とは、絶対うまくやれない。僕は正反対だから、僕は良くても相手は我慢ならないだろうなぁ。僕は、僕が思いついたりすることがそれほど、人が考えつかないようなすごいことだとは全く思っていないし、それが、たとえかなり勉強しなければ理解・想像ことだったとして(研究で言うcutting-edgeなところは、かなり勉強しないと分からないからね)、たとえば、それを伝えて、相手が分かったとすれば、僕の言葉で理解する、ってことで、それは自分で考えるよりもっとハードルの高いことで(コミュニケーションは100%伝わることはないから)、そんな人は、だいたい僕が考えるようなことは全て考えつくし、実際にやれちゃう。それよりは自分の考えているベストの、最も前をいっている(と自分で思っている)考えやデータの解釈を聞いてもらって、もっと先へ行った方が良い。もっと先に行く自信があれば(いや、実際には、自信があるふりをするやせ我慢を続ける覚悟があれば、なんだが)、自分のアイデアなんて、、と思うのだが。または、秘密にしている人にとっては、僕はそれくらいの存在なんだろう。そういうことか。どっちにせよそんな人と仕事をやる気もないから良いのだけれどね。

ちょうど中島敦読みたかったのでありがとう!今週末もまたいろいろとやらないと、、、

インターネットの普及で僕らが心底考えることの出来るようになった事って、如何に「正しい情報」を選別することが難しいか、だと思うんだけど、授業のレポートとか読むと、本当に将来恐ろしくなったりすることがある。Googlzonにみんなやられてしまうのだろうか。きちんと疑うこと、その訓練をしっかり大学院でやってもらいたいなぁ。本当に。

 

| Sep 17, 2005 / いろいろと

今日中に大事な書類をいくつか書き始めないといけないのだが、いまいち気が乗らないので書いています。

14-16日に持って帰ってみた論文の一部。でも、「9.11 生死を分けた102分」を必死で読んでいたので、ほとんど読めていません。

  • microbial oceanography特集
    しょっぱなにFISHのDelongとDOMのKarlのreviewから始まるという贅沢なreview群。Arrigoの養分循環、海洋だとヒドロキシルアミンまできちんと書く論文が意外に多いなぁと思ったり。
  • リン酸の酸素同位体から有機物の再無機化を探る
    MBLでDiffusion仲間だったBen Coleman(いまはJ Schimel Labにいる)のお兄さんの論文。リン酸の挙動はリンの安定同位体が存在しないので、酸素をやることで何とか挑戦している(海水中のリン酸を分離してその同位体比を測定するのはきわめて大変な前処理が必要で、それについてもColemanの論文がある)。
  • 溶存メタンの水素同位体測定と14C測定のための前処理ライン
    Kessler and Reeburghの論文。19Lとか114Lとかの海水を抽出するの?大変だなぁ。
  • 2D-LC-IRMS
    まだ全然読んでません。興味のある方はどうぞ。

来年の3月、生態学会の公募シンポジウム、来月末の筑波での会議で、話をしてくださいとの打診があって、2つ返事でOKをする。生態学会で発表することも、もしかすると最後かもしれないからなんて思ってちょっとびっくりしたり。

13日は、半年ぶりにautoanalyzerを動かして、NH4を荒く測定。眞壁さんがいろいろなことを覚えているのに、、僕はいろいろ忘れていて、年だなぁ。何とか終わって、アラスカのサンプルの半分くらいはdiffusionに移行できるだろう。問題は、その準備のために時間を確保することだけれど。

14日は教員会のあと安全に関する教習(「感電をしたことがない学生」か、、)。12時から眞壁さんの学会発表予聴会。そのあと博士論文中間発表会で審査。この博士論文の審査はかなり大変だろうけど、覚悟を決めた。そのあと、MotionBlueへ。生で森さんを聞けたのは感動。沼澤&森を聴きに行ったのだが、やっぱり大貫妙子ってすごい。すごかった。「積極的な安定性」なんて事を考えながら演奏を聴いていた。演奏前にはKnollの本を読んでいたのだが、この本は本当にすごいぞ。いつの間にかlive houseで一人こっそり本を読んで開演を待っている親父になっていた。なりたかったんだけれど、なんだか変な感じ。

15日は、朝一番で大岡山の図書館に行き、祥雲先生の学会賞受賞論文をコピーしてからすずかけへ。眞壁さんの話を聞いたり、データ処理したり。

16日は、吉田研引っ越しの書類を三橋さんが作ってくれるのを手伝おう、というのがメインだったが、阿部君や眞壁さんの話を聞くのがサブ、自分のsimulation modelについて時間を割いて、もう一度考え直すというのが一番低いpriorityという1日の予定。眞壁さん眠そうだけれど、うんうん考えていて、もう一歩で誰もさっぱり分からない領域まで行けると思う。問題は、その領域でどれだけ明らかに出来るか何だけれどね、今後。頑張って!夕方友人と食事。京都のあの名店が閉じられるとしってびっくり仰天。どうしよう。11時くらいからなら予約はまだ取れそうだから、金曜日の夜の新幹線に飛び乗れば、11:30からのコースには間に合うだろう、なんて話を。

ま、どうあがいても書けないことが多すぎるので、これにて!来週は陸水学会に行っています。Knollの本(「生命:最初の30億年」。まだ1冊すずかけの生協に並んでます)は、一度読んだけれど、もう一度線を引きながら読もうと思います。火星の探査について書かれていないことから、それでもだいぶ昔に書かれていたんだなぁ、と思う一方、硫黄同位体比の異常とか、最新のトピックもわかりやすく書かれていて、一般向けと言うよりも、むしろCOEのとっかかりの教科書として(そして僕にとっては微生物の進化についての教科書として)、読むべき本かもしれません。

 

| Sep 13, 2005 / 誰か読むかなぁ

本日の論文(これだけのためになんとかwebにつなげてみた)。ESTです。全部。今日のは

 

| Sep 12, 2005 / NH4の単なる濃度定量

朝、頑張って百を超えるe-mailと格闘し、図書館に行き文献を漁るが、2004年の雑誌が製本に出ていて撃沈。

本日の持ち帰り論文

  • 「進化」の速度と生態学的プロセスの速度。新しい定義とその利用について
    コーネル大の(お会いしたことはまだないけどあの有名な吉田さんも共著者の)刺激的な論文。微生物のことを考えたら、「進化」という大仰な言葉ではなく、alterationというような、変化、というような感じで捉えないといけないのではないかな、なんて考えていたのでぴったり。進化は会議室ではなく現場で、目の前で起こっているのだ!「フィンチの嘴」、読んでない人は鈴木さんから奪ってください。
  • geochemical cycle研究と微生物生態のリンクとして現在のあるべき姿か?
    2nd authorのBoetiusさんは、この数ヶ月ずっとお名前を拝見している、MPIのお方。geothermal ventでの還元環境における物質循環を、ありとあらゆる技術を総動員して解析している。加藤・木村研究室と組むのであれば、同位体の法としてはこれくらい(biomarkerの同位体まで)やらないといけないな、ということで。
  • 高山帯・寒帯土壌での微生物群集構造
    アラスカで一緒だったMikeがNiwot Ridgeに移ったのね、と思いながらぺらぺらめくる。 彼がもう1本biogeochemistryに書いているのか。多分僕の同位体データーとは相反するような内容だろうな。楽しみ楽しみ。arctic soilについて16sRNAなどを使った研究が3本しかないって本当かしら?Byronの仕事とかチェックされていないけど、あれはsoilじゃないのか。
  • カビによるアンモニア発酵
    東大の祥雲先生の学会受賞論文が上記のように採れなかったので、ひたすらWeb of Scienceでヒットする論文を集めまくる。その中でもこれがとりあえずおもしろそうだった。とはいえ、電車の中ではその他の日本語総説(化学と生物などにお書きになっている)を読んで準備体操をしたにとどまってしまったけど。P450の本が生協にあったけれど、珍しく買わなかった。しかし、カビが、酸素がなくなるにつれて、酸素呼吸、硝酸呼吸、アンモニア発酵、という段階をなだらかにたどってゆくのであれば、これは、いろいろな論文で何となく言われていた、脱窒よりも硝酸還元(硝酸還元とアンモニア発酵は簡単に比較するのはまずいだろうけど)というものと合致する。ああ、是非お会いしてお話を聞きたい。

今週、何が何でもNH4の濃度だけは出すぞ!そうしないとさっぱり先が見えてこない。引っ越しだけが迫ってくる。永田CRESTのコアメンバー会議も迫ってくる。ああ、モデルが頓挫したまま。。。1週間ほど三橋さんが休みを取ったら僕もとろう。今週はオートアナライザーのご機嫌を伺いつつ、ライブに行ったり、友人と飲みに行ったり、とにかくリハビリします。体力よりも精神力が疲労してくるのを何とかするのも自分しかないからね。

 

| Sep 10, 2005 / FISHサマースクール@静岡大加藤研究室

FISHの相談中です月曜日:入試+引っ越しWG。とにかく大変でした。

火曜日:朝の新幹線で静岡へ。品川と静岡駅でゆっくりとコーヒーなど。Knollの「生命最初の30億年」をようやく読み始める時間がとれた。静岡駅からバスで静岡大学へ。加藤研究室の皆さんがすでに大勢来ていて、忙しく準備なさってくださっている。お昼前まで加藤先生にいろいろとお話を聞いたり、今後のスケジュール等々いろいろ打ち合わせをして、13:00よりFISHサマースクール開講。参加者は京大からうめちゃん、小川君、井上君、鈴木さん、徳地先生、大手先生、北大から森君、山本さん、あとから村上さん、東工大は鈴木大先生、眞壁ボス、木庭。我々はTDCもやったことがないド素人であるということで、火曜日はDAPIおよびAOによるカウントを行うことに。固定から脱水、染色、カウント、といった一連の作業を教えてもらう。僕は藤井さん・近藤さん両先生にご指導頂いたのだが、しっかりしているよなぁ。まだ学部生なのに。夕食はお寿司をみんなで食べながら。スギ人工林は本当に悪なのか?という話をいろいろと。眞壁さんが到着したと同時にみんなで帰ることに。眞壁お疲れ様!

水曜日:本日はFISHのプロトコルを全て流すことに。固定したサンプルを脱水し、hybridizationする。僕らとしては、どのような器具をどのように洗ったらいいのか、そこからかなり分からないので、いろいろと毎回質問する。何でもかんでも質問攻めにしてしまっているような気もするが、逆に中途半端に終わらせる方がもっと失礼だと思い、いろいろとお聞きする。夕方、加藤先生、木村先生と、大手先生、徳地先生と町に出て、会談(怪談?)。メソスケール、物質循環と微生物生態をいかにして有機的にリンクさせるか、どんな学会活動をしてゆくべきか、などなどなどなど。9時前にお開き。大手先生は京都に。木庭は東京へ。

うめちゃんAOはもう余裕?木曜日:朝から引っ越しの会議。終わったあと秤屋さんと打ち合わせをして、電車に飛び乗り、静岡に2:30着。タルトを2ホール手に入れてタクシーで加藤研究室へ急ぐ。新幹線に乗っている間に、刻々とDAPIやAOの画像が届き、一喜一憂。タクシーの中では三橋さんに電話したり業者さんに電話したり、プチ加藤先生気分。とにかく3:00過ぎに加藤研究室に到着。みんなFISHの待ち時間やAOのカウント待ちとかでちょっと間延びした空気が流れていてほっとする。村上さんと葉圏での微生物群集の論文など見て、あれやこれやと大騒ぎする。

微生物生態学的手法の土壌サンプルへの適用は、それだけで非常に大きなテーマである。今回事前の文献サーベイでは十分な状況把握まで到達せず、悶々としたまま来てしまったのだが、やはり、試行錯誤で行かなければならないのかなという印象を持った。そうとはいえ、やはり、現在までのデファクトスタンダードについてはきっちりと調べておかないといけない。

簡単に言えば、有機物は全ての敵であり、しかし濾過を厳しくすればするほど、大きな微生物までも取り除かれてしまう。それだけでなく、微生物の存在する有機物というものを考えた場合、みたいものとみているものの間に大きな隔たりを作ってしまう可能性がある。これは最終日、田邊さんのF420を見た時に僕の中でしっかりと、はっきりとした問題提起となった。数を数えるだけが能ではない。その生育状況を見ることが出来るチャンス、それがこの手法には残されていることを常に頭に入れることが僕には必要だろう。

木村・田邊チームが温泉をサンプリングしています農学部環境微生物学研究室早津先生がご発表して頂けると言うことで、村上さん、徳地さん、眞壁さん、木庭で拝聴するも、これがものすごくホットな話題で。茶園の窒素循環。硝化菌って、あんなに早いdoubling timeを持っているなんて知らなかった!!たしかにpH7が最適であるとしてどこまで生きることが出来るのか、という徳地さんの質問は、実は自分自身に投げかけている質問だけど、難しい問題だよな。硝化菌という小さな群集の中でもおそらくKmに代表されるようなphysiologicalな特徴で遷移・競争が激しく行われて居るんだろう。東大の祥雲先生の総説を帰ったら真っ先に手に入れよう。多分、バクテリアで大騒ぎしているようなことは真菌ではすでに言われているはず。AGUのabstractにあった、bacterial denitrificationとfungal denitrificationのisotopomer ratioは一緒なんです、とか、一つの物質の異なる同位体比を追跡することで、プールとしては分離できるはずのないものを分離できる可能性があるはず何です、とか、同位体で予測されるものと、現実で観測されるものが、どこまで合っているのか、そして合っていないものの中に新しいプロセスや、新しいシステムのとらえ方の萌芽が眠っているはずで、それを捉える努力をしたいのだ、なんて話を。

徳地さんと村上さんは加藤先生と一緒に帰ってしまったので、ふと気づくと学生さん達と一緒にいろいろなおみやげをいただきながら夜は更けていった、、気がする。眞壁さんはまた白バラコーヒーを求めて夜の町へ。。。

金曜日:朝8:45に出発。木村先生、田邊さん、小川君、鈴木大先生、木庭で温泉サンプリングツアー。海を眺めながらひた走る。どんな人がだまされやすいか、とか、いったらいきっぱなしな生き様とか、そんな話(どんな話や)をしながら、富士山を探すも残念なことに天候が悪く見えない。10:00頃最初の温泉に到着し、サンプリング。木村・田邊チームは手早くサンプリング終了。鈴木・木庭チームは、メタンが破裂しないかとか、いろいろあわてふためいて試行錯誤の末、何とか終了。塩化水銀が硫化水銀となってしまっているものあり。ちと心配。

お昼ご飯を食堂で食べ(こんなの滅多にない!)、13:00からもう一つの温泉。こちらは1000m以上の深いところからでている。何とか出来る限りのサンプリングを行い、一路静岡大へ。清水駅で小川君を降ろし、静岡大に16:00頃到着。13:00にスクールは終わる予定だったが、みんなばりばり頑張って働いている。木村さんの10L DNA抽出を見たりしていると、田邊さんがF420を見てみるとのこと。最初なかなか見えてこなかったが、それでもちらほらとそれらしきものが見えていて、へぇ、、すごいなぁ、、と思っていたら、「あ!きちゃったかも!!」と田邊さんの喜ぶ声が聞こえて暗室に飛び込んでみると、有機物の薄い雲の中に輝くF420が!すごい!やっぱり有機物なんだよな。木村さんもかなり感動していた。あんな地下深いところでちゃんと生命活動が行われていて、それをきちんと測定できるんだ、、あとはbiogenicなのかそうではないのか、炭素同位体比を測ればそれでおわりだ。

最初っからから帰る直前まで感動しっぱなし。木村先生に駅まで送ってもらい、そのまま帰るのもちょっともったいないので駅の回転寿司でお寿司を食べ(かなりうまかった!)、こだまで眞壁さんのN2O発表についてちょっと話していたら、あっという間に品川だった。いろいろ考えるべき事、宿題をもらった1週間だった。とにかく、多くの人が進めばそれが道になるのだ、ではない。誰かがこれが道なのだ、というから道になるのだ、それが誰か、ではなく、もう、僕たちが言わなければならない、そんなことを考えている。

正直あと1年ちょっとというのは短いなと思い始めた。ギアを2つくらい上げないといけない。そして、やっぱり生き延びないと。

 

| Sep 1, 2005 / Stay Hungry. Stay Foolish

月曜日:朝5時過ぎに出発。羽田7時過ぎの飛行機で旭川へ。空港から駅までバス。バスはちゃんと待っていてくれたみたいで、今度から荷物預けても間に合いそう。旭川から名寄まで電車。駅弁うまい。13時頃に柴田さんにお出迎えいただき恐縮。事務部まで車で送ってもらい(駅近くにニッポンレンタカーがあるそうだ)、研究室でちょっと打ち合わせ。戸張さんに3日目、プレゼンテーションしてよね!ということでお開き。

火曜日:早柏さん、小澤さんにご同行頂き、泥川流域をサンプリングして回る。林内雨、渓流水のサンプリングについていろいろと議論。お昼をたべ、DE8で土壌のサンプリング。柴田さんに土壌サンプリングの講義をしてもらうこととなった。戸張ラッキー。結構かかって母子里教育研究棟に戻る。エアロゾルサンプラーについての説明を聞いて、最後に打ち合わせをして、東工大の責任者、戸張君にいろいろと書類を作ってもらうことなどを確認し、6時前に事務部へ。柴田さんと戸張君といつもながら豪華な食事をいただきながらいろいろと。柴田さんと長いこと話をすることができたのって始めてかも。お忙しい人だし。うれしかった。

水曜日:朝方すごい雷。ご飯を食べて、4回生の鮫島さんが昨日習っていたのと同じKCl抽出を戸張さん行う。結局3つのサンプルをやったところでタイムアップとなったが、とにかく感触はつかめただろう。クロネコで荷物をクール便で出し、名寄駅に着き、そこから旭川まで電車(混んでいた)、旭川からタクシー。空港で必死になってメイルをつなぐが、なにせ24日からほとんど読めていないので、大変なことになっている。とにかく緊急は来週のためのFISH probe発注だ。自分のpdf archiveを眺め、知りたい微生物に特有のprobeを探し、静岡大の皆さまにド素人メイルをいくつも受け取ってもらったあげく、なんとか発注にこぎ着けた。はぁ。19:10の飛行機で羽田に着くと、9日には全部probeはそろうけど、、という業者のメイルでへこむ。ああ、もうちょっとしっかり文献をチェックして早く発注していれば、、、、。

北大の川口君から、硝酸のN2Oへのchemical conversion論文を教えてもらった。 帰りにどきどきしながら読んだ。やっぱやってみるか。ヒドロキシルアミンについての記述が全くなくなっているのをメイルで聞いてみようかな。ただ、CdによるNO3の還元は有機物の多い試料ではまずいかもしれない。アルカリで煮たら良いんだろうか。

誰もやっていないことであれば、それはやっぱり大変難しいことだろう。その代わり、その先には大海が広がっているはず。問題は、その毒を飲むのか飲まないのか、その勇気が、熱意が、不断の努力のための覚悟があるのかどうか。パイオニアというのは、その毒を飲んで、さらに苦しい一歩を踏み出す勇気をまずは持っていた人々なんだろう。

今年も夏休みはなしです。。。某さんのweblogで紹介していた Jobs氏の話(英語はこっち)をちらちら読みつつ元気を出そう。

--- And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary. ---