Kei Koba's weblog in CER, Kyoto University ~ Are we on the right track ? ~

| Nov 30, 2004 / 勉強してきました:メモ書きです すんません

渓流水質モデルに関する検討会:名古屋大学にて
11/29
1278河川(上流域) 沖縄県を除く全国を対象。
流域面積1-50km2、20030701-1011に採取 IC、DOC、ICP、SI、DICなど測定

Base cation+Si:大手さん(京大)
流域のスケールと水質の関係から見えること
流域のスケールがどのように溶存物質濃度を決定するのか
土壌層を通って出てくる水と、岩盤層を通って出てくる水、水質、residence time
ECや溶存物質濃度:空間的変動>季節的変動
比流量(流量/流域面積):流域面積の増大に応じて増大?
田上:Ca、Mgが少なく、Naが多い。NaとSiはよく似た挙動
源頭部渓流水中のSiO2濃度は土壌水と岩盤地下水との混合で決定(浅野さん論文)
endmemberのmixing lineの上に、下流の渓流水も乗ってくるので、渓流水全体としても2成分の混合で考えることができそう
土壌表面の集水面積と、岩盤まで考慮したときの集水面積は異なることもあるのでは?
submarine的に水は出てくるのではなく、かなり狭いところでちゃんとできているのではないか?
(同位体比の高度効果が渓流水でも見えることから):収束面積はそれほど大きくない
花崗岩と堆積岩では収束面積が異なる:起伏比が花崗岩では小さくなっている。同じ面積でも次数が異なる
日本の渓流水pHは硝酸濃度に全く関係なく7程度。北米、EUでは硝酸高いと低くなっていた
アルカリ度が日本では高い→風化起源のものがどれだけ流れているか→Ca、Mgは硝酸とのカップリングも考えないと
地質、谷密度といった地形的な要因から濃度を解析する
流域面積、と言うことであれば、Siだけでなくほかの元素でも考えるべき
収束時の濃度は、混合比、上部(土壌)と下部(基岩部分)の比で決まってくるだろう
基岩地形の集水というメカニズムは我々には想像しにくいものかもしれない

DOC:保原さん(国環研)
ソース:有機物層(厚さ、量、質)?
北ではDOC高い、地域性がありそう?緯度とは相関あり。平均気温との相関はなし。森林被服度との相関もなし
シンク:吸着(hydrophobic)
hydrophobicなDOCは吸着力が小さく、硝酸硫酸よりも強い。降水量大きいと濃度低い。降水量小さいとばらつく
Naとは相関あり、Siとは相関なし。硝酸が低いとDOCの濃度はばらつく
植生が重要だろう+植生だけでいいのか?内生性なものは?
単相関でやるのはもうむりがあるだろう。水質に直接関連していないと思われる要因を用いて解析を進めるのと、主成分を取ってその中を細かくみてゆく、など
薄いところでばらつく:という状態に対してどのようにアプローチすべきか。1000点すべてをみる必要はないのでは?

長野県渓流水の窒素濃度:戸田さん(信州大)
2002、2003、2004年のデータあり
ところところではDONでるが、ほとんどNO3がメイン。季節変化それほど大きくない?(9月と11月)、年変化もそれほど大きくなさそう。土壌のC/Nと硝酸濃度の間の相関はない

P:若松さん(電中研)
西日本のダム湖の富栄養化が顕在化:対処療法での限界→ソースを明らかにする
その手法はどのようなものが可能か?
10microgram-P/L以下が70%

Al、Fe:金さん、竹中さん(名大)
Alが非常に高いので、有機物とのコロイドだけでは説明できない(DOCとの相関はない)。鉄との相関は高い
温泉地域はpH低いのでもちろんAlも高い。が、豊田と四国がAl高いのはなぜ?
濃度でみるか?fluxでみるか?瀬戸内はどんなものでも濃度が高い

モデル:新藤さん(農環研)
流域単位での物質循環(富栄養化、貧栄養化)。流域物質循環モデルの構築
アンモニア発生量・沈着量の推定
大気からの付加。肥料由来、家畜由来
DEMから流域を判定して沈着量を計算し、渓流水の硝酸濃度をシミュレートすると、それなりにあう

水同位体:野原さん(環境研)
pH6.5以下でサケ科の魚の遡上が妨げられる
水温とは相関なし。温泉水は重い。降水は変動激しいが河川水は安定
降水によって渓流水のpHがどれだけ変動するか

硝酸:木平さん(名大)
行政の水質監視は下流でやっている。上流域での観測点は少ない
測定値を年平均値とするのは注意が必要(日本では夏高い)。上流と下流の濃度比較はどうなんだろうか?

11/30
「東アジア流域の環境変化:人為起源窒素付加による水質変化の広域的推定」
新藤さん、岡本さん(農環研)、川島さん(東大)
ACEAN+中国、韓国、北朝鮮、日本
世界の
人口の33%
陸地面積の11%
農耕地の17%
窒素肥料の37% を占めている
急激な経済発展
NOxの寄与:韓国、日本では大きく効くが、ほかでは農業起源の窒素が付加されている
中国は単位面積あたりでは小さい値になるが、国内でのバリエーションは大きい
窒素はグリッドに供給され、鉛直浸透に伴い除去され、河川水になった後も除去される。インプットの7割程度が除去されている計算(土壌と河川では半々くらい?)
三東省での地下水:250ppm-Nを超える硝酸も観測される
内モンゴルで負荷量が小さいのに硝酸濃度が高いのは、低い気温、少ない降水量によるものだろう
GDPと食肉消費には一定の関係あり(国によって異なるが)。米の消費量はGDPとともに下がる
2030年には窒素肥料2倍?
アジアのNrは世界の約半分だが一人あたりでは世界平均の71%にしかならない。
NUE、EUEが低い:農民の教育によって付加窒素のrecoveryを上げ、NUEを上げる

「河川の窒素濃度は農業生産の分布で決まる!」

流域データ:岡本さん(農環研)、板谷さん(名大)
日本で指導されている施肥量:100kg/ha

午後:地球研吉岡プロジェクトモデル会議

日曜日、来年の夏ロックフェス+温泉ツアーを敢行しよう、ということを決め、月曜朝から名古屋に向かう。名大の木平さんが中心となって全国の渓流水を測定した壮大なプロジェクト。信州大の戸田さんにお会いする。戸田さんが硝酸の窒素同位体比を習いに来たのは、確か僕がM2の時だから、10年ぶりですね!お会いできて嬉しゅうございました。

とにかくモデル計算の結果が衝撃的。窒素負荷量で流出窒素量があんなに決まってしまうのなら、僕らが中を覗く必要って何??

関野さんと名古屋駅でおいしいうどんを食べて帰ってきました。ずっとお話を聞きっぱなしなのは結構疲れましたが、明日もそうですよね、頑張ろうっと。でもへろへろだ。

 

| Nov 28, 2004 / もでる

CENTURYは何となく使い方は分かったのだけど、DNDCが分からないなぁ、、という状態でいろいろと。

明日明後日は名古屋大学に出張しております〜。CDプレーヤーの調子がいまいちだ(使い始めは上手く読み込まない。修理して1週間目だが、やっぱりまだ本調子ではない)。

 

| Nov 27, 2004 / 宿題いっぱい 

見つかっちゃいましたね!

websiteをとにかく受験生向けに変更しなきゃとおもっているのだが、だが、だが。さすがにtop pageに戯れ言が上がっているのもそろそろ恥ずかしくなってきたしね(専攻会議とかで映されたら困るしねぇ)。

こんな感じで、さらにひっそりと行こうと思っております。さあ、問題の「現在進行中のプロジェクト」について書かないと!はらへったぞ!

ううう、、こんなんで勘弁してもらおうかな。あ!英語でのResearch Projectsができてへん!うーーん。 まだGoogleが情報を取得していないのかな、上手く動かないけど。まあほっとこ。

どうでもいいことなんだけど、スモールワールドネットワーク系の研究のなかには、情報の質って扱っているのかしら?たとえば我々が伝達している情報ってかなりの部分間違っている情報があるわけで、自分に近い人からの情報の質は増幅されて高められたり、逆に見ず知らずの人の情報も、利害関係がないだろうということで高められたり、しかし、実際にその情報が真実かというと、その関数は、自分が信じる信じないという関数とはかなり違っているだろうから、、、とか、かなり面白そうなんだけどなぁ。

 

| Nov 26, 2004 / 変な一日

9時過ぎに大岡山。COE環境班会議に潜り込む。渋谷先生、幸島先生、吉田先生、上野先生、幸島先生の学生さん2名、と僕。なかなかに面白かった。なんだか、森林生態の雰囲気を思い出した。こんなの久しぶり。

お昼過ぎにすずかけ台へ。真壁さんと生態学会の申し込み。自分の分も忘れてた、、。北大川口くんのwebsiteを読みながらうなる。うなるけど、とにかく振り込まないと!途中図書館でMontoya & McCarthyの論文をつかんで駅へ。途中鈴キング先生にお会いしたので、今日生態学会締め切りだぜ、と半ば強制的に申し込ませる。

真壁さんと南町田まで移動し(郵便局から振り込むために電車に乗らなきゃならないのってつらい、、)、無事なんとか振り込んで、鈴木さんがweb登録するのを待ってようやく振り込み終了〜。そのまま帰る。なんだか何やったんだか、って一日。まぁ、週末モデルとか色々仕事しないといけないから、まぁいいか。すっと迷いに迷っていたR. KellyのCDとアート・リテラシー入門を購入して家に戻る。

DNDCの一連のversion、Forest-DNDCにはライブラリーをインストールする必要があるかもしれない。あとは大丈夫そう。相変わらず、PnET-BGCはバグのためそのままでは動かない(codeの中身を見て、出力場所をきちんと直さないといけない)。PnET-CNは大丈夫。CENTURYはversion 5.4.3がそのまま走る(こういうところも、よく使われるモデルの理由かも)。

河川計画論」、結構良いかも。HEPにしろ、nutrient spiralにしろ、結構知りたかったことがきちんと書いてあるような気がする(6000円だものなぁ)。

 

| Nov 25, 2004 / 研究活動の意味

気分を変えないといけないのだが、、、電車が遅れてさらにいやな気持ちになったり。8:30に出社。10時からお客さんなのでコーヒーを入れて気分を変えようとしてみたり。うーん。不調だ。

京大の大手さんから電話があり、3/27には日本生態学会の自由集会(阪大)、3/30には日本林学会(のあと)の森林水文ワークショップ(北大)で話題提供をすることに。日本を飛び回ることになりそうだ。とにかく考えないと、、、。いや、どうせ忙しいのは変わらないのだから、スパートを入れる良いチャンスだと思いましょう。

11時過ぎから某大学3年生の見学者の方をラボツアー?にご案内。濃度でもちろん言えることはいっぱいあるけど、どうしても分からないときに同位体を使うと色々見えてくるはず、とか、物質の動きを追跡するという点でいえば、地球温暖化効果ガスであれ、体の中の薬の働きであれ、食物のトレーサビリティーであれ、同じだし、その中での同位体というのはトレーサーの利用としてのレベルを含めても非常に有効、だとか、そんな話を長々と。

昼飯の間も色々お話しして、13時からの業者さんとのお話し合いは欠席(カラムなしであの値段とは、、、まぁ、DOCの13Cをぼんぼん測定する、と言った用途には良いのでしょうけどね)。まぁ、進める方向で話を進めるとのこと。

僕も仕事があるので、話をしながら、、ということで、Diffusionの終わった、NIAES水田NH4サンプルを溶液から取り出す単調作業をFCRCで手伝ってもらいながら引き続きお話し。結局吉田・木庭研で、修論でやるような研究なんて、社会に出て直接役立つものではない。問題は問題を発見し、問題を定義づけ、問題へのアプローチを考え、開発し、実践し、結果を吟味し評価し、もう一度フィードバックをかける、、そういった科学的思考をどのように真剣に身につけるか、それだけだと思うし、卒業研究というのは、テーマが与えられても(自分で見つけられなくても)いい、研究という一連の作業をおさらいする、と言うことはそれだけで重要だから(まねぶはまなぶだからね)、そんなことを。

自分が3年生の頃に、なんにも考えてなかったよな〜と思いながら色々と話をした。のどがかれちゃいましたが、喜んで帰ってくれたのでほっとした。数冊の本も貸した。疲れ切って早めに退散。Laptopのpartitionを変更したのでメンテナンスしたまま帰る。

農業生態系における炭素と窒素の循環」には様々な養分循環モデルの比較をしたものが載っている(比較した論文の紹介に終わっているが)。表で見るとCENTURYもDNDCもかなりの情報量を必要としているように思えるけどそんなことないんだよね。この表にならって、CENTURYとDNDCとWETLAND-DNDCとPnETの比較を作ろう(週末だな)。

喪失と獲得」を持って電車に乗るが、上記の本を読んでいたら寝てしまった。まぁゆっくり読もう。帰ったら東京事変のCDが来ていた.

数量化革命」の前半部分で考えたことは、僕らは研究、いや、生活の中で様々に数値化していたり、数値化できるものだと思っているけれど、果たしてその線引きはどこで出来ているのだろう?ということだった。たぶん、この文章にずっと感化されたのだと思う

たとえば、14世紀のオックスフォード大学マートン・カレッジの学者たちは、ものの大きさだけでなく運動や光、熱さや色といったとらえどころのない性質も計量する価値があると考えるにいたるや、その考えをおしすすめ、さらに飛躍して、確実さや徳や優美さといった性質まで数値化しようと試みた(p29)。

何も知らないで生きている、そんな状態をどう定義したらいいか分からないけど、そんな状態での僕らの感覚は、果たして数値化できるものなのかしら、線形ではなさそうだ。そして、すべてを数値化する方向ではなく(それは僕ら科学者が陥りがちな間違いだろう。吉岡プロジェクトの中ではその限界を見据えることに重きを置いているけど)、むしろ、どこまで数値化せずに僕らはゆけるのだろう?そんなことを考えた。統計的な話ではなく、もっと根本的な科学、というか、世界の認識のあり方として。

あう!真壁さんからメイル!東京事変聴いていて気がつかんかった!ごめん!!!HVが落ちた後NO modeがN2O modeになってるってことあるのかしら?検出器はN2Oとして測定指定るっぽいなぁ(1.4Vだし、、)。あんまり根詰めないようにね、、って、まぁ、自分が学生の頃は測れるときに測らないと〜って、平気で徹夜してたよなぁ。あのころは若かった。。。とにかく無理すんなよ!あんたにはNH4もNO3もまっているから!(笑) お、おれにはNH4とNO3で約1000点待ってるんだ、、、あぁ、、、

 

| Nov 24, 2004 / 色々とむずかしい

朝8:10に出社。気分を変えないといけないのだが、なかなか上手く行かない。うーん。

友人から譲ってもらったPCの中身を確認し、ファイルを焼き、ちょっと危ないのでやはり再インストールする。が、HDに上手くアクセスしないようで、結局Win2000は9回目のインストール(そのうち2回はWin98)でようやく導入できた。まぁよかったよかった。

休日にあったつらいことが引きずっていてなかなか集中できない。お昼に消防訓練。3分間でちゃんとG5のメンバーは避難完了。あんなに人いたんだなぁ。お昼を食べにいっても絶対に混んでいるので、我慢してPCと戦ったり、地惑実習に使う(そして授業でも使う)植物の炭素同位体比についてのプレゼンテーションを作る。が、やっぱり集中できない。

教授会、そのあと専攻WG。終わったのは19時前。結構早かった。色々と考えるべき事があるけど。

ふと気づいて、DNDCを自分の文献ライブラリーで検索。ああ、これで良いよな、水田のモデルって。PnETで森林、Centuryで畑地、DNDCで水田、Forest-DNDCで森林湿地。これで行こう。

今日の論文はRCMのKeeling Plotをいっぱい書きたい人むけの論文。レーザーでやった方がもちろん良いに決まっているけど、現状ではこうなるのかなぁ。 しかしすごいな。

数量化革命」読了。グラフを始めて書いた人、、と言うようなことは説明してなかったけど、なかなか面白かった(特に前半)。でも今日はここまで。明日は他大学の3回生が研究室の見学に来ます。3回生ももう就職活動を始めているんだね。ということはwebsiteもちゃんと受験生用に情報を公開しないと、、、吉田研websiteは英語も含めて12/25までに何とかしないといけません(正式に)。とにかく木庭研だけでも何とかしないとな、、これは個人で出来ることだし。

 

| Nov 23, 2004 / きゅうじつうちわかいぎ

脳内会議を行いました。そろそろロングラストスパートをかけないといけません。

  • 桐生のG1について硝酸同位体比の測定を行って、早く論文にしないといけませんね。もう結論は出ているようなものです。
  • G34やD1などについては、測定を行いますが、尾坂・戸張コンビに上手く受け渡ししましょう。二人のD論に上手く組み込まれるようにしましょうね
  • 和歌山にchamberを設置して来年は確実にN2O、保険でCH4をやりましょうね
  • アラスカについてはまずは土壌抽出液のDIN、DON濃度測定を行って(OPAとオートアナライザーを本当に何とかしましょうね)、同位体測定をIFREEで行いましょう。ここでも硝酸がキーポイントです。
  • 同時に植物体の抽出は早めに行っておきましょう。植物体中の硝酸の同位体比は窒素だけで良いので、pHを2にしてさっさと保管しておきましょう(あ、でも小山さんの結果を考えたら保管は効かないか?)
  • NIAESのDINについても、硝酸を可及的速やかに処理する必要有り。NH4については今年中に処理を終えてIFREEに持って行きましょう。
  • 生態学会に向けてmodelの検討を始めましょう。isotopic fractionation factorの論文をもう一度集め直して、逆反応によってどれだけの濃度依存性があるのか、それをモデルにどう組み込むのかを考えましょう。 真壁さんのNH4への道筋をちゃんとつけましょうね。すぐに来年度新入生が入ってきますよ。

と言うようなことを可及的速やかに進めましょう。

 

| Nov 22, 2004 / 生すぎしま

出勤しようと思ったら、NHKの全国ネットで去年の卒業生の杉嶋君がレポートしていた。初々しい。ちょっととちっていたのでドキドキした。卒業生が頑張っているのを見るのは元気が出るね。おかげで8:40に出社。ちこくじゃ。

論文検索。まずは永田CREST関係で、頂いたTDNの同位体比と付着藻類の同位体比についての論文(結構考えさせられる論文だが、どうなのだろうか)。次は吉岡RIHNプロジェクト関係で、CENTURY modelを用いた、集水域から出てくる窒素炭素についての論文を探す、ものの、ない、、。河川水の水質を考えるときにはおそらく水田が日本では大切なのだろうが、水田での窒素動態モデルなどは、いっぱいあるものの、フリーで後悔されているようなものがほとんど無い事に気づく。特に工学系のモデルだと、「モデルを立てて検証しました」という論文がいっぱいあるけれど、それを僕らが検証することが出来るようなものがあまり無い(というか僕は見つけられなかった)のには驚き。シミュレーションモデルについては、その質を保証するものの大切な一つが、他の場所での適応力だと思うのだけれど、他の研究者に使わせようと言う思いはあまり無いのだろうか。CENTURYやPnETなどがコードまで公開されていて、非常に多くの人間が使うことが出来る(そしてその質を検証できる)状態と比較すると何とも悲しい。研究内容の重要性が分かっていればこんな事にはならないと思うのだけど、やっぱり閉鎖的、と言うしかないのだろうか。同じグループの人々たちだけで論文を書いていても、果たして本当に「使える」モデルなのか分からないよなぁ。その場所では確かに良いんだけど、他の場所では全く動かない、なんて事は大いにあり得ることだから。そういったことを考えると、Joeのような立場を取るというのは非常に大事なことだと思うんだよね。

お昼会議の後、地惑実習に向けてのスライドを作り始めたり。そうしていると北大の川口くんがやってきたので、無駄話を聞いてもらう。16:00から修論生の修論タイトルおよび審査教官の希望を集めて、そのままゼミ。長かった。水野さんの勇気はとにもかくにも評価するよ。基本的なことだけど、論文に載っている表や図、そして文章というのは、非常に長い時間をかけて推敲された(雑誌のスペースは限られているし、曖昧な議論は削除されるから、論文に載っている事すべては、選びに選ばれた情報だから)ものなので、はよったり、意味がないとおもったりしている状態というのは、だいたいにおいてその重要性が自分で分かっていないだけなのだ(本当に重要でなければ、reviewerが削除を要求しているはず)。もっともっと色々図や表や文章を載せたいのに載せることがかなわない、それでも生き残った情報であると言う、非常に基本的なものをもう一度考えるように。

鈴木さんのPCをG5に持ってきて、うだうだしてすずかけ台に向かうと、川口ご一行に捕まる。阿部くんのおごりだというので、ちょっとつきあって帰ってきた(もちろんお金は払いましたけどね〜。生協で予約していた本を買っていたらお金足りなかったかも、あぶない)。彼らがいつまで飲んだか、すずかけ台まで歩いて帰ったのかは不明です。

 

| Nov 20, 2004 / 洗濯物待ち

Google Scholar、いいかも!東工大ではWeb of Scienceが1995年までしか検索できないからねぇ。

| Nov 19, 2004 / 洗い物をしながら考える

まだ寝足りないのか、朝8:15にオフィス着。今日は何をやるんだっけ、、起動しない。webを見たり、新着論文を探したり、コーヒー飲んだり、、で9時になってしまい、ええい体を動かそうとG1に行き京大の尾坂さんに送るバイアルを担いで、松井くんに貸していた本をかっぱらって戻ってくる。梱包などを終えたらもう10時だ。水野さんが来週の月曜日に紹介する文献の要旨を送ってくる(毎週金曜日12時までですよ、皆さん!守ってくれないと読む時間が取れないんですってば)。驚愕。あ、これは、僕が全く歯が立たなかった、あの懐かしのShearer and Kohlではないですか。1988年の古い論文。さすがJBCと言うべきか、1905年からPDFが取れるなんて、、それはそうと、豊田さんですら「完全に理解できなかった」と言っていたこの論文。「自爆かもしれません〜」(水野談)。いやいや、期待してますよ、北の方からお客さんも来るようですし。

地球研の舘野さんに、消防訓練があって出張できない旨をメイルで連絡したら、ちゃんとやりましょうね〜というお叱りのメイル(笑)。全くおっしゃるとおりです。。。舘野さんと言い、森林水文の松尾さんといい、PDをやっている後輩には色々怒られることが多いが有り難いことです。ちゃんと色々やらないといけないよな、、とぶつぶつ考え事をしながらFCRCに行き、来週使う器具をG1に持って行きひたすら洗い始める。考え事をするときには洗い物に限る(といってもかなり前から予定していた洗い物なのだが)。

帰ってきて、ちょっと時間が空いたことに気づく。ちょうどいいや、と舘野さんに以前宿題を出されていたCENTURY modelについての情報をちょっとまとめてみる。えっと、、自分でCenturyを回していたのは、2002年か。 Centuryはアメリカの様々な草地で測定された結果を基に作られた草地・畑地モデルと言ったらいいのだろうか、どんな施行をすると、どれだけ土壌に炭素や窒素が蓄積して行くか、そういったものをシミュレートするモデルである。PnETと同じく、インプットするデータは非常に少ない。Centuryは様々な研究で使われているので、一つのディファクトスタンダードになってきている。舘野さんに参考文献などと一緒にメイルを打ったら、「もうちょっとがんばるように〜」と言うメイルが(笑)。くっそぅ〜〜。頑張ります、、、んが、今度はかなり難問ですってば。

Century関係の文献を整理していると吉田さんから呼び出し。色々と話。洗い物の時に考えていた事がここでもやっぱり浮上してきて、ああ、今日はこういう日なんだな、と思ったり、いや、実際そういう時期なんじゃない?なんて思ったり。とにかく、SORSTの最終提出物として、どのような形の絵を描くのか、その絵を描くための絵の具はどのように調整するのか、それは早めから考えるべきだろうし、さらに重要なのは、SORSTの次だ。そして、生物地球化学を志しているコミュニティ全体の活性化か。

昨日依頼したFogelのMEPS論文が来たのだが、あれ?なんだか違うんだなぁ、、これじゃなかったのか。読んでいて山岸くんが来たので、なぜ同位体比が変化するか、なんて非常に基本的なことを聞いてみて、やっぱり基本だけど細かいところをちゃんと考えないといけないのか、、と諭された気分になって、文献をあさりにあさる。おなかがすいて帰りたいのに止まらない。といっても持ち帰った論文はNeedobaさんのJ of PhycolL&O、結局Sigman groupだけどね。 L&Oをいま途中まで読んでいるところ。

僕は以前からぼけっと自分で色々考えて、まわりにあまり相談しない人間だったような気がする。友人を信用しているいないと言う問題では全く無くって、自分の中で様々な決意がもやっと浮かんでは消えて行く毎日の中で、ゆっくりとだんだんと輪郭を持ってくる決意が言葉になるのを自分の中で待つことが多いからだと思う(言葉になって発するときにはすでに相談ではない)。もちろんその過程を他人との会話の中で行うことだってあるのだけれど、それは非常に少ないのかも。ま、それはそうと、自分の中で決して他人にはまだ言わないけれど、すでに輪郭をきっちりと持って、「こうだな」と思ってしまっていること、決意というものは結構ある。これを外に出すまではさらに時間がかかるのだけれど、逆に自分でそれを言葉として伝えているときには、「ああ、ついに言うんだな」というか、言霊が動き出すのを覚悟するというか、自分の運命を廻し始める(というと本当に大げさだけど)という事を感じている。発している自分の言葉が頭の中で反響しながら、ああ、やっぱり自分はこう考えているんだな、こう行動して行くんだな、こういう運命に向かって行くんだな、、そんな第三者として聞いている見ている感じ。言ってしまったら、その言ってしまった言葉に自分が動かされて行く、そういうことなのだけれど、その時言葉を発している向こう側にいる相手というのは、やっぱり非常に信頼している人で、言ってしまった事への動揺と同時に、言わせてもらったという感謝の念や、ああ、自分はこんなにこの人を信頼しているのかと改めて思ったり、という、何とも変な感情を抱くのだけれど、最近ちょっとそんな一連の流れが始まりつつある。一方でどうしても言えない、動けないと言うことに対する思いもじわじわと強くなっていって、さて、どうなるのかな、なんて思い始めたり。ま、洗い物ってのは、そういうもんですよ。???

三橋さん、今日は本当にお疲れ様!ではみなさま良い週末を!U2のCDがまだ来ていない!ショック!あ、あとは"Handbook of Stable Isotope Analytical Techniques"、結局ポンドだドルだで迷ったけど予約しちゃいました。

 

| Nov 18, 2004 / あっという間の一日

泥のように眠り、9:20に出社。たまっているメイルを読み、出張報告を書き、いろいろな書類を書いていたらすぐに時間は経って行く。なんだか三橋さんとゆっくりしゃべるの久しぶりで嬉しい。そうか、あんまりオフィスにいなかったものな。例の論文は、Aguilar, C., M. L. Fogel, and H. W. Paerl, 1999. Dynamics of atmospheric inorganic utilization in the coastal waters of North Carolina, Mar. Ecol. Prog. Ser180: 65-79..らしい。文献複写依頼を出す。MEPSは1999年は電子化されていないのか。修論を書く2人にお願いメイル。修論でどれだけ考えるか、って、当たり前だけどD1からD2にかけての研究の質(と、多分量)に大きく影響するし、と言うことは博士課程全体に非常に大きく影響するわけで、修士論文の質は、いや、具体的にはどれだけ考えるか、と言う点においては、もうだめです〜と言うくらいうんうんうなってもらわないといけない。そんなことを。すぐに来年の学会シーズンは始まってしまうし、国際学会はもう予定入れておかないといけないしね。

自分のM2の今頃を振り返ってみると、、M2の4月くらいのゼミは、なんと3つの、たった3つのデータで1時間以上話していたと思う。M1からM2の間、京大生態研の質量分析機はずっと故障中(直すお金がなかった)で、僕と高津くんは今の時期、そのころ名大水圏にいらした吉岡先生を頼りに、名古屋に出張しては徹夜で同位体比を測定していたものだ。お金がないからバスで名古屋まで行って、宿泊はカプセルホテル。今と違ってすべて手で測定するから5分と休めない。データはでたけど、指導教官の徳地先生はちょうどあかりちゃんがおなかにいたときで相談できず、ずっと同期の廣部くんとあーだこーだ言っていた気がする。和田さんの「ポンチ絵を最後にちゃんと描きなさい」という言葉だけはいつも頭にあったけど、実際、どんな修論だったか全く覚えていない(笑)。ただ、まぁ、こんなモンかな、という仮説はたった(けど、その仮説は十分説明できず、中途半端なところでようやく出版にこぎ着けるまで6年の歳月を要してしまった)。そんなことを思い出した。あのころはあのころで、何やってるんだか、とおもいつつも、けっこうおもしろかった。色々うまく行かないこともいっぱいあったけど、博士論文なんてやったことの数分の1しかまともなデータにならないんだろうしね、ということで。まわりにいるメンバーはあまり替わっていないのも嬉しい。

お昼を食べて生協に行ったらワゴン半額セールをやっていて(と言っても量は少ないのだが)、授業用の教科書を買う。オフィスに足早に戻り、今日は保原さんのための原稿を書くのだ、、と4年前の実験結果を改めて開いてみる、、と、、と?あれ?確かに4年前から頭の中にある結果は、一部はそうだけど、あれ?あれあれ?補正した方が正確じゃなかろうか?と、窒素固定の計算に必要なconversion factorを再計算。すると、、いや、、理論値に近づいた。なんだかちょっといやな感じ(しかも良い方向に再計算が持っていったから)。まぁ、まだunpublishedの段階だったし、影響があるとしてもいま出しているGusのNSFへのproposalだけだし、良いとしよう。

と、とにかく頭を落ち着けて、保原さんの論文に挿入すべき、窒素固定速度測定(ARAと15N incorporation)を書き進める。といっても、ラフに書いたので実際はA4で3頁程度。窒素固定のconversion factorは理論上3:1なのだが、アセチレンの拡散などのいろいろな要因によって、そう簡単に3:1を使ってはいけないのだ。そして実際にはさらに事は複雑で、窒素固定回路がどのようにenhanceされてしまうか、などなど、physiologicalな所は非常に奥深く、非常に難しいのだ。それは分かっているが、この論文の目的はそこではないだろう、ということで、まぁ、あっさりとした文章を共著者の皆さんに送ってみた。方針はこれから練れば良かろう。

いや、実際はちょっと下調べしておこうと思ったら、地球研の吉岡さんから嬉しい指令が来てあれやこれやと考えていたから何だけど。あとは、窒素固定の本がオフィスに無かったから。でもこれはいけない。明日G1から、かっぱらってこよう。

さむいですね。早めに帰ってBerkeley Madonnaのマニュアルを読みながら電車で寝てしまいました。あ!真壁さんにいろいろと聞くことあったのに!

今やっている色々の研究は、確かに今までの研究の延長線かもしれないけれど、実際はかなり違って、いわば、新分野に挑戦しているという感じが自分としてはしている。事実昨日書いたように、学会や研究会で発表するときの不安感と言ったらかなりのもので、学生の頃よりもむしろ強いくらいだ。いろいろなことを知るようになったからか、とにかくそういった謙虚な気持ちを手放してしまうと傲慢になってしまうし、楽してしまうから、まあいいかな(と早く帰った日には思うな)。例えば、永田CRESTで河川を扱っているけど、河川生態系を対象に研究してきた人ってメンバーの中で非常に少ないものね。面白いな。

 

| Nov 17, 2004 / 出太(でるた)ちゃん!

火曜日、朝までうんうんとうなったまま新幹線に飛び乗り、京都へ。京都から皆さん揃って、滋賀県北部に。巨大な虹が「歓迎永田CRESTご一行様」とうたったとかうたわなかったとか。

永田CRESTコアメンバー会議。火曜日は永田さん、大手さん、竹門さんからお話しを頂き、かもスキを食べた後のナイトセッションで高津さんのお話、、結論は でるたちゃん。

永田さんからは、本年度の活動の大まかな紹介と、現状、今後に向けての予定、生態学会での自由集会、来年度国際シンポジウムをどうするか、海外調査などなど。モンゴルの衝撃的なデータを見せてもらう。おそろしい、、来年本当に行きますか?真壁さん、、、富栄養化よりも、確かに重金属汚染の方が深刻かもしれない。阿部くんも連れて行くか?などなどつらつら考える。生態系の複雑性を同位体比で記述する、というアイデアはいいと思った。僕は、さらに複雑性の中身(特にネットワークとしての生態系を考えたときの重要なパス、重要な関係性)について、同位体比が、メタボリックマップの中での同位体分別のように使えるのではないか、と考えていたので、無理矢理そんな発言をしてみたり。

大手さんからは、一緒にやっている桐生での伊藤・尾坂両君の研究内容と、REAについて。ま、硝酸同位体どんどん進めないといけないっすね。

ナイトセッションの続きが開催される午前2時竹門さんからは、ダム湖の影響、と言うものを様々な観点から。非常に興味深い。もう一度明日、「ダム湖の陸水学」をめくってみないといけないな。水がどのように排水されてくるのか、滞留時間はどうなのか、DI13Cは結局どうなるのか、同位体のパルスは、DICとしてなのか、それとも有機物としてなのか、両方なのか、、

夕食を食べながらそのままナイトセッションへ。流程調査の海洋調査との類似点や、物理vs化学vs生物についてけんけんがくがく。高津くんの同位体パターン分けについてあれこれと議論。なかなか難しい。その後野洲川・安曇川の水質と付着藻類の同位体比、DI13Cなどなど、盛りだくさんで午前1時に終了。その後プロジェクトリーダから直々に若い者(尾坂・伊藤くん)にだめだし(?)が入り、寝たのは2時過ぎだった。

6:30に無理矢理起きて、お風呂に入り、8時までプレゼンテーションの準備。朝ご飯を食べて、9時から大河内さんのつぼをついた発表。アナモックス残念、、、。クロロフィルの同位体比は面白そうだ。EAの改造は本当に見事。CERでも是非やりましょう。

続いて宮島さんの発表。有機物のエンドメンバーをクロロフィルで決める、というのはなかなか面白いなと思った。けど、やっぱりそう簡単でもなさそうですね。DNRA vs Anammox vs Denitrificationは非常に興味があるなぁ。有機物が多いところでは脱窒よりもDNRAが卓越しそう(脱窒+アナモックスよりも)。

お昼を食べて、僕の発表。鈴木さん、戸張さん、真壁さんの活動について、尾坂さん、伊藤さん、大手さんたちとうちのメンバーの共同研究である桐生のN2Oやさっき出来た野洲川のN2O isotopomer ratioについて。あとはやっつけモデルについて。40uMでNH4吸収のプロセスが異なりfractionationが変わると言うもの(Fogelの仕事らしい)については必ずフォローすること。

最後に陀安さんの溶存酸素についての発表。湖はやっぱり綺麗だなぁ。さすが陀安先生!15:00に終わり、電車組は15:30に出発、16:00過ぎに電車出発。京都には17:30頃到着。宮島さんを見失い、大河内さんとご一緒しながら新幹線。いろいろと。やっぱりこの人と話していると非常に気分が良い。

発表しながら、果たして今考えているこの研究対象、そして研究のアプローチは、単に僕が大きな勘違いをしているだけではないだろうか、と恐怖感に駆られた。そういったとき「いままで研究者として生きてきた」経験は、全く、全く役に立たない。そんなもんは何の足しにもならない。もっともっと考えないと。

疲れました〜とにかく眠ります〜〜

 

| Nov 15, 2004 / きんきゅうじたいです

日曜日もなんちゃってモデラーでした。どんどんドツボにはまって行きました。出来た!と思ったら色々合わないところが発見されて、、あー。

今日は朝7:15にオフィス着(久しぶり)。危うくすずかけ台を寝過ごす所でした。とにかくコーヒーを淹れて(久しぶり!)、マグに入れて外出。友人から譲ってもらうPCが午前中届くので、FCRCでモデルやら何やらやりながら到着を待つ。なんだ、北大の川口さんも12日東大海洋研にいたのかい!ニアミスだったね。ざんねん。PC届きました。なんだかとっても高級なぶつが来たので正直焦っておりますが、まぁ、気にせず頂いておきます。あんがと(私信)。

缶コーヒーを4本消費したところで、いわゆるケアレスミスを発見。同位体分別係数の表現って、人によって違ったりして、だから嫌いだ、、、。分子と分母を僕と逆にする人の論文だったので、ちょっとしたところが取り違えられていた。全部のフローについて見直すと、あら不思議、だいたいそんな感じのシミュレーション結果。これで良いわけではないんだろうけど。

鈴木さんにお願いした桐生のCH4データを覗く。桐生のG1とG27で取ったchamberのCH4について、濃度と同位体比をプロットしてみると、あら、まぁ、なんて美しい。へー。すごいなぁ。

明日明後日と出張なので、お金を下ろして生協に行き、久しぶりなのでいろいろと本が見つかってしまい、予約していた本と併せたら、あら、、下ろしたお金がもう飛んでった、、、。お昼を買ってお昼会議。年度末に向けて学生さんの発表スケジュールを決める。

午後ひたすらFCRCでモデルをいじくる。いじくっては破綻、その繰り返し。途中飽きたらプレゼンテーションの準備、それもすぐに詰まってしまうので、またモデルに、、く、くるしい。。。

ゼミ。お疲れ様でしたー。その後もプレゼンテーションの準備をしようと思ったが、ええい、ままよ、と真壁さんにデータをもらって、いざ、鈴木大先生お誕生日会へ。

さて、どれだけ後悔することになるやら、、、、明日明後日は滋賀の奥地に監禁されて議論三昧です。PHSが入らないのではないかしら、、直前までプレゼンテーションの準備をするだろうけど、webに繋がらないのは困るなぁ。。これから真壁さんのデータを覗いてみて、、あーー。

今日の論文は、結構色々あったけど、うーん。Ecologyの「窒素降下物のインプットを減少させたら、窒素飽和状態からどのように回復するのか」かな。全く時間がなかったので全く見ていないのだけど、このような研究の中でもabiotic NO3 immobilizationまで測定しているのかと言うのが非常に印象深かった。ということで。

2時過ぎか、、真壁さんのデータと僕のデータをようやくまとめ終わったぞ。んが、ExcelとDeltagraphの相性がとたんに悪くなってグラフが描けない、、、こんな時に、、。帰ってきたらメンテナンスしないとなぁ。すでに配布書類作成はあきらめちゃってます。はははー

 

| Nov 13, 2004 / にわかもでら〜(たぶんだめ)

なんと1週間半ぶりにドリップコーヒーを飲む(ずっと淹れる時間すらなかったのだ)。家で飲むのは珍しいが、今日は仕事だ。戸張さん、鈴木さん、真壁さんにメイルを打つが、まぁ、急な話だし無理だろうなぁ。。

NICCCEモデルを読みつつ、こんなに複雑なモデルではないけれど、モデルを何となく作ってみる。まぁ、間に合わないだろうけど、、、

さてはて、、どうなることやら、、DINの吸収を考えるときにミカエリス・メンテン式を導入する(王道)のだが、ミカエリス・メンテン式には、VmaxとKsの設定が必要で、15Nと14Nを別々に考えてそれぞれで(同様な)モデルを回すとき、Ksというのはδ値が変わることで、設定を逐次変えていかなければならないんだよね。あったりまえなのだが、こんな初歩的なところではたと止まったり。そして、今まで考えていたモデルの構造にちゃんとそんなことは入れていたのに自分が分からなくなっていただけだと言うことに気づくまでかなりの時間を要したり。うーん。危なっかしいから、NICCCEと同じ記述法にしておくことにしよう。この変更で多分今日は終わりかな。うーむ。

NICCCEでの同位体分別計算における前提についての覚書

  • k1はK(つまりは14N+15Nの反応速度定数)と同じとする:15N/14N+15Nが10%上がったとして(δ値にして29221‰)、k1とKの比は、0.995なので、まぁ、比を1としても十分大丈夫
  • まず補助的な14N+15Nのflux(Ja)を計算→14NはJa*(1-IR)、15NはJa*(k2/k1)*IRで計算→total fluxをJt=Ja*(1-α*IR)で計算
  • それぞれの時間ステップにおいて、IRを新しく計算で求める
    IR=(Qh+Jh(in)-Jh(out))/(Qt+Jt(in)-Jt(out)):Qはpool size

ふむ、、出来るような気がする。いや、絶対簡単なんだけど、初心者ってのはこういうもんなんですよ。

 

| Nov 12, 2004 / モデルの検討、DONの検討

11日は、朝officeでいろいろと。あっという間に10時。阿部くんの学会発表予聴会。なかなか頑張ったんじゃないですか?あ、修一先生いらっしゃった!Autoanalyzerの事を聞きたかったのだが、結局一言二言交わしただけですずかけ台へ飛ぶ。真壁さん、あとはまかせたぁ〜(笑)。まじですまねぇ。

新横浜から静岡まで新幹線、ちょっと戻って清水駅。そこからバスで東海大学へ向かう。モデルの専門家でいらっしゃる中田教授に今日はお話を伺うのだ。中田先生は、海洋、湖沼(主に汽水湖)での生態系モデルをご専門にしていて、僕が興味を引かれたのは、単なる養分循環、水理モデルではなく、ベントス、植物プランクトン、動物プランクトン、魚など、様々な生物までもモデルに組み込んでいることだ。(今日、東大海洋研で、「海底境界層における窒素循環の解析手法とその実際」を眺めていたら、ここのモデルも中田先生のものだった!:そして、その本を読もうといま鞄を開けてみたら、あれ?ぱ、パジャマがないぞ、、、?!どこにおいてきた?巨大な僕のパジャマ、、、)

非常に分かりやすく興味の引く内容だった。まず、風をきちんと記述して、水温、塩分などから流れをきちんと記述する。その後インプットアウトプットを組み合わせて行く。論文に書かれている数式は(僕の分かる限り)、それほど奇をてらったものではなく、非常にオーソドックス(水温にプランクトンの活性が左右される、など)だが、それだけに、非常に細かなメッシュで扱うことが可能なのだろう。

可視化って、重要だとも思った。実際に有明などの厳しいところで科学者としての立場を考えてらっしゃる方の言葉は重いなとも思った。とにかく非常に有意義で、ためになった。濃厚だった。後は必要なデータが取れているのか、と言うことだけど、それは先生方におまかせ〜ということで。

雨が少しずつ強くなる夜、みんなでお魚を食べながら、ラーメンを食べながらあれやこれやと。某先生が入院なさってたなんて知りませんでした。水くさいなぁ(笑)。でも、お元気みたいでほっとする。

12日、静岡は、よりによって大雨(やっぱり嵐を呼んでしまうのか、、僕は、、、)。電車が動かない(平気で2時間遅れとか書いてある)。ホームは女子高生で埋まっている。ま、急ぐわけでもないし、ゆっくりと鈍行で行くか、、んなわけないじゃろ!静岡まで何とか行ったら何とか新幹線は動いていた。よかった。「スモールワールド・ネットワーク」を読みながら東京まで。新宿からバスで東大海洋研へ向かう。せっかく今日の時間が空いたので、海洋研に保原さんがやっている測定の見学をさせてもらおう、と言うことで、始めての海洋研。大都会新宿をバスで進むと、東京大学海洋研究所。となりには東大付属があって、ああ、ボート部でお世話になった佐多コーチはここに通っていたのか、と感慨深い。それはそうと、地下室に進むと、生元素動態分野。いつもお世話になっている宮島さん、先日もお会いした梅沢さん、田中さんが所属なさっている研究室。ここは本当にレベルが高いんだよね、やっていることが。あこがれの研究室である。溶存有機物の世界的権威である小川先生にもお会いできた。

保原さんがやっていることは、まぁ、DONの定量、と言ってしまえばうそではないのだけど、大変先駆的なことなので、測定はそう簡単にもいかない。彼の良いところは、上手く行かないときにも冷静なところだ。うまく行かないことでいらいらしているところを見たことがない。そういう態度は、最後に必ず問題を解決する、そういった結果に繋がって行くんだろうなと思う。しかし、それにしても大変な測定だ。。測定の合間にいろいろと情報交換。とりあえず、戻ってきた論文については、何かしら決定を下さないといけないね。

宮島さんに質量分析計を紹介してもらったり、研究室の皆さんに、いろいろな機材を説明してもらったり、かさ高い人間がうろちょろしましてご迷惑おかけしました。また遊びに伺わせて頂きます。

今日は、日頃連絡したいなぁと思いつつ何となくためらっていた人からメイルが来て(2人とも)、なんだかとても嬉しい。そして、保原くんも含めて3人とも週末は京都にいるらしい。へんなの。その3人は全く関係がないけどね。社会的ネットワークを考えちゃうなぁ。週末は心を落ち着けて、ちょっと(だいぶ)御無沙汰している友人にメイルでも書いてみよう。

と思ったら、やっぱり、永田CREST泊まりがけコアメンバー会議で発表しないといけないのね。あーどうしよう!まずい、まずいぞ!

 

| Nov 10, 2004 / Nalgene祭り

定期を買うため遅刻(でも、8:45には着くんだなぁ)。すぐにFCRCに行き、さあ、やるべぇ。水田などの土壌抽出液中に含まれるアンモニウムの窒素安定同位体比測定のための前処理。

--- お昼も食べずにやっておりました。集中してました。段ボールを捨てにいったときと、早めの夕飯を除いてはずっと作業しておりました。都合、400本程のNalgeneボトルを開け閉め(しかも、2週間培養するため、渾身の力を込めて閉める)していて、もう、ペットボトルを買ってもなかなか開けることが出来ません。握力が〜サンプル約100点。スタンダード20点。しかし、まだこれでも1/4程度かな。次回は再来週にでも頑張りましょう。もうだめぇ〜。2週間後にはこんがり?出来上がるでしょう。いやぁ、頑張りました。あ、阿部くんも頑張ったな!やっぱり生データと格闘すると色々考えるし良いよな!

明日は朝、阿部くんの学会発表予聴会。その後新幹線に飛び乗ります。

「スモールワールド・ネットワーク」かなり面白いです。

 

| Nov 9, 2004 / ちょっと前進か

8:30にオフィス。この頃7時代にオフィスに着くことが無くなったなぁ。FCRCへ行き、家から持ってきた古いラップトップをつなげる。が、このPCは外部入力の多くをすでに認識できないため、CDが繋がらずインストールは困難を極めた。何とか10時にはインストールをすませ、シリアルで通信してみると、なんと動いた!Mill Qをごくごく吸い始めるautoanalyzer。怪しいブザーも鳴るじゃない!

それじゃぁ、とNIAESのNH4下準備にかかる。前回測定したものよりも、もう少し少ない窒素量の試料についての測定+2003年7月以降の試料についての測定。合計で100点程度か。約100mlあるそれぞれのサンプルを、必要試料量と残り(硝酸測定用)に分けて、硝酸用は再度保管、NH4用はdiffusionへと進めないといけない。その前に、その作業をスムーズに行うために、サンプルの名前を書いたラベルをすべて作っておくこと、入れるボトルがきちんと数あるか確かめておくこと、必要な試薬がすべて整っていること、サンプルと一緒に測定を行うrunning stdを2種類用意しておくこと、などなど。

でも、今日できるかもしれないな!と思いつつ素早くお昼を食べ、午後一番は須藤先生の授業。ハロカーボンのGCによる定量、やっぱり色々あるんですね。難しいんだな。

その後、FCRCに戻り、ラベルを作り続ける。目がくらくらするけど、今やっておかないと本番で大変なことになる。Std用には100mlのMill QにNaClを5g(焼いてある)入れて溶かしておく。これを20点作った(10×2)。

ほとんどオフィスに行けないので色々な方にメイルが滞っている。が、携帯で緊急に連絡すべき程のものもないので、まぁいいか。程なく阿部くんから、予聴会に向けての相談と言うことで、FCRCに来て貰うも、やっぱりかなりややこしいところなのでオフィスに戻って阿部くんのPCとにらめっこしながらあれやこれや。まぁ、あれでいいはずだぜ。たぶん。

そのあともう一度FCRCに戻り、またラベル作り。今度は山岸さんからご相談があって、ちょうど提出書類を作らないといけないのでまたオフィスに戻りあれやこれやと。エゴイスティックにいきなさいって!

そんな感じで、構内をうろちょろうろちょろしていると、ああ、やっぱり今日では終わらないよな、と。ま、それを見越していたのでいいんだけど。学生さんの仕事が少しずつでも進んでくれればそれはなによりだし、そのために僕は学生さんと近いところにオフィスを構えることに固執したんだしね。

それはそうと、ずっといろいろなモデルの論文を見ている(読んでいるとは言いがたい)のだが、、、うーーん。11月中に遊べるものをどうしても作りたいんだけど。。いったいどこで自分が躓いているのかが分からない。それを自分に分からせるだけの時間が平日はやっぱりないんだよね。

昨日コメントした本は夜にふと起きて最後までざっと読んでみた。やっぱり良い本だと思う。視点が確実に増えた。

 

| Nov 8, 2004 / 足踏みな一日でした。床を踏み抜いているかも、、

週末はお疲れ様でした!(私信です)。大切なCD playerがこわれ、ついに修理。。アルコール買ってきて中開けて色々綺麗にしたんだけどなぁ。 古いけど名機らしいので大切にしてあげよう。

さて、8時半に大学に滑り込み、文献検索。Frontiers in Ecology and the Environmentに、海洋での遺伝子から生態系全体をつなげる話とか(JJ ElserのBiocomplexityみたいだが) 、生態系における人間活動を扱う試みとか(だいぶ具体的な気がする)、森林における研究におけるGPSの活用の実際とか、生態系間での一般性に向けてのアプローチとか(ちょっと違うか、、)、なかなかな読み物が。大手先生のGRLも、もう上がってます。あ、あとは一緒にポスドクだった、MikeのWRR(マスバランスでの計算結果だが、もしかすると河川での脱窒による窒素損出は、今まで報告されているよりも少ないのかもしれない)。そうなら面白くないなぁ。。

急いでFCRCへ。今週農環研のNH4サンプルと格闘するためには、前もってラベルを二倍作っておかないとならないのだ、、。途中で真壁さんと会い、FCRCに机が来ていると聞いて、そんじゃぁ、そっちからやるか、ということで二人で机を作る。机を並べて、試行錯誤の後にようやくautoanalyzerと分光光度計を乗せ、ぷはぁ。ま、もう2つ、机必要かもね。。。

お昼を素早く食べて、autoanalyzerと格闘を始める。農環研のNH4もやらないといけないのだが、、うーーーん。まぁ、とにかく流路をつくって、水でも流しておこう、、それを見ながら、火曜、水曜働いて、木金は静岡か、、、とWHT-WHTとか、ORN^GRNとか、またぶつぶつ呪文を唱えつつオートアナライザーのセットアップをして行く。何とか解読および整理が着いて、では水でも流そうか、と思ったのだが、あれ?本体が動かない?ポンプが動かないよ?あれあれ?PCを立ち上げるもCOM1での接続がうまく行っていない。うーーーーーーーーーーーんんんんん????

、、、、結局ゼミの直前まで、COMポートと格闘を続けたのだが、なーーーーんにも進展無し。はぁ。。。今日コメントすべき次の論文にもキチンとは目を通せてないし(あ、でも、あの雑誌ならこれで全くもって十分です。保原さん。ほんとに、とORIの皆さん、彼に伝えて下さい)。うーーん。今週僕も海洋研に見学に行きたかったなぁ。。どこかに古いパソコン落ちてないかなぁ(結局自宅から4台目を持ってくることにした)。

ゼミの後、何とかして今日の収穫を得たいとFCRCでうろちょろして見るも、何も出来ることなく、あきらめて帰ることに。

今日は、「切磋琢磨するアメリカの科学者たち―米国アカデミアと競争的資金の申請・審査の全貌」(菅 裕明著)を手に入れたので(同時にこれも手に入れたけど、まずはこっちを)読みながら帰る。ざっと7割方読んだところだけれど、この本はとても良い本だ。著者の立場が非常に公平で、「表面的にアメリカのシステムを取り入れること」に警鐘を鳴らすと言う点から書き進めている感じが強く印象に残る。色々知らないことがいっぱいあった。スタートアップの制度や、TA、RAとPh.Dの学生への経済的なサポートと彼らの義務体制など、前書きにあるように、多くの異なる立場の人が目を通すべき本だと思う。大学は変わらなければならないのだけれど、だけど、だからといって自分たちの持っている長所を変える必要はない。その長所をきちんと理解するためにも良い道しるべとなりうる本だと思う。Research Professorって、そういうことだったのか。大学に留学したことはないので知らなかったことばかり。

ゼミの時に豊田さんに教えてもらって、AGUのFall Meetingのabstractを今色々見てみたけど、Sigman + Kaiserか、、参りました!硝酸の17Oを脱窒菌でN2Oにして微量(30nmol)でNもOも測定してる。やっぱりいけばよかったかしらん?

明日はがんばります〜。三中先生の日録で「数量化革命」というおどろおどろしい本を見つけちゃったので、思わず注文。

 

| Nov 5, 2004 / いやぁ、おもしろかったですなぁ

今日はコメントすべき論文を一生懸命読んでおりました。頑張りました。

4日、朝8時過ぎにオフィス着。読んだ論文を机に置きに行ったら、足下に巨大な眠っている生物がいてびっくり(笑)。開催場所の変更を伝える掲示を作ったり、Joeの論文を改めて印刷したりしていたら、あっという間に10時前。すずかけ台に向かう途中、怪しい人影を発見。案の定、Joe Montoyaだった。お久しぶり!Red Soxの帽子をかぶって登場しようと思ったのに、、、。変な話なのだが、すずかけ台まで一緒に戻ってもらう。すずかけ台で、中央水研の渡邊さん、東大海洋研の梅沢さん田中さんと合流。名刺交換が始まる(僕以外)。なんだか笑える。一度G5に寄ってもらってから、いざG1の実験室へ。

G1の2Fには252が2つ、XPが1つ、XLが1つある。それらを説明。JoeからN2O isotopomerのcalibrationについてかなり細かい質問が飛ぶ。いや、僕が答えるよりもやっぱり真打ちに登場して頂こう、と言うことで豊田さんにお時間頂き、N2Oの測定についてご説明頂く。豊田さんの今やっているあれがうまく行くようになって、さらに戸張くんがやっているあれが繋がって行くといいんだよね〜などと僕も説明。

日立マスとご一行その後はXPの部屋に行き、植村くんがかっこいいことやってるんですよ〜とか、メタンの水素なんですよ〜とか、水の平衡装置は重すぎて背中や腰を痛める危険な装置なんですよ〜とか。山田さんもちょっとご登場頂く。5Fに行き、あまり見ない真空コックなどに目をつけるJoeはなかなか侮れない。

その後FCRCに行き、日立マスを見たり、レーザーを見たり、まぁ、いつもの通りの見学ツアーを敢行。ちょっとレーザーも分かってるな、Joe。侮れない。。(僕はほとんど分かってないのだが)。

お昼を生協で(そこしか食べるところなかったし、、)5人で食べる。Joeがお箸の使い方が上手い(というか、真っ先に箸を取っていた)のは、家族環境にあるんだとのこと。皆さん英語がご堪能で楽しくお昼を食べた。例のMark StieglitzはいまGeorgia Techにいるとのことで、正直いや〜な思い出がよみがえる(って、webのlogを読んでも書いていないけど)。まぁ、とってもactiveなひとだよね〜なんて。

たくさんの皆さんが来て頂きました。有り難う御座いました!午後からは、何も考えていないので、みんなでだべる。とにかくだらだらとしゃべる。梅沢さんはデータを見せたり、皆さん、海のスペシャリストなので、何の事やら分からない生物などについてあれやこれやと。そのうち、Joeの昔の写真を見せてもらう。40年前の横浜、セピア色の写真。子供の頃遊んだ公園がまだあったなんていいよなぁ。。その後、ボストン湾での仕事について教えてもらう。Anne Giblinがやっているのと同じ?と聞くと、同じではないけどお互い情報交換していてうまく行っているとのこと。ボストン湾はたしか下水問題で色々あって、下水を湾の沖の方から放出することになったんだったか?その排水の影響がどのように査定できるか、という研究なんだが(行ったのはJoeより年上の弁護士出身の学生さんだったそうな。早く論文にして欲しいな)、なかなかに綺麗なデータ。この論文(pdfが開きます)に近いかなと思ったけれど、さらに同位体に特化している感じだ。

ずっと考えている、なぜ、人為起源の窒素は同位体比が高いとして良いのか、と言う問を相変わらず投げかけてみる。彼の研究の範疇では、下水処理の際のアンモニア揮散が効いている。事実アンモニウムの同位体比は濃度が減少しているときにはかなり上昇していて(最大50‰)、下水処理プラントでのアンモニア揮散というプロセスが効いていることは確かなようだ。でも、じゃぁ、真壁さんがやっているような所ではいったいどうなんだ?そんなことを聞いてみたのだが、質問が質問にならず(日本語でも質問にならない)、うーん。地球研から吉岡先生もいらっしゃっていて、有り難いことでございます(食物網の巨匠同士の戦いだ、、戦ってないけど)。山岸さんに急遽今書いている論文の内容をプレゼンしてもらっちゃった。ありがとう!Joeに論文を見てもらえそうだし、なによりだ。でも、自分がD3の時だったら、やってと言われても出来なかったろうなぁ。海外学会の経験が効いているよなぁ。すばらしい。

みんなで飲みました〜ふと気づくと、あっという間に15時前。あうあう言いながらFCRCに移る。いろいろなところから結構たくさんの方が来て下さって感動でございます。吉田先生もJSTのシンポジウムから帰ってきて間に合った!

発表は、アミノ酸の話はわざわざお願いしたのでちょっとつながりがわかりにくかったかもしれないけど、とにかくすごかった。海洋での窒素収支が如何にまだ危ういか、から始まって、Trichodesmiumによる窒素固定速度(左のリンクから彼が見せてくれた写真の一部を見ることが出来ます。スペースシャトルからのbloomはすごいな)は、確かにものすごいのだが、それでも125Tg-Nには足りないので、、というお話し。

N2Oのisotopomer、酢酸などの分子内同位体分布、と、彼のアミノ酸Δδは結局同じような所を目指しているのではないか(と、今日の朝、山田さんとお話ししたんだけど)。とにかく、いやぁ、すごかった。16:30に終わり、すぐさま専攻会議へ。専攻会議の内容は重いので割愛(書けるわけ無いんですけどね)。とにかく博士終了、修士終了の日程決まったので、D3(2)、M2の方々ご注意を!

会議は今回スムーズに終わり、17:30には終わったのだけど、まだJoeや梅沢さんたちが残っていて下さったので、出発!(吉田先生はまだお仕事があるので後から合流)。山岸くんが頑張ってくれて、中山でお魚を食べることに。

倉敷の時と同じく、Joeには野菜を注文しながら(倉敷の時は焼き鳥しか無くって、シシトウと椎茸を店にあるだけ全部焼いてもらったのをお互い思い出した)。やっぱり、グラントを獲得するのは大変そうだ。15%と言っていたから、まぁ、かなり厳しいよね。今は3つグラントが当たっていて、学生さんを雇うもの、ポスドクを雇うもの、となっているそうだ(1つのグラントで両方を雇うのは無理なんだと言っていた)。一月には今出しているプロポーザルの1つの結果が出るというので、「じゃぁ、ぜひ!」と何度と無く念を押してみたり。また、彼の学生たちは、結局何とか自分たちで金銭的にはやってゆけているとのこと(週に数時間教えるというdutyがあるけど)。普通に車を持って、アパートを借りて、お酒を飲むだけの金銭的なサポートは出来ているわけだ。本当はこの本が間に合えば良かったんだが、まだ手に入っていないのだ。ま、とにかく吉田先生とJoeで大きなグラントを取ってちょうだい!とけしかけてみた。「まるでマックスプランクみたいだ」とラボを評され、吉田先生上機嫌!

あっという間に22時頃になり、お開きと言うことに。梅沢さん、遅くまでおつきあい下さって有り難う御座いました(でも、Joeの所にいくチャンスが出来て良かったですよね!)。途中まで吉田先生と帰りご一緒させて頂く。まぁ、色々戦略的に考えないといけないですよね〜。家に着いたのは23時半。

今日は、朝、かなり力が抜けてしまっているのを感じた。ぼーっとしながらなんとか8:40にオフィス着。今日の論文は、SO2のフラグメントSOで硫黄のMIFを測る方法(SO2やSF6として硫黄の33や34を測る方法が主流なのだけれど、もうちょっと簡単に、SiO2で置換し酸素をならしておいて(表現曖昧だけどね)、硫黄の同位体比の変動を測定しようという方法。EA-IRMSで可能かも。もちろんSO2の扱いは難しいのかもしれないけど)、あとはNO2のmicrosensor開発(東工大も僕も購読していないので、残念ながら全文を読めていませんが、また一つmicrosensorで微小酸化還元状態をモニタリングするツールが増えたんでしょうね)、でしょうか。

FCRCでMgOの数を数え、G1でdiffusionに使うfilter envelopの数を数えていたら真壁さんがOPAを始めるとのことで、見学させてもらう。OPAは奥が深いなぁ。でも、0.001uMなんて測れなくても気にしなくって良いんだってば!(笑)。しかし真壁さんはじわじわと僕よりも厳しい人になってきていてなによりなにより。来週にはイオン交換樹脂の抽出方法にめどをつけて、サンプルの抽出まで行きたいよね(生態学会締め切りはじわりじわりと、、)。豊田さんからNH4NO3の測定についてご相談があったので、是非色々やりましょう!

今日は北大の中川さんが奈良くんとの相談でいらっしゃってたのですが、なんだか(いつもそうだけど)ばたばたしておかまいもしませんですんまへんです。19時まで真壁さんの時間による蛍光発光の変化実験を見せてもらい、帰路につく。なんだかどぷっと疲れている感じ(?)。とにかく寝ちゃおう。いやぁ、今週もお疲れ様!あ、AGUの更新もしたんだった(7万円か、、)。これでAGU、ESA、ASLO全部終わったな、後は生態学会か。

 

| Nov 2, 2004 / 元大道具(高校文化祭にて)

来る11/4、Georgia Institute of Technology、School of Biology助教授のJoe Montoyaさんによるセミナーを開催します。全くインフォーマルなセミナーですので、みなさまお気軽にお越し下さい。詳しくは、吉田研websiteをご覧下さい(開催場所がフロンティア棟2Fの会議室に変更になります)。また、彼自身は10時に田園都市線すずかけ台駅に来て、午前中から午後に書けて吉田研の見学をする予定です。その時点から参加して、色々彼と話したいという方がいらっしゃいましたら、木庭までお気軽にご連絡下さい。

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今日は朝8:20に出勤。洗濯物は乾くのか?コメントをつけた論文をお返しして、今度は違う人からコメントすべき論文が来ていたので印刷してFCRCへ(頑張って読みまっせ!)。机を組み立て、論文を読み、段ボールをたたみ、論文を読み、棚を作り、論文を読み、、そんな充実した午前中。なんだか大工仕事(と言う程のものでは全くないけれど)、段ボールと格闘したり、とにかく無駄に体を動かすことでなんだか良く分からないもやもやした空気が薄まって行くのを感じてた。お昼頃学生さんたちがやってきたので、「ほめてくれぇ〜!」とえばってやりましたとさ。

午後は須藤先生のガスクロに関する授業を拝聴する。いやぁ。面白かったしためになった。その証拠に吉田研の学生さんはみんな眠ってなかったもの(笑)。ECDのcarrierになぜP5(Ar 95%にCH4 5%を混ぜたもの)を使うのか。3Dで炭化水素を除去しようと努力しているのに、、と言う質問を(適度にマニアックな質問を選んでみた)ら、案の定いろいろなスライドが出てきて、非常に分かりやすかったです。来週もよろしくお願い致します。

そのあとも、またFCRCにて荷物の整理。Autoanalyzerと分光光度計をどうしても早く立ち上げられる環境にしたいので頑張ってみたり。なんだか見違えるように広くなった(と思うのは、僕だけじゃないよね?)。分光光時計も初期不良はなさそうだし、あとはもうちょっと机を購入してAutoanalyzerを安心して立ち上げられる環境を作ることかな。その後もG1の5Fに移って、今度は蛍光光度計のPCまわり真壁さんと那須くんと綺麗にして、PCをネットワークにつなげて、ウイルス対策もして、はぁ、おつかれさま。確かに今日は朝から晩まで段ボールと格闘しただけだったけど、一日なんてだいたいそんなモンだよ。あれもこれも僕らは出来るわけではないし、そういう間違った見通しを立てて自分もまわりもいやな気分にしちゃったりしたら良くないしね。

電車の中で論文へのコメントを付け加えて行く。途中疲れて寝たり本を読んだり。今日は「デザイン12の扉」(内田繁+松岡正剛が引率役)。今は亡き田中一光氏の言葉はいつも通りいろいろなことを考えさせるけど、今回は、あの樂焼の樂吉衛門氏の言葉に目が止まった。

「絵画がそうであるように、白紙の上に自分がやることが自己表現として完結することに、気持ちの上で、どうしようもないそぐわなさを感じました。〈これが私の表現です〉と作品を提示することの後ろめたさを拭い去れなかった。表現を完結させるには、定点を持たないといけないんですが、どうも定点が欠如している。ですから客観的な場におとしこめない。意識も移ろうものだからどこか白々しい。表現を定着させる行為そのものが、移ろいゆらぎゆく何ものかに対する裏切りのように思える、そうした感覚が強くあったんです」

すごいと思った。思考、言葉の充実ぶりが、ずしりとした質感がはっきりとしていた。伝統の中で絶えず戦っている人はこれほどまでにしっかりとした(良い形容が全く思い浮かばない)言葉を紡ぐものなのか。谷川俊太郎の、あの恐ろしい「芝生」という小品、そして、ことあるごとに読み返す「当麻」の中にある「花の美しさというものはない。美しい花があるだけだ」という言葉と同じようなショックがあった。この「定点」って、これからずっと考えて行くべき事なんだと思った。キーワード、なんて言葉が浮かんで赤面した。

そんなことを考えていたら、というかぼんやりと感じるように反芻していたら、なんというか、自分の中の感情というか、外れかかっていたねじがようやく締め直されたというか、そんな感触がふとあった。ま、結局ここ数週間、むちゃくちゃ忙しかった頃よりはちょっと考える余裕が出来たんで、逆にあれこれ考えすぎていたのかもしれない。そんな感じかな。言葉や感情を吐き出そう吐き出そう、という焦りみたいなものがあったのかもしれないけれど、ようやく、外部から吸い込もうと思い始めた様子。今が音楽や本を味わうときなんだろう。ちょうど秋だし。何を読もうかな。音楽はとりあえず、Keith Jarrett Trioの最近の作品をおさらいするつもり。このTrioって、上手すぎて損しているよなぁ。今は思い立って、スーパー・ギター・トリオ・ライブを聴いています。以前、このレコードを聴かせて下さった人生の先輩(CDじゃないですよ。レコードです)が、「音楽をどんどん聴けなくなって来ちゃうんですよ」とつぶやいていたのが、この数年どんどん分かるようになってきて、かなり悲しい。何とか反抗しないと。音を楽しむのは自分自身の責任が大きいからねぇ。

ええ。サイエンス・コミュニケーション、とても読み甲斐がありますよ。しかし、いつも読んでいる村岡さんのwebsiteに自分の名前があるとどっきりします。生態学会でお会いできるのを楽しみにしています(と言いながらまた日帰り発表とかしてそうだな。学会の後サンプリングとかもしてそうだ)。自分のことは棚に上げて、学生さんの発表をさてどうするか、だなぁ。ねぇ。みなさん。

 

| Nov 1, 2004 / つらつら考えているのだがまだここには書けないことばかり

来る11/4、Georgia Institute of Technology、School of Biology助教授のJoe Montoyaさんによるセミナーを開催します。全くインフォーマルなセミナーですので、みなさまお気軽にお越し下さい。詳しくは、吉田研websiteをご覧下さい(開催場所がフロンティア棟2Fの会議室に変更になります)。また、彼自身は10時に田園都市線すずかけ台駅に来て、午前中から午後に書けて吉田研の見学をする予定です。その時点から参加して、色々彼と話したいという方がいらっしゃいましたら、木庭までお気軽にご連絡下さい。

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雨なのでぼやぼやと出発。8:20にFCRCに到着。サイボウズサーバーのメンテナンスをしながら部屋を片づける。片づけたつもりだったが全く片づいていない。ええいままよ、と鈴木さんのガスサンプルも整理する。だいぶ空間は出来たが、それでも片づかない。むむ。

生協で本とCDを受け取り(顔が割れてしまってからなんだか買いづらいなぁ)、素早くお昼を食べてお昼会議。ちょっとつらいお知らせ。その後秘密業務。阿部くんが統計の結果を持ってくる。ふむ。よかったよかった。鈴木さんが今日の文献紹介でうんうんうなってる。よしよし。秘密業務を8割方で譲り、ウイルス感染対策会議へ。2F全体をウイルススキャンすることが決定される。ウイルスは「自分だけは大丈夫」なんて思うのは一番良くない。公共のネットワークにつなげている以上、スキャンというか、ウイルス対策は個人の責任ですから。みなさまご協力有り難う御座います。多分大丈夫そうだ。

今日の論文はSigman groupの窒素同位体を用いた氷期間氷期の窒素サイクル復元。相変わらず、ここまでやるか?という感じだが、見習うべき点多数。本当に多数。どこまでも同位体を信じて行くとどこまでたどり着けるのか。大きなスケールで見ると窒素固定と脱窒のバランスに揺らぎがあって、その揺らぎをどう検出するか、そこに同位体比が。

夕方は吉田研ゼミ。その後急いで帰る。一度コメントを書き終えた論文をもう一度眺めて、コメント付け加えてみた。いっそう訳が分からなくなってきてしまった。自分のコメントが支離滅裂。いけない。もう一度心を静めて読み直した方が良い。でけた。たぶん。

この頃嬉しい楽しい知らせと悲しい残念な知らせが怒濤のように押し寄せてきて、こっちとしても何というか、心が落ち着かないと言うのが正直なところ。自分に直結している知らせは無いのだけれど、他人のことだからこそ上手く自分の中で消化しきれないと言うか、そんな感じの今日この頃。消化すること、かみしめることが嬉しい、そんな知らせがいっぱい来ると良いけれど、なかなかそうも行かないものだ。

明日もFCRCを片づけるぞ。真壁さんを手伝って棚を作ったり机を作ったりするのです〜。