Kei Koba's weblog in CER, Kyoto University ~ Are we on the right track ? ~

| Jan. 29, 2007 : そらとうみとりくのあいだに

どなたもご存じないかもしれませんが、こばけんきゅうしつのtop pageには、上のような絵があります。

δは、安定同位体比の研究において、良く用いる同位体自然存在比の表記法に利用します。デルタをデルと読んではいけない、など、安定同位体の自然存在比を使って研究している方には、いろいろと思い入れのある文字です。

木庭は、せっかく様々な生態系で循環する物質を研究しているのだから、自分の研究の一般性を追求するしたいと考えています。もう少し具体的には、同じ物質が異なる生態系でどのように異なる振る舞いをするのかを理解することから、自分の対象としている生態系の物質循環をより広い視野で見ることが出来るようになりたいと思っています。そのため、森林や湿地のような陸上生態系の物質循環を研究しつつも、常に、海洋、湖沼、河川など他の生態系、そして、同じような陸上生態系でも、農業生態系のように、異なるインパクトを与えられている生態系での研究を行いたいと思っていますし、多少は実現できたものもあります。

デルタはデルタでも、真ん中にあるのは、大文字のデルタで、これは非質量依存同位体比を表すのに、一般に用いられるものです。または、ある物質と物質の同位体比の差分を表す場合でしょうか。いずれにせよ、木庭にとって、否が応でも非常に大切な文字であることには変わりありません。非質量依存、については、これまで自分で測定を行ったことはまだありませんが、農工大に異動したこともあり、心機一転、とまでは行かないまでも、是非いろいろ始めて行きたいと考えています(みなさまよろしくお願い致します、特に東工大のUさん、東大のKさん)。

こばけんきゅうしつでやって行くことは、Biogeochemistry、Ecosystems Ecology、Isotope (Isotopomer) Science、そして、Ecosystems Biologyといったものに、カテゴリー化されるものなのだと思いますが、学問のカテゴリー化は、音楽のカテゴリー化同様、あまり意味のない、むしろ害にしかならないものではないかと考えています。 自分の研究がどのカテゴリーにはいるのか、それに心を配るのであれば、むしろ自分の研究のおもしろさの根本はどこにあるのか、について、積極的に、内へ内へと考えたいと思います。

明日明後日は発表や打ち合わせなどで、何かとばたばたしております。あ、Oさん、生態学会の受賞おめでとうございます!すごい!!

 

| Jan. 28, 2007 : あなたの窒素は、何色ですか?

昨日は、「あなたの窒素は、炭素は、何色ですか?」という話をしておりました。僕は、赤と緑ですが、人それぞれ全く違うのが驚きでした。あなたは何色ですか?(プレゼンテーションの時に、どんな配色にするか、思い浮かべてください)。僕にとって窒素は、硝酸の比色定量の赤(ピンク)、炭素は、植物の緑で、緑です。

予算獲得のための打ち合わせというものは、その予算が採れても、採れなくても、いろいろと勉強になります。先生方の本気をかいま見ることが出来るので、いろいろ刺激になることが多いのです。どのような観点で、全体を眺めていらっしゃるのか、生態系のとらえ方のようなところから、実際のプレゼンテーションの際に、どのようなところに、どのように気をつけて提案しようとしていらっしゃるのか、何をどう狙っているのかなど、なるほどと思うことが多々あります。

しかし、教授の先生方が、お忙しいのにいろいろと最新の論文など読みこなされているのを目の当たりにすると、僕みたいな若造はもっともっと勉強しないといけないなと、強く思います。同じようには出来なくとも、とにかく努力をしなければなりません。

 

| Jan. 26, 2007 : 世界のどこかから

emissionついた!と素晴らしいお知らせが、Nさんからありました。ありがとうございます!(おはようございます、ってAM2時じゃないですか、、無理なさらずにね)。結局penning gauge(赤いキノコ)の新品があったので、とりあえずそれに付け替えたら(真空を破らずに設置出来るそうです)、ちゃんと真空度が読めて、-8乗に突入したと言うことだそうです。よかったよかった。

こばけんきゅうしつに入学するにはどうしたらよいのでしょうか?というお伺いを時々ですが頂きます。いろいろとなかなかはがゆいです・・・・。

EAのオートサンプラーは、入院してゆきました。元気になって帰ってきてください。3倍パワーアップして帰ってきてくださいね!。そのあと、IRMSについては、とりあえず2日ほど脱ガスなどの為に待つとのことなので、ついに来週のポスター発表についに取りかかりました。あああ。

帰りの電車の中で、いろいろといい解析が浮かんだのですが、PCを立ち上げてみると、そのようなモデル計算は(違う確度から見てはいましたが)ほぼ全てやり尽くしていたことを発見しました。昔の僕は賢かったんですねぇ、、、ただ単に進歩していないと言うことなので、頑張らないと、、、、

なぜこんなに頭の回転が悪い、、、と言い訳を探してみると、久しく生演奏を聴いていないのです。マーカス・ミラーの講演も、ジム・ホール&ロン・カーターのライブもあるのになぁ、、、聞きに行きたいなぁ、、、誰か一緒に行かないかなぁ、、、とぶつぶつ言っていても、自分の予定が決まらないから、仕方ないのですが。でも、テリー・キャリアーだけは、這ってでも行こうかしら、、って、たった1日講演なのですか!

明日は、都内某所で会議です。皆様良い週末を!

 

| Jan. 25, 2007 : 世界のどこかでもきっと

emissionつかない!と悲しいお知らせが。。。Isogeochemで調べて、HVがonでもEmissionがoffという場合フィラメントの善し悪しがあるのかしら(実際には、さらにBoxもTrapも0mVというのがカギでした。今回はBoxだけは電流来ていましたから)、と、東工大とIFREEに、フィラメントの予備があったらお借り出来ますか、、、、とお伺いを立てると、YさんもOさんも、有り難いことに、あれやこれやと、色々大変親切にして頂きました。本当に有り難いことです。。。。先達はあらまほしきことなり。

とりあえず近い東工大へフィラメントとガスケットをお借りしに、Nさんの車で一路すずかけ台へ。あっという間に帰ってきてしまいましたが、Nくん、頑張ってね!修論!!!おなかが減って(いつも減っていますが)ホットドッグを3口で食べました。

Yさんを初めとして、同位体比測定をする学生さんたちがみんな集まって、結局、ちょっとフィラメントの形状がおかしいために、基部と接触していて、そのための通電が問題だったと言う結論になりました。新しいのをはめたら、ああ、電気が流れない!素晴らしい!

よかったよかったとイオンソースをはめ込んだら、あれ?RPがごぼごぼいっていますねぇ、、。静かにならないなぁ、、、。さらに締め直して、ようやくTMPが動きだし、ゲージも見えてほっとしました。ああよかった。

あれ?でも、ゲージが動いていない、、ようですね、、、??今日は鍋のはずなのですが、さて、、、み、みなさま、とりあえずお疲れ様でございます。もう少し、頑張りましょうね!まだまだ先は長いのかもしれませんね(最終ゴールは、オートサンプラー3段回しでしょうか)。

Mさん、怪しい面接、大変良い結果だそうで、おめでとうございます!3月には、是非みんなでゴチになりますのでよろしくお願い致します!

夜、サーモのOさんからご連絡頂き、まだ府中にいらっしゃるNさんにお願いしてしまいました。上手く行きますように、、、。

 

| Jan. 24, 2007 : Mr.大盛り

昨日、始めて、研究室でコーヒーを飲みました!コーヒー記念日です(とはいえ、東工大で頂いた、かっこいいコーヒーメーカーはまだもったいなくて使っておりません)。味は、、、あれ?東工大Y研から頂いた、浄水器、もう能力限界かしら、、、それとも炭酸カルシウム?

朝からばたばたとメイルなど書き、あたふたと事務に行きました。書類を提出すると、すぐさま、他の書類の印を押してくださいと。いつも思うのですが、事務の方々、僕みたいな人間まで良く個体認識なさっているのに、本当におどろきます。ぱっと、僕宛の、生協からの請求書が出てきたのはおどろきました。そしてその請求、すっかり脳みそから抜け落ちていました(始めて、生協で校費での買い物をした時のものでした。電源タップとか)。

10時からY研でBiogeochemistryの読み会でした。3回生でもあんなにきちんと読めるのですね、すごいです。風化、苦手です。Y研で勉強したいことの一つなので、次会は、いろいろとつっこみます。どうぞよろしくおねがいいたします。

その後、みんなが掃除するのに合わせて、分解した自分の部屋の段ボールゴミを出して、掃除しようと思っていたところ、XPのemissionがつかないとのこと。filamentが切れたので、直したのだが、復活しないとのこと、、、。ああ、私、古い人間なので、古い古いdelta-Sか252しか使っていないのです、XPわからないのですよねぇ、、などといっていてもしかたないので、ちょっといじってみるも、うんともすんとも。もう一度あけて点検してみようと言うことに。

同時に元素分析計のオートサンプラーの修理が来てくださって、みんなでオートサンプラー君をじっと見守りました。プレッシャーがかかりすぎたのか、逆回転したりしていました。なかなかういやつです。ううう。結局、本格的には入院して頂かなければならない様子です。とにかく2月をつつがなく過ごして欲しいものです。

真空度が下がるのを待つ間、おかぐり、で、おすすめカツ丼を。どういう流れかは別として、あしたは鍋と言うことになりました。明日は頑張って、なんとか月末発表用のポスター作らないといけません。OBC4かISI2006の内容を、簡潔にして、日本語にしようと思っていたのですが、ちょっと油断しすぎているようです。東工大に印刷をお願いしなければいけないのをすっかり忘れていました。さて果てどうなることでしょう。と、ポスターのために、Nさんのin press論文を読み出したら、妄想が止まらなくなってきました。ああ、新しい解析をする時間は残されているのでしょうか。

IさんにCH4のsimulation modelの論文をどさっとお送りしたのはいいのですが、あれ?CH4のsimulation modelって余りないのでしょうか?DNDC以外は、結構手作りなものばかり論文を持っています。DAYCENTを忘れてますね。明日お送り致します。

今日の論文は、RCMの微量同位体比測定(Mode Nanaレベル)と、N2Oアイソトポマー比calibration問題解決?の2本です。

 

| Jan. 23, 2007 : ヴァーチャル輪読会?

さて、最近買った本の中で良かった本があるのです。SOIL MICROBIOLOGY, ECOLOGY AND BIOCHEMISTRY の3rd Editionです。 Paul and Clarkとして1st、2ndとでていますが、3rdは趣が変わって、しかもだいぶ微生物に向かった内容になっているので、たいへん気に入りました。全てのeditionを持っている教科書は、SchlesingerのBiogeochemistryくらいでしょうか(といっても、2ndまでしかでていませんが)。

亜硝酸から硝酸への酸化は、可逆反応なのですね!そりゃぐるぐる回るはずですよ!この教科書、ちゃんと最近の、たとえば2005年の論文に触れている箇所が多いので、すばらしいです。Archaeaのアンモニア酸化にもちゃんと触れています。アナモックスも、SIPも。これはしっかり読まないと。

とはいえ、学生のいない、こばけんきゅうしつとしては、輪読会ってのもできないなぁ、と思います。Y研ではBiogeochemistryやってますし、増やすわけにもいきません。ふと、そういやSkypeとかで、virtualに輪読会って、どうなんだろうか、と思いました。少人数なら、可能なのかもしれませんね。resumeなどは、電子的に送っておけばいいし、pptでプレゼンテーションしたければ、それぞれlocalでファイルを見てもらえばいいし。virtual輪読会、やっている人いらっしゃいますか?virtual勉強会はやられているのですから、不可能ではないのでしょう。ちょっとこつは必要でしょうが。

関連して、www上で、いろいろな人が、1つの共通の論文について、いわゆる論文紹介をしているとおもしろいなぁ、と思っています。同じ論文を、違う人がどう違った視点で読むのかを知るのが、とても好きなので、それを、もうちょっと、研究室の枠を超えて、、、、なんて。

今日は、Yさんが教えてくれたN2O関連の博士論文公聴会を聞きに、小金井まで行って来ました。小金井キャンパスに入ると、昨年の面接を思い出して、ちょっと感慨深いものがありました。

自分のデータベースを見返すと、11月7日から、今日で、保存した論文が300になりました。読めなかった論文がだいぶ読めるので(読めなくなったものも多々ありますが)、一生懸命文献検索していたことが分かります。しかし、そのなかで、印象に残る、というか、これは!と思い、印刷して読んだ論文が非常に少ないのが気になります。もちろん、両面縮小印刷が出来るプリンターがなかったことも原因としてありますが、アンテナがさび付いているのではないかしら、、と不安になってきました。今日は、京大のIさんの論文にコメントするため、7本ほど重要なものをダウンロードしましたが、なんだかどれも、ぴたっと来ないのです。ぼけてるのかなぁ。このごろ、査読もとても時間かかっています。慎重になっているといえば、聞こえはいいのですが、、、

 

| Jan. 22, 2007 : ひと、ひと、ひと

さて、先週はいろいろな人と会い、いろいろな話をし、いろいろなことを思い、色々考えさせられました。お酒ばかり飲んでいましたが、うれしい1週間でした。

15日:京都でCREST会議でした(もちろん、年休です、、、)。IFREEのOさんとなんだか久しぶりにお会いした気がします。京大のTさんともお久しぶりでしたが、相変わらずのバイタリティで、圧倒されます。月末に京大のNさんと東工大のYさんの打ち合わせをセッティング。学生さんの活動が出来るだけスムーズに行くように何か手を打つのも教員の仕事ですね(Mさんも月末よろしくお願い致します)。

会議自体は、相変わらず刺激的すぎて果てしなく続きそうな、、、。来年度は、モンゴル行きたいです。帰りはいつものように、Oさんとあれやこれやとお話しさせて頂きましたが、こういう贅沢な時間は、そうそうないのです。へへへ。懇親会には出席出来ませんでしたが、なかなかはじけた会だったそうで、残念です。Oさんのお宅には、春までにはお伺いしようと思います。もうあれから6年ですか、、、。

16日:東工大で「微生物生態と同位体の未来」(?)について。AISTからSさん、京大からYさんとAさんが来てくださりました。東工大Y研のstaffの方々、そしてMさん、N原さん、お忙しいところありがとうございました。話はこれまたむちゃくちゃ刺激的で、とどまるところを知らぬ、といった感じでした。やはりpure cultureにこそ落とし穴はあるのかも。

Y研の装置などを見てもらい(もう僕はY研じゃないのに)、Mさんの琵琶湖話を聞いてもらい(その間木庭はUさんとPさんとだべってました)。その後、新横浜に移り、お魚食べながらいろいろと。Yさんとは、本当はこれで4回目?Sさんとも、じっくりお話し出来るのは3回目?ずっと昔から、ご一緒させて頂いていたような気がします。二人のお人柄によるところ大ですね。

知らないことを、知らないと言うか、知ったふりをするか。僕は、知らないと言えているのかいつも心配なので、人から指摘してもらうと、ちょっとほっとしますし、そして、背筋を伸ばさなきゃという気持ちになります。有り難いことです。そんな話を飲み会でいろいろと。もっとはっきりと、「知らない」と言えないといけないのです。

19日:東京で、丸ビルからウッシービルへ(?)つれられて、元京大社会情報の皆さんと飲み会でした。現在、某北国で諜報活動中のPD Mさんが、あやしい面接のために東京に来たので、同期を集めて飲みましょう、という会に、誘って頂きました。Mさんありがとう!横須賀のような遠くから来てくれる人をまちつつ、AみちくんとMむーと3人でだらだら飲みはじめました。その時点で、すでにMさんは新幹線に乗ることをあきらめていたと思います。新年会の途中とか、遠くから、皆さんどうもありがとう!って、僕が主役じゃないのですが。

色々楽しかったのです。ただ、楽しかっただけでなく、強く思ったことがありました。

僕の中での、「大学院教育」を考える時に、いつも思い浮かぶのは、この、誘ってもらった学年です。なにがすばらしいって、「あたりまえ」のレベルが非常に高いのです。みんな仲がいいし、みんな、それぞれ個性的。今でも個性が光ってます。頑張る時の「当たり前」の線引き、その線をいかにして高いところに引くか、引き続けるか、それが、教員としては、大学院教育で最も難しいものの1つだと考えています。大学院だけでなく、どんなチームワークの場面でも、最も難しいものだと思いますが、一度、あの空気を味わってしまった彼等は、高みを目指すしかないのです。みんな、各方面でえらくなってね!

16日の飲み会で、結局、教育なんて、、数十年、もしくは100年レベルのタイムスパンを考えないと評価なんて出来ないのではなかろうか、なんて話をしていたのです。しかし、そんな、時間軸とそりの合わない教育活動ですが、そのような中で1つ、教員をやっている間でも、どうしようもなくうれしいことは、卒業した学生さんが、立派な社会人になって、しっかりと自分の将来の方向性を語ってくれるのを見るときだなぁ、、としみじみ思ったのです。ということで、みんなにあれやこれや色々聞いちゃいましたけど(寝てしまった、28際になった直後のFさんにも色々聞きたかったのですが)、親愛なる後輩たちに問うことは、逆に自分に対しても問うことであるわけでして。じんわりと、身体の芯が暖まる、そんな飲み会でした。4:30AMまでよく飲んだなぁ。みんなちゃんと帰れたのかしら。

20日:何とか起きて、IPなんちゃら研究会の飲み会?にいってました。草津温泉へ。なんちゃらなんちゃらです。はい。お気になさらず。ぼくもなにがなんだかわかりません。

21日:草津からの帰り、そのまま藤沢に直行して、高校の同級生4人で飲んでおりました。デトックスを誰かがするということは、誰かにとっては、逆デトックス、、ってことなのですよ、、奥様、、、。

帰りの東海道、気の置けない友人とぽつりぽつりと話しながら、自分の言葉にびっくりするのですが。

自分の30代というのは、10代の頃から、興味と不安のあった10年間で、一体僕らは、そのころ、どう乗り越えてゆくつもりなんだろうかと、ときどき考えていました。昨日飲んだ友にも、高校の頃に話したことがあります。一体何を考えて、日々を過ごしてゆくのだろうかと。

20代は、普通の社会人のみんなとは僕のキャリヤは違うところが多少あるにせよ、とにかくがむしゃらに進んでいった気がします。ギヤでいけば、1つのみ。Rもない。とにかくアクセル全開で、ブレーキをきききーと踏む、そんな仕事だったような気がします。周りもみんなそうでした。オンかオフか、0か1か、そんな感じだった気がします。それはそれで大切で、最高速度がどこまで上げられるのか、あほになってアクセルを踏むことを、若気の至りとは片付けてしまうような大人には、僕はまだなれやしません。しかし、あほでした。周りは全く見えていませんでしたよね。

昔、自分の30代について思っていたことと、現状を比べてみると、まぁ、なんとかなっている、と、ふと思いました。特に、「それは知りません」、「それは出来ません」、って、想像していたよりも言えるようになってきているよなぁ、と。そして、それは、自分の周りの人が、そう言うことを許し、そういう言葉を吐きだすことを励ましてきてくれたからだと、しみじみ思います。プライドを、うまく削ってもらってきているなぁと。

少しでも誠実でありたい、という人の前では、出来ないことを、歯を食いしばって、「出来ません」と答える必要があるのです。知らないことを「知らない」と言うことの、恥ずかしさと悔しさがばかばかしく思えてしまうような、丁寧さをもって、ことを教えてくれる人が、周りにたくさんいます。そういう人がいて、結果として、誠実でありたいと思う人に対して、そして自分自身に対して少しずつ誠実になって行けるのでしょう。

結局、どうやって自分の周りをよく観るか、ということになるのでしょう。だから、30代は、がむしゃらに頑張るだけでなく、上手く休んで、でも、全体としては、あるタイムスパンの中で、10点満点中の8から8.5を目指す、そういう働き方をしなければならないのでしょう。そのためには、いろいろな能力を、努力して身につけてゆかなければならないのでしょう。10出来るけれど、やらない。8に抑えることで2余らせた分を、周りを上手く観ることに使う、そんな能力。200km/hしか出ない車に、無理矢理ニトロをつんで、気が付いたら、とにかく走っては来たものの、振り返れば、周りがみんな燃えてしまって、気づけばエンジンも燃えてしまっていて、、というようなことにはならないようにする、心配りの能力。そういった能力を、じっくりとつけるための努力をすることが、大切なのでしょう。

たんたんと、しかし、かなり高いレベルの仕事をしてゆくには、より長いスパンでの計画立案と、より長いスパンでの自己評価をしっかりと行うだけの、なんというか、有酸素的な能力が必要なんだと、だいぶ気が引き締まりました。マラソンではないけれど、100m走ではないのです。走りながらも冷静さを失わない、、それでいて心拍数200をキープする、、そんな感じなのでしょう。むむ、、むずかしいなぁ。ボートで言えば、セトルダウンが終わって、500mを今超えようとしているところでしょう。ここでペースを(巡航速度を)下げるどころか、どう上げるのか。ああ、そう考えたら、簡単?というか、2000m先のゴールを考えると、それまでの道のりが大変で、吐きそうですね。。まだ500mか、、、。

教員になってから、どうせすぐにおっちゃんになるのだから、自分が言ってもらわなかったことを、自分が問われてこなかったことを、積極的に後輩には投げかけてゆこうと思ってきました。ちょっと、しっくりしてきたような気がします。こうやって、くだをまくおっちゃんはできあがってゆくのでしょう。まいどありがとうございます!

今日は朝から晩まで段ボールを片付けて(といってもひもでくくるところまでしかできないのですが)、汗だくでした。夕方、環境微生物のゼミに出席させて頂き、プラスミドやらDot Blot Hybridization(これ知りたかったのです)やら、宇宙語のようなものばかりシャワーのように浴びて、新鮮でした。これほど分からないのは、生物圏情報に言った時以来なので、あのときのようにまた、必死になって勉強しようと思います。 早く、環境微生物のゼミでも、あほな質問が出来るように頑張ります!2年くらいかかるかもしれませんけど。

 

| Jan. 17, 2007 : うららかにみる

ものごとを、既存のカテゴリーに入れ込んで安心せず、ひたすらそのものごとを、じっと、うららかに見ること、というのは大変難しいことなのだなぁ、と、その困難さだけは何となく分かってきたこのごろです。うららかに見る、というのは 観 であると、記憶が確かならば小林秀雄は書いていたはず。

少しでも違う考えに、違う見方に、違うデファクトスタンダードに出来るだけ触れて、その違和感を大事にするようにすること。こういう「人生の習慣」は、自分を律するための、ひとつの良い方法だと思うのですが、研究においても、とても大切な、立場の取り方だと思うのです。同じデータがあった時に、自分と違う考えを持ち得て、その考えを正直にぶつけ合えるであろう人々が、このごろ周りに増えてきたような気がしていて、かなり幸せです。

I may be wrong and you may be right. But by an effort, we may get nearer to the truth. (Open Society by Karl R Popper)

異なる環境に触れて、ただ黙っていてはもったいないですよね。異なることで分かることを最大限生かして、もうすこし異なる視点の研究を始めて見たいと思っています(なんじゃそりゃ、なにいってるんだ?って感じでしょうが。。。)ポパーのこの言葉の記されているこの本、かっこつけて博士論文でも引用していますが、英語では全く歯が立たず、日本語でも読めませんでした。それはともかく、本当にポパーはこんなことを言ったのか、僕にはにわかには信じられなかったりしますけれど(自伝とか読むと、、、)、とにかくこの立場は、とても素晴らしいと思うのです。

上手に疑うこと、上手に問を立てること。うーん。こんなことばかりもう何年ぶつぶついっているのでしょうねぇ。

実験したい!きょう、ようやく実験始めます!といってもdiffusionのためのteflon envelop作りで、まさに家内制手工業な雰囲気満載の、ちまちま作業ですが、、実験、じゃないですねぇ。。

 

| Jan. 08, 2007 : 今週の活動と、最近読んだ本の防備録

ごめんなさい。このwebsite、MS ゴシックでみると、おぞましいですね、、、このwebsiteは学内からしか更新出来ないのと、僕のシステムはすべて某フォントを入れてしまっているので、確認出来ないのですが、通常のwindowsのシステム環境で見ると、ひどいですね。びっくりしました。ごめんなさい。。。しばしお待ちを、、、。しかし、cleartypeで読むと、確かにいろいろと不都合はあるけれど、もう後には戻れないですね。せっかく一生懸命CSSいじったのに、、、読みにくくてごめんなさい。macではどうなんでしょうか、、ああ、、、Linuxでは、、、(つづく)

5日は、Mさんに連れて行ってもらい、水田・畑地での調査を見学。ちょっとトラブルがあってサンプリングは上手く行かなかったけど、色々教えてもらって良かったです。しかし、硝酸濃度濃いなぁ、どの地下水も。こんな濃いサンプルなら、脱窒菌法を使う必要があるのでしょうか?

Mさんの研究をより発展させるような、いくつか涌いてくるtopicのうち、僕は何をやるべきでしょうか?あれやこれやといろいろな妄想が浮かびます。しかし、平凡なのです。アイディアが。単純な足し算ばかりで。

以前、留学していたころ、Oさんの家に良くご飯を食べさせてもらいに行ってました。色々お話しさせて頂くのですが、ある時、あることと、あることを組み合わせるというのは、常套手段で、さらにもう一つ組み合わせると、かなり新しい。しかし、さらにもう一つを考えることができて、実際にその組み合わせを実現できるのは、かなり賢い人だよなぁ、とおっしゃっていたのです。それから、ずっとそのことを考え込んでいます。もう6年です。足せばいいというものではありません。1+1は平気で0.5になります。2になんてまずなりませんから。

自分がやった研究が論文として印刷されるまでには、4-5年かかることがあると思っていいと思います(僕らの分野では)。ということは、自分の論文が印刷される5年後に、世界のそれなりの雑誌に掲載されるような仕事の質を持っていなければならないわけです。つまり、ベースとなる研究から(このベースが持っている質も問題となるのですが)、次の一歩をすすめた、では充分ではなく、さらにもう一歩踏み出すことが、(最低限)求められているレベルでしょう。さらに上の、それなりの質の研究をしたければ、もう一つ先の一歩を見据えた研究計画を立てて、実践しなければならないということなのでしょう。論文を読んでも、過去を見つめているだけです。行間に隠されていることや、論文が出てくるまでの空気を察知しないと、5年後のことを考えるのは困難です。そういったことが出来るようになるためには、まずはとにかく読むこと、そして議論すること、そして積極的に尋ねることです。頑張りましょう、と、そんなことを考えながら井戸を見てました。頑張らないと。足せばいいってもんじゃない。

6日は、田町で、静岡大のK先生、K先生とKさん、東大のO先生、AISTのS先生、横国のK先生、東工大のMさんとお話。午前中はそれに向けてプレゼンの準備。朝、4日に送ったメイルに返信があり、MSUのOさんからin pressの論文原稿を頂く。ほほう。これはおもしろそうな、きれいな結果ですね。以前学会でお会いした時のことを覚えていてくださっていて、ちょっと感動。しかしその論文結果をプレゼンに入れ込むまで読みこなせるはずはなく、、。

13時に田町。皆さんが来るまで3人でお話し。雑誌のeditorは自分が読みたいreviewを書かせる、というポリシーとか、tenure-trackはどうですか?などなど雑談+アルファ。「こばさんは不良だからいいけど、普通の人は困るよね」というコメントが気に入りました。

大鑽井盆地(絶対行きます!)のながーい年月の話から、食う食われるのあっという間の話まで、あれやこれや。ミミズのおなかの中にいる微生物がもつnosZと周りの土壌のnosZは同じですよ、とか、なぜ硝化は2段階に分かれているのか、とか、僕では読みこなせない論文について質問したり。ある環境を記述する際に、staticなものだけではいけないでしょう、というのが、いつも僕のうわごとです。あとは、硝酸がぐるぐる、とか、そんなのばっかし言い続けてますね、どこでも。

いろいろな分野の話が聞けて、大変楽しかったです。しかし、それよりも何よりもびっくりしたのは、帰りがけに声をかけてきたのが、高校の同級生(総務長)だったこと!ああ!久しぶり!毎日彼のblogは読んでいるので、どこで何をやっているかはだいたい分かるのですが、こんな大都会東京で偶然会えるとは!。素晴らしい偶然に感謝感激。彼が新しい旅に出る前に、とりあえず1月中に飲もう!ということに。彼の活動については、またいつか。

8日はビル・ビィオラ展。あれやこれや考えるような雑念なしに、素直にびっくり、感動できる作品が多かったです。ものすごく考えられている感じがして、とても好きになりました。ただ、DVDは買わなかった、、買えば良かったかなぁ。

読んだ本たちについての備忘録、防備録。

-- 「芸術起業論」(村上隆著、4344011783)素晴らしい。この本で扱われている、自分自身が考え持つべき立場は、芸術家に限ったことではないのだ。こんなにページを折った本も最近珍しい。(11/2) --

-- 「私デザイン」(石岡瑛子著、406212083)を読了。僕は、石岡瑛子さんのデザインとして、マイルス・デイヴィスのTUTUのジャケット、BjorkのCocoonのPVを見たことがあり、どっちもびっくりした。いや、実際にはTUTUの衝撃は、高校生の時で、音の格好良さにびっくりし、ジャケットの圧力にびっくりしたのを覚えていた。BjorkのPVは、一度見ただけだけれど、もうびっくりして、TVから動けずに全部見てしまったのを記憶している。ちょっと気持ち悪かったり。地獄の黙示録のポスターは、どこかでデザイン本に引用されていたと思うけど、その金属感というか、やっぱり重さのようなものが記憶にあったと思う。(11/4) --

-- 遅ればせながら「ゲノム敗北」を読了。色々考えさせられた。研究の進め方、知財のあり方。そもそもの姿勢について。この5年、もうちょっと真剣にじっくり考えないと、本当にあほになってしまう。(11/6) --

-- 「良い経済学 悪い経済学」、読了。おもしろかった。「比較優位」。この本で書かれている、なんというか、本質を突いた切り口は、物質循環研究でもあり得るような気がする。Ericなんて、まさにこんな感じで、N cycleを考えているんじゃなかろうか。でも、くどかったかな。それと、さすがに古いので、ちょっと興味がそがれてしまった。 今の状況はどうなんだろう。(11/8) --

-- 「ブランドのデザイン」。とにかく原&深澤という素晴らしいタッグを読む。「これがいい」から「これでいい」というセンスの変換。「人間の振れ幅に合わせてブランドの軸も合わせていく。人の気持ちの揺れに合わせてゆくことがブランディング」。「多面体ブランド」。すばらしい。(11/12) --

-- 行き帰りで、「赤を見る」に夢中になる。ハンフリー、すごい。何も考えず、数ページぱらぱらとめくって、「これは!」と思い、東工大生協で買ったのだが、この人、「喪失と獲得」の人だったのね。感覚の進化的獲得のところではっとした。とにかくすごいぜ。能科学的なものは流行っているので読まないのだが、この人は別だ。(11/13) --

-- 四手井先生の本「森林はモリやハヤシではない―私の森林論」(いろいろな点でというか、面で、うなった)、内田&平川著「『東京ファイティングキッズ・リターン』悪い兄たちが帰ってきた」(相変わらずおもしろかった)、そして今、「ヒトは今も進化している」を読了。おもしろかったが、最後にびっくり。前頭側頭型痴呆(FTD)では、もちろん記憶などの能力は衰えるものの、芸術的能力はむしろ発揮されるようになるらしい。

おどろくべきは、人間のもっとも特筆すべき能力である「言語」が、創造的才能を阻害しているという示唆だ。この症例が示しているのは、『脳の配線が、われわれの創造性の本質を決定する主要因だろうということだ』とミラーはいう(pp. 196)

これって、ハンフリーがラスコー壁画について以前書いていたことだ!すごい!(11/26) --

-- 帰り、「哲学者は何を考えているのか」ほぼ読了。これ、手強いと思ったけれど、インタビュアの力量なんだろう、とてもスムーズかつわかりやすい(?)、そして、何よりも、絶対著作では分からないような、「表情」が見て取れる感じ。 (11/28) --

-- ビームスの奇跡を読みながら出勤。不覚にも涙ぐむ。

事件の際、重松氏らと行動を共にすることを決めた、ある女性が以前、こんな話をしてくれたことがある。

「辞表を出した時、設楽さんが、いってくれた言葉が、今でも忘れられないの。だって、普通は憎まれ口のひとつくらいいいたくなるものでしょう。でも、辞めていく私に設楽さんは、こういったの。『きっとあなたがビームスを辞めるのは、ビームスでできなかったこと、不満に思っていたことがあるからだろう。でも、それを次の会社で求めてはダメだよ。どんな会社だって、同じことを必ず繰り返すものだからね。だから、あなたは、次の会社では、それを乗り越えて、次のステージで仕事をしなくてはいけないんだ。それができなければ、ウチを辞めて、重松さんたちと共に仕事をする意味は薄れてしまうよ』って。私、その場で思わず泣きそうになっちゃった。」(pp. 121)

すごいよ。本当にすごい。いろいろな意味で感動した。すごいぞビームス。(11/29) --

-- 「本能はどこまで本能か」、読了。素晴らしい本だった。生得論に手厳しいのだが、その批判は、一般論としても捉えることが出来る。実験のスキームは、どこまで広げていい物なのか、どこまでの範疇を扱える実験なのかを意識することが大切だというのは、まさに、どの分野でもその通り。(12/12) -- 

1月から、心を入れ替えて、頑張って本を読もうと思います。できれば、小さな、薄い本を持ち歩いていたいですね。そんなこんなで「インテリジェンス 武器なき戦争」と「詩を書く」を読了。「詩を書く」については、文体というものについて書かれている「言語から文章へ」という一節がおもしろかったです。

ほんとうに自発的であるなら、文章は人間そのものと同じに生きていて、みだりに手を触れるのはおそろしい。(pp. 81)

たくみな随筆などに、すぐれたデッサンを思い起こさせるようなものがあるのは、分析と綜合のバランスのとりかたのうまさに、共通点があるからだろう。一本の線が、余白にまざまざとものの形をうかびあがらせるように、すぐれた文章は部分を書くことで、全体を指し示す。これはものの描写に限らない。観念を書く時も、自分の内面を書く時も同じだ。(pp. 88)

また、こんな感覚は持っていませんでした。正直当惑しました。それもまた、おもしろかったです。

ベートーヴェンに没頭していた十代の頃、ぼくは自分が音楽に溺れすぎているのではないかと、真剣に反省したものでした。音楽には、若い人間の内部の混沌に、或る秩序を与える力があると同時に、自分の内部で論理化すべきものまで、正にその力によって押し流してしまうという面もあると思えるのです。(pp. 191-192)

今は、武満徹氏について谷川俊太郎氏がインタビューしている本を読んでいます。武満さん、すごいです。素直に感動して、時々気がつくと少々涙ぐんでいます。

 

| Jan. 01, 2007:現状報告

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

木庭は、2006年11月1日付けで、農工大に採用されましたが、現在まで、どのような事務手続きなどが必要だったか、どたばたの一部を記録しておきます。思い起こせば、9-11月は、ISI2006が終わり、直後に面接があり、OBC4があり、科研費の申請があり、それよりももっと重要な予算の申請があり(残念な結果に終わってしまいましたが)、そして引っ越し、、と、もう、ひっちゃかめっちゃかでしたねぇ。いまでもひっちゃかめっちゃかですけど。

  • Tenure-track positionに限りませんが、大学に就職する方は、先方にとにかく早く、「提出すべき書類一覧」を教えて頂くことをおすすめします。websiteから見ることが出来る大学もあります(東工大は、たとえば、「採用予定の方の必要書類」から閲覧可能です。これで3つ目の職場なのに、、やっぱりいろいろ不手際ありました。。。準備はお早めに!思ったよりも時間かかりますよ(自分で出来ることは結構少なかったりするので)!
  • 東工大を辞める必要があったため、いろいろと面倒でした。割愛があるわけではないので、それでも、時間的には短い時間で処理されたのですが。「いつやめるか」が問題で、、辞職願は辞める3週間前に提出とのこと。しかし、提出時には、まだ先方では教授会に通っていないという状況もあり得る、てなわけです。 標準的な在職願のフォーマットには「予定退職年月日」はないので、それを入れてもらわないといけないのを忘れていたり。
  • 学位記などを、A4に縮小して提出しなさいといわれて、はいはい、と高をくくっていたら、なんと、コピー機に入りきらない、、、学位記って、A3より大きかったんだ!適当に縮小して、分割してscanして張り合わせました。GISソフト上で、衛星写真のようにモザイクしようかと思ったくらい。簡単だと思いこんでいただけにショック!
  • 在職証明書。以前、非常勤をやらせて頂いていた京産大は迅速に郵送してくれました。京大の証明書は、前の前の研究室の秘書様にお願いしてしまいました(Kさん、ありがとうございます)。こういうのは、毎回出すのに絶対忘れています。東工大の場合は、上記のように、いつやめるか、がカギ。その辺で時間がかかりました。
  • 健康診断は、Tenure-track教員がみんな着任してから改めてやります、ということで、キャンセル(助かった)。
  • 10/8に、なんとか書類そろえて、簡易書留で出しました。ぎりぎりセーフ。
  • た、退職金をもらっちゃいました。。。退職したんだ、、と、なんだかおセンチな気分に。ちなみにtenure-track教員は年俸制なので、退職金もボーナスもありません。

木庭が11/1に着任出来たのは、東工大・農工大事務方のサポートに大きく依存しています。特に、引き継ぎなどいろいろな点で、東工大Y教授を初め、Y研や環境理工学創造専攻の皆さんに、ご無理を聞いて頂いた結果です。それと3つ目の職場なので、さすがに多少慣れている点がありました。通常は難しいと思います。

また、11/1着任に固持したのは、予算の消化、研究室の立ち上げなど、いろいろなことを考えると、無理をしても、早く着任する必要があると判断したためです。12月に着任しても、年末年始を控え、余り仕事にならないだろうとふみました。実際、まだ全然立ち上がっていませんし、、、。少しでも早く仕事をする環境を整えないと、修論、卒論、そしてD論の学生さんに迷惑がかかってしまう、ということが一番の懸念です。

また、着任してからも、当惑したことがいろいろあります。こっちの方が大切ですね。ただ、いつも考えていることは、転職を考える際には、前のところから悪くなった点を考えてもきりがないということ。そんなことを考えるのであれば、転職すべきでないし、とにかく、良いところを見つけるべきだ、ということです。どうせ見るのであれば、前を見ないとね!

  • Tenure-track教員は「非常勤」なのでしょうか、「常勤」なのでしょうか、という問題。
  • 「共済」への加入はどうなるのか。これについては、東工大の事務から、脱退するのか、それとも任意継続で2年間延長するのか(しかし、再延長はない)、どうしますか?と聞かれて、そんなこといわれてもわからないなぁ、、と、とりあえず色々調べて、調べれば調べる保護分からなくなって途方に暮れていました。すると、「ちょっとまって!」とご連絡があり、その後、事務方が頑張ってくださったようで、共済に入ることが出来たようです。ありがたやありがたや(直接お礼を言いました)。
  • 生命保険。これも大変でしたが、大学のせいではないのです。
  • 科研費の申請。木庭は来年科研費継続だったので、問題は来年です。今年申請した人は、結構たいへんだった様子。特にeffortの数字。
  • 外部資金でのお仕事は、9-17時以外でやりなさいということになります。おお、神様、、、アフター5で、、、ですか、、それじゃぁ、外部資金採れないと思うのですが。同様の考え方に基づき、JST-SORST、JST-CREST、RIHNでのお仕事は、すべて「年休」をとってやりなさいとのこと。年休、20日なんて、ひとたび野外調査に出れば、あっという間になくなってしまいます。モンゴル調査はあきらめざるを得ないのでしょうか?!ちなみに11-12月は3日年休をもらえていました。もちろん、会議などであっという間に消費されました。あ、東工大の博士論文審査はどういう扱いになるのでしょうか、、、。
  • 予算。部屋の改修でかなりの金額が飛んでいきました。備品購入についてですが、購入認可がおりたのは、12月末のことです。学内経費は使い勝手がよいのですが、すでに営繕で食いつぶしてしまっています。継続の科研費がありますが、それでは備品は(もう)買うことが出来ません。ブラインドもクーラーも今年は買えない状態なのです。ああ!とりあえず、水道水は出るようになりました。本棚も買いました(既に満杯ですが)。
  • いろいろあって、実際の引っ越しは11/16に、東工大から農工大へトラックで行いました。未だに段ボールに囲まれた状態です。

まぁ、何事も経験経験。文句ではなく、提言を。批判より行動を。