Kei Koba's weblog in CER, Kyoto University ~ Are we on the right track ? ~

| April 28, 2005 / 倒れるなら前のめりに、、、

今日もdiffusion。Nalgeneボトルが閉められない。。握力が本当になくなってきた。お昼前に終わったので、ようやく半分。これは、用意したボトルが足りなくなってくるな。無理か。

時々那須くんがやってきてはラインの操作をしてまたでて行く。結構たいへんそうだけど頑張ってるなぁ。H2Sを使っているのでだいぶ気を遣っているご様子。頑張れー!

眞壁さんと5月の高時川調査についての話をしていたら、ああ、ボトル使いすぎだよ(って、分かってたんだけど)。FCRCに戻るが、一生懸命サンプルを処理したのに冷蔵庫のスペースは全然空かない。ああ。これじゃあだめだなぁ。と、とりあえず今日は出来るところまでやったと言うことにして、後はSTDやblankをいっぱい作っておこう。

16:00にオフィスに戻り、メイルを処理し、17:45から輪読会。M1とB4のみんなのために、同位体の基礎講座(chapter 1の解説)を眞壁さんと田中さんと水野さんがやってくれるそうです!これで心おきなく参加できるね!さすが先輩!!

19:30に実験室に戻り、STDを調整する。Shakerを動かし始めたのは21時近かったかな。三橋さんが元気そうに勉強しているのを見てほっとする。

物事を考える力をなぜつけないといけないか、、なんだけれど、それは、自分の目標を実現するため、、色々な可能性の中から最適なものを拾い上げることが出来るようになるため、、なんて思ってきたけれど、それよりも、なりたくない自分にならないようにリスクを回避するため、と言う方が近いのかもしれない。そんなことをボトルを閉めながら考えた。一つを選ぶ、と言うのではなく、やってはいけない、陥ってはいけない状態が多々あり、そこに落ち込む方法が多々あることを一生懸命考える。水たまりだらけの道を通るときに、通るべき道を浮かび上がらせるのではない、右に行ったら水たまりをふんじゃう、ちょっと左前に進むといいかも、、そんな感じなのかも。そして上手くできるようになるともうちょっと遠いところを見て、こっちに行った方が10m先が楽になるかも、なんて事を考えられるようになる。

そういう能力は、多分、何をすれば良いではなく、何でもすれば良いんだろうと思う。どこにでもヒントは落ちているのだろう。問題はそれに自分で気づき、拾い上げることが出来るかどうかだ。たぶん。

今日の論文は、カドミウムの吸収に関する論文。この号にはカドミウム吸収のモデルの論文もあるけど、こっちの方がイントロダクション役立ちそう。

| April 27, 2005 / 折り紙まだあった、、

5:30に起きると、なんとか7:20にオフィスにつくのです。メイル打ってFCRCに行き、足りない試薬をひたすら包み続ける。まだ折り紙が残っていたか。。。。結局お昼前までかかってしまった。お昼を食べてG1 5Fで今度はひたすらdiffusion。Nalgeneのボトルを力一杯閉めていたら両手にマメが、、、。でもしっかり閉めないとNH4の同位体比がきちんとでないんですよ。。

教授会に出席して、その後またdiffusion。結局20時過ぎまで頑張って、60点ちょっと。。。あと120点はあるのね。。ははは。

すごいなという論文を見つけると、その雑誌に僕も発表したい、なんて思う。逆もまたしかりで、どんなにインパクトファクターが高かろうと、自分の中で、あんな論文を載せるような雑誌だとなぁ、、なんて、まさに高飛車なことを思ったりする。でも、その思いは結構絶対的な価値判断をもたらしていて、そういう雑誌には投稿しないなぁ。今日はそんな論文見つけちゃった。あーあ。すごく偉そうだし、もちろん毎号チェックはするけれど、なんだか胸のときめきは薄くなっちゃうだろうな。

手持ちの査読が終わったー!とおもったら、査読2本来る。上のようなことを書いたんだから、しっかりreviewしないといけないな。しかし、しかしー。でもやりますよ。一つは、自分が試されているし、もう一つは再投稿だけど、僕の指摘した問題点がちょっと上手く伝わっていないみたい。よーし。まってろよー。

Limnology and Oceanographyと言う雑誌は、いつも質の高い論文を提供している雑誌の一つで、是非僕の学生さんにはここに発表できるようになって欲しい(ね!)。で、最新号には鉄吸収モデルとか窒素固定とかいっぱい読みたいものがあるけど、とにかく明日読みたいのは、このpdf。、、、と思ったけどdiffusionやりながら読むのって無理だなぁ。

Diffusion終わらなくて輪読会欠席したらごめんなさい。明日も朝から晩までひっきりなしに働きます。ほんまにへとへと。でも実験してると気分は良いのだ!エレベーターがバーベキュー臭たっぷりで、「コンタミしちゃうぜ!」ってすぐ降りました。

 

| April 26, 2005 / 折り紙するぜ!

気がついたらPCつけたまま寝てました。。うーん、眠くなってしまった深夜。このまま書き進めてもやっぱりだめだろう。ってことでとりあえず眠る。

朝、鈍行に乗って電車の中で3枚目の推薦文を書く(2枚は昨日書けてたんだけどね)。おそらくみんな徹夜しているだろうから、とPHSから3通メイルを送る。朝8時。間に合うかしら。

オフィスに着き、メイルをちょっと打ってすぐにG1に篭もり、ひたすらひたすらNH4の同位体測定用filter envelopを作成する。小さな折り紙をちまちまちまちま、、、、、お昼食べたっけ?食べたな。途中、入学希望の学生さんを那須くんと戸張くんが連れてきてくれる(明日だと思っていたけど今日に変更だったのね)。 戸張さんに微生物容器の洗浄をちょっと待ってもらう(高濃度のNH4を含んでいるから)。ありがとう。そういう心遣いは本当に有り難いです。だから他の人が何をやってるかを知ることは大事なんだよね。

200枚折りました。もうだめですー。本当にへろへろです。オフィスに戻ったら色々な用事が一気にわき出てきた感じ。うー。

とにかく明日はdiffusionです。15時から教授会ですが、終わったらまたdiffusionです。そうしないと木曜日の輪読会に参加できない。そうしても無理かも、、、あせるなぁ。。。とにかくNIAESのNH4の2003年度サンプルを処理しないとアラスカサンプルを解凍できないという、とっても分かりやすい理由で焦っております。

6/27の講演、、考えないとな。あーあ、折り紙している間っていっぱい考え事していたのに忘れちゃった。帰りながらPostのNature(2000)とEcology(2002)を読む。何がどう引っかかったのかをきちんと読み直して瀧本さんにメイルしようと思うのだが、たしか2000年の論文で、引っかかったところは2002年の論文で細かく議論されていて、すごいなって思った記憶がある。。。。

えっと、僕の頭の中で共同研究を始めたいと思う相手が2人も出てきて嬉しいです。共同研究って「学生さんに研究の幅を広げる機会を与えるから」とか、なんか理由つけても良いけど、とにかく、この人と一緒に何とかして仕事したい!って思う人(そんな人あんまりいないし、実際)、そういう人と出会うのが最も大事だし、そういう人と同じような対象(例えば生態系)を違う考え方違うアプローチで見ることで、とっても面白い軸を与えてもらうことが出来る、それが嬉しい。僕が頑張ろうと思う根本の一つとして、一緒にやりたい、とこっちが思う人に、こいつと一緒にやりたいな、一緒にやったら何か面白そうだな、1+1=1でも2でもなく2.5になりそうだな、って思ってもらえるようになりたい、というのがいつもあります。何か新しいことを始めるときの相手は、すでに100%に近いところで頑張っている人ばかりだから(そういう人でないと惹かれないから)、どうやって、こいつと何か始めるんだったら120%になってもいいか!と思ってもらえるかで(生態学会でも津田さんがそうおっしゃっていたよね、大規模操作実験のセッションで)、そのためには、こっちがきっちりと、相手にとって新しく、eye-openingな視点、観点、着眼点(同じか?)を持っていて、そしてそれらをきちんと見せないと(持っているだけじゃだめなんだろう、アピールしないと)いけない。そのためには頑張る。勉強する。研究する。知らないことに対して素直になる。そうしてます。そういえば苫小牧に向けてはそんなことを考えながら頑張ったんだった。京大の大手さんや岡山の吉川さんと一緒に何かやりたいと思ったとき、それぞれの時僕は最大に頑張っていたと思う。留学したときもそうかな。ま、そんなことを考えながら折り紙してた。

あとは、学振の書類をどうやって添削すべきなのか、、と言うことも折り紙しながら考えた。多分、確かに良く書けている申請書と、だめな申請書というものがあるのだと思う。問題はどこで、どう判断しているのかだ。それを明らかにして、それに基づいて良い方向に持ってゆけないのであれば、教員としてだいぶまずいだろう。しかし、言うは易。

実際自分の経験では、「もうだめ、もうこれ以上頭を絞ってもなんにも出てこない。もういい、もうこれで落ちたら落ちたであきらめる」などと考えながら書類を作った覚えがある。結局向かう方向が定まっているわけではないし、しっかりとした評価基準が(少なくともあの時点の僕では)あったわけではないから、なんだかぬめりの強い沼の中を動き回って、疲れ果てて提出、、と言う感じだったのかな。でも、先輩の申請書とか、なんだかすごい!(なんだか、、なんだけどね、結局)、って思ったし。その「なんだか」はきちんと提示できるものなのだろうか。。。

| April 25, 2005 / 書類書くぜ!

すみません。私用で今日飲みに行くのを延期してしまいました。ごめんなさい。でも、今から推薦書3枚書かないといけないからどっちにしろ無理だったので勘弁して下され。。結構かかるのよん、ちゃらんぽらんに書いているように思うかもしれないけど。

7:20からばりばりお仕事。FCRCに移って、ラベルを書き、業者さんとお話しし、お昼会議に出て、生態学輪読(戸張さんありがとう)の打ち合わせして、PD希望の方とお話しして、ゼミの前の打ち合わせに参加して(鈴木さんありがとう)、ゼミで眞壁さんの発表を聴いて(色々面白かった。頑張りましたね)、熊の話をしながら飛んで帰ってきました。夜中に頑張って書類書きます〜。みんなも本文頑張れよ〜

| April 22, 2005 / 妄想力は努力しないと伸びないよなあ

朝、ちょっと色々あって、渋谷まで出て、そこからすずかけ台へ。いつもと違う昼飯を仕入れてオフィスへ向かう。三橋さんと久しぶりにお話しできて嬉しい。とある論文の査読報告を送信。

今日の論文は、やっぱりOrganic Geochemistryの36:5山田さんのシベリヤメタン(どんなソースがあり得るのか)、北大中川さんの都市メタン(どんな同位体比を取り得るのか)、などなど。特に読むべきは、ChantonConradのreviewでしょう。あとは、古いところで、GCAにANAMMOXの論文あり(Mn酸化物との関係がなかなか面白い)。土壌炭素同位体比のprofile論文土壌CO2の同位体比を解析するためのモデル論文などもあったね。

あっという間に14時近くなって、眞壁さんとすずかけ台を出る。大岡山について食料を買い込み、地球史資料館におじゃまする。一度来たかったんです〜ストロマトライトとか、しましま鉄とか、三葉虫とか、うおー。ちょっと感動。アノマロカリスの模型、僕も欲しい。。。と、ぼやぼやしていたら、瀧本さんからご連絡。お初にお目にかかります〜。結構最初から僕としてはエンジン全開モードであれやこれやお聞きする。バハマでの結果はすごいなぁ。これはすごいよ。本当に。食物網の長さについてはPostの論文たちを読めば、どういう事なのかが分かるでしょう-->眞壁さん。食物網の長さがどんな要因で決定されているか、の歴史的変遷については、論文に書かれている通りです。瀧本さんはここにいたのですよ。

えーっと、後はどんな話をしましたっけ?すごくいっぱい妄想をかき立てかき立てられたのだったけど(瀧本さんも同じだと願いたい)、あまりここでは書いちゃいけないことかもしれないからやめておこう。村上さんもいらっしゃって、村上さんのデータも、すごく面白くて(いや、面白いと言うよりも、きっちりと既存の問題点に改善する道しるべを与えていて、面白い、としっかり言うべきか)、へぇーとかほぅーとかばっかり。17:30までさんざん楽しい話をして、焼鳥屋でホッピー飲んで帰ってきました。いやぁ、楽しかったです。またお願い致します。今後とも、特に北海道でも是非よろしくお願い致します。5月末には一度そちらにお伺い致しますので。

久しぶりに「生態学」の話をした。Begonの生態学の教科書をこれから読んで行くわけだけど、多分それを読んでも今日の話にはたどり着けないのかも(もう1ステップ必要か)。そこまで輪読会でフォローできるかなぁ。頑張ってみよう。

それと、僕もこれからはなるべく色々な人の話を聞きに行くことにしようと思ったり(今日の多様性シンポジウムはいけなかったけど)。話を聞きたい人は色々いるし、迷惑かもしれないけどその時は断ってくれるだろうと決めて、僕も色々な人にコンタクトを取ってみよう。むちゃくちゃ楽しかったもの。そういう機会は待っているだけじゃいけないよね。そして、「妄想力」はどんどん気がつかないうちになまって行く。それをびしびし鍛えるためには日頃の鍛錬、レベルの高い議論をいつでもしていないといけない。頑張らないと。

SNSに恥ずかしながら勢いで参加してみたり。ははは!今までずっとSNSにはちょっと抵抗があったのだけれど、でも、昔出会った学生さんたちが、いま社会でどんな風に思ってどんな風に活躍しているか分かるなんて、素晴らしい。しかし「たろうさん」がやっぱりツボだなぁ。。。箱男。。。みんな色々書いてね!(って、他人任せ、、)。飲み会にでるでない、と言うような葛藤があるな。SNSには。

静岡大学の加藤先生に、メタン同位体と微生物との研究に向けてちょっとご連絡など。静岡に近いうちにお伺い致します!!!!DAPI、FISH、DGGEは最低(?)覚えたいのです。ここから加藤先生のご講演をmpegで約1時間見ることが出来ますよ!そうだ、日本微生物生態学会にも入会したとです。はい。かなり本気です。

| April 21, 2005 / The Way Up

全く自分のために書いてます。いやぁ、すごかった。感涙。

朝からwebsite作り。一息ついた頃に、戸張さんと今後のことを真剣に話し合う。お昼に戸張さんと深澤くんを誘って天ぷらを食べ、午後から鈴木さんと今後のことを真剣に話し合う。二人とも時間取ってくれてありがとう。また色々分かったことがありました。多分そちらにもあったでしょう。お互いもっと良い方向を目指して頑張りましょう。僕も頑張ることを約束します。

アラスカにいた頃、PIが来るとmeeting、、の繰り返しで「PIが来ると仕事が進まないぜ!」とみんなで言っていたものだ。RAの彼らも、PDの僕らも、自分のやらなきゃならないことがいっぱいあるし、精一杯やっているし、かなり自分がやっていることの意味を分かってやっていた。一方、たまにきたPIは、やっぱり何をやっているか心配だから「やっていることをまとめて、ちょっと話して」なんて言っちゃう。「まとめている暇があったら次のサンプリングするってば!」。そんなことをアラスカの頃の日誌に書いていたかもしれない。実際、日本ではPIだった僕は、アラスカで自分の抱いた感情をひどく扱いあぐねて、それでもとにかく、「あんまり会議をするのって良くないな」と強く思った。

しかし、それから早5年。やらなすぎた感がある。いや、実際には、僕のやり方とは、学生さんのやり方、求め方が違うと言うことかもしれない。どちらが言い悪いではないのだから、方向転換した方が良い。そんなことで、眞壁さん、戸張さん、鈴木さんに今後の方針(指導教官が僕で良いのかどうかから)を聞いてみた。阿部くんは今色々忙しいのでもうちょっと後でやる。お互い言いたいことがあるだろうから、定期的に(出来れば、学生さんの方から要求を出して欲しいけど、、だって、先生が「やれ」って言ったらやっちゃうだろうから)こういう話し合いを持つべきだな、と。反省。

修一先生とも、大学院での教育についての話になる。「それじゃあだめなんですよ」なんて言っている自分が笑える。僕は修一さんともともと同じ考えだ。だけど、方向転換するべき点が僕には多々あるのも事実だ。

修一先生がいらっしゃっていたけど、17:00の時報とともにダッシュ。有楽町に着き、おなかぺこぺこだけど、もうたまらない〜と言うことで会場入り。LINXのmanualを読みながら開演を待つ。

Pat Metheny Groupのコンサート。Pat Methenyを聞き始めたのは高校の頃だったから、かれこれ15年以上聞いていることになる。始めてのコンサートで、メンバーが出てくるまでにすでに緊張している。ああ、でてきた!やっぱりボーダー着てるよ!と感動する間もなく演奏が始まる。

なんというか、筋肉の奥の方から鳥肌が立った事ってありますか?ガクガクからだが小刻みにふるえて、ふるえるたびに涙が少しずつ目からこぼれて行く事ってありますか?今日はまさにそうだった。すごかった。自分の笑った顔って言うのはこういう顔なんだ、と言うのがわかる、そんな時間だった。すごいよ。すごい。

何をこんなに感動しているんだろう、、と思ったのだけれど、それは、いま演奏されている全てに「意志」がある、という当たり前のようなことだった。よく言うことだけど、教科書のなんの変哲もなさそうな一文だって、その一文を書いた人がいて、そこには思いがあるはずなんだよね。論文にさらっと書いてある一行だって、その一行を書くためにどれだけの努力があるか、と言うことはよく言っていますよね。

毎日のように聞いている、あの演奏。あの演奏で当たり前のように流れてくる音の一つ一つ、休符の一つ一つには、ものすごく凝縮された意味が、意志が籠められている、そんな、本当に当たり前のことをすっかり忘れてしまう。なぜ、僕の耳はたった2つしかないのだろう!こんなに音があふれて行くのに、僕はどれだけ捕まえられているんだろう。そんな気持ちにもなった。

小説にせよ、絵画にせよ、彫刻にせよ、どこにも当たり前のように存在しているものはない。何もないところから意志によって導かれて秩序が生まれてきているのだ。そんな当たり前、当たり前の不思議なことに、僕は無頓着になってしまうような日常を送っている。何かが存在していること、提供されていることに当然というように思ってしまう。今日は「在るものだけが在る」という名言、その奇跡をちょっとかみしめた。そして、消えゆく音の、その消え方までに自分たちの意志、思いがきちんと籠められている(職人芸というものなんだろう)音楽を味わえたこと、頭ではなく、感覚としてその丁寧さを少しは感じ取れた自分にほっとするような、とにかく気がつくと涙がちょっと出ていたような2時間ちょっとだった。すごく体をぎゅっとしながら聴いていたらしく、腹筋がつった。笑った。

先週末は、ビリージョエルのliveをテレビで見ていたら、あの名曲でいつの間にか泣いていた。グレイハウンドにも乗ったことはないし、ハドソン川だって、10分くらいしか眺めたことはない。だけれど、あの圧倒的なメジャーコードに(いや、メジャーな展開の曲ではないだろうけど、僕にとってはメジャーコードな曲なのだ)、まるで本当においしいショートケーキを食べたときのようにノックアウトされたのだった。今日は、そんなストレートな甘さの音楽ではなかった。そうではなかったけれど、なんというか、おいしいわさびのような、そういったちょっと一つくせのあるような音楽にも心底感動できる自分の状態は悪くない。偶然出来たかのように見せかけられた万華鏡をなんどもなんどもなんども覗いていたようなものだった。ああよかった。すごかった。ほんとうにすごかった。

| April 20, 2005 / いったりきたり

ゆっくりと大岡山へ向かう。ANOVAとlinear regression話面白い。途中コーヒーとパン、と言ういつもと違うこと(そう、違うって事が大事なんだ)を仕入れて石川台6号館へ。ちょうど大野さんと上野さんと出会った。10時からCOE解読班のinformalな発表会。いやぁ、なかなか面白かった。違う分野の話を聞かせてもらえるって良いね。本当に。fluid inclusionは、ま、僕は手を出さない方が良さそうだなぁ。大野さん、さすがD3だなぁ。

お昼すかさず抜けて、生協に統計や物理化学や、社会学の本を探しに行くがまともなものは見つからない。ああ。図書館に行ってもだめだ。お昼を食べ損ねて会場に戻ると吉田先生が黙々と仕事していらっしゃった。すごいな。ちょいと話をしていたら、あっという間に午後のセッション。小宮さんの話は、とっても身にしみた。そうですよ。そうですよ。きっちり見ないといけないですよ。因果関係をぼやかしてはいけないですよ。上野さんが「前の話と同じですよ」と言っていたけど、ちゃんと解析が進んでいてうなる。

なんだか、むちゃくちゃ色々と質問したかったんだけど、一言も口を開かなかった。へんなの。上野さんの発表が終わりかけた頃にすずかけに急いで戻る。鉄同位体聴けなかったのは残念だが。。

生協で残り物弁当を買って、遅いお昼を食べていたらすぐに専攻WG。

19:30過ぎにおわって、なんだかへろへろ。帰りながらCaraco and Coleを読み終える。ちょっと物足りない。というか、こちらも消化不良だろう。

明日は、戸張さんと鈴木さんと博士課程での計画を大まじめにちゃんと話をして、専攻のweb仕事をして、夕方は遊びに出かけます。なにがあっても17:00の時報とともに消えるのだ〜。明後日は北大苫小牧からこっちに潜伏中の村上さんと瀧本さんがわざわさなにかお話しをしに(?)来て下さるので楽しみ。StoichiometryとStable IsotopesとNetwork Theoryの融合は、果たして!?というか、食物網研究やったことないんですけど、、、ネットワーク理論も、聞きかじっているレベルにもいたっていないし、、まあいいや、はははー。

統計の輪読会(というか小規模のゼミ)は、ちゃんとやろう。ANOVAとLinear regressionの検出力の違いを考えた上で、実験計画を立てるとか、、non-linearな関係になった場合を考えて、それでも検出力をできるだけ維持できるようなサンプリングスキームとか。阿部くんの発表でコメントしたけど、欲しいデータは(誤解なきよう願いたいか)、狙って取るものだから。狙えないのは、勉強不足(例えば光−光合成曲線がどうなるかは勉強すれば分かる。分かれば予測がある程度出来る)、準備不足(自分の対象がどれだけのvariationを持つかは、予備調査が必要、もちろん文献からもだいぶ分かる)、そして考え不足(もしかしたら?という事をどこまで考えることが出来るか。1年に1回しかサンプリングできない事っていっぱいある。みすみす失敗するなんて、、とおもったら、ifをいっぱい考えて対応できるようにするはず)なんだよね。そんなこと和田先生にも言われたよな。確かに。

| April 19, 2005 / おめでとう!

朝、6:17の電車に乗ろうと玄関を出ようとするのだが、ちと頭が重いのでもう一度寝てしまう。すっきりした後、電車の中でPolisの本の中にあるCaraco and Coleの章を読む。 うーむ。昨日の帰りの電車の中で考えついたことなんて、すでにやられているんだろうなぁ、やっぱり。DeAngelis and Mulhollandの章を昨日読んだのだが、なんだか消化不良。

ええと、何をしましたっけ?永田CRESTの報告書をちょいと書いて(永田先生がほとんど書いて下さっていたので、こちらは1時間半程度の作文と図の作成ですみました)、専攻長と専攻websiteについての話を色々として、作業を始めたらやっぱり体がなんだか、、、(笑)。査読論文の審査レポートをセバスティアンに見てもらって(英語)、あらためて、「major revisionにしたいけど、色々考えるとminor revision」というようなあやふやな気持ちで書いた英語の怪しさを知る。久しぶりに生協で暖かいお昼を食べて(これだけで幸せ、、、)、生協の本屋で統計の本を覗くけど良いものがない。図書館にもない。うーむ。菊沢先生の「葉の寿命の生態学」を購入して阿部くんの机に。葉っぱの寿命について、色々と考えてみてくださーい。

吉田先生と藤井さんと博士での研究についてあれやこれや。その後そのまま輪読会。今日は田中さんのお祝いに、ピザ食べながら輪読する。おなかいっぱい。対象性、ちょっと分かった気がする。セバスティアンありがとう。これからの数頁は、本当にゆっくり、かみしめて、しっかり理解しないと、もう先はないと思ってね。Craigのすごさが身にしみて分かるまで。

終わった後、新入生の人々とちょっとだけお話し。「まぁ悩んだらいいよ」とは、某さんの談。

僕の大学院教育方針は

  • M1: まずは「これが面白そうでやってみたい」と言わせること。言わせて、実際にやらせてみること。失敗してもらうこと
  • M2: 「これが面白そうでやってみたい」というトピックに、「どういう意味があるの?」と考えてもらうこと。考えて、やってもらって、失敗してもらうこと(博士進学の人)。自分のやっていることの意味をとことん考えてもらう(そのための学会、論文、発表)
  • D1: 「これが面白そうでやってみたい」というトピックに、「自分の様々な研究の枠組みの中でのプライオリティを考えて」と提案すること、考えてやってもらって、しっかり結果を出してもらうこと。自分の研究と言うことをかみしめてもらうこと。 独立した研究者としての自覚を持ってもらうこと(そのための研究の拡大)。

いまやっている番組、むっちゃおもしろい!pH2切っているのに、シアノバクテリアが!!古代環境だって、十分生命活動可能なんじゃなかろうか。

最近思ったり考えたりしていることの一部(来週はどう思っているか)
ものを頼む方は、頼んだことがどの程度大変なことなのか、かなり無頓着なことがある − これについては気をつけすぎることはないな。その人のためになるのだと説明できないようなことを頼んではいけない。やっぱり。 「知らない」と言うことに対して、どこまで「悔しい」って思うかって、とっても人それぞれなんだ − というか、自分って、他の人とはだいぶ色々な部分で色々違うんだなぁ。 自分の経験や考えなんて、そう簡単に他人に当てはめて上手く行くわけはないんだけど、だからといって自分と全く違う考えに合わせる、というかそういう考えに従って行動することなんて難しい。ならば、とにかく頑張って自分の考えをぶつけてみて、頑張ってその反応に素直に対応しよう。だめなときにしっかり方向転換する勇気を。 なんて、当たり前のことをつらつらと。

| April 18, 2005 / 今週も実験できないのか、、、

ずっとhtmlファイルを仕事でいじっていたので、12日からは更新したくても(色々なことあったんだけど)体が拒絶反応を起こしておりました。

えーっと、今週は時間があるからサンプルのDiffusionに向けて頑張るぞ!って、ああ、全て予定が埋まってしまった。そんな、、、、

鞄の中には大量のお持ち帰り論文+本がありますが、とりあえず、この号は色々面白いですよ。ANOVAとlinear regressionとか、ハドソン川のDOC濃度はどうして増加し続けているのか?とか、川のネットワークとか、Ph.D studentの教育とか。。。って、雑誌そのものは僕の鞄の中でもみくちゃにされちゃってますけど。。

今週は、COEやら会議やら打ち合わせやら報告書やら物品購入やらで、、、たーすけてー。 ほんとにたすけて、、、

本当に実験したいよぅ。。。今日の阿部くんの発表には感動した。

| April 12, 2005 / うまく書けないなー

朝7:15頃、オフィスに向かう途中で朝帰りの眞壁さんにお会いする。「夜中にみんなでサッカーやってましたよ、えへへ」。北からの客人は、吉田研の何かを刺激したのだろうか。ちゃんと三橋には連絡したんだろねぇ。

オフィスに行くと、北大川口くんが僕の寝袋を持って所在なさげにいらっしゃった。おはようございます。コーヒーをお入れして、色々とお話しをお伺いする。とにかくがんばるよーに!

専攻のwebpageをちまちまと。並行してモンゴルでの計画について高津さんと色々と情報交換というか妄想交換。真壁さんにもccをつけて、いつか議論に参加してもらうことを念頭に。眞壁さんの研究だからね。亜硝酸やらアセチレンブロックやら、あれやこれや宮島さんや小山さんや色々な方と情報交換(いや、本当に妄想交換だ)。

専攻のwebpageをちまちまちまちま、、、、、吐き気がしてくる。んが、業者さんが来たり、電話が結構鳴ったり、あれやこれやしているとあっという間に時間は経っていってしまう。実験したい。。。COEのTA、良かったですね。みなさん。さぁ、学振ですよ。次は。

コンピューター本は佳境に入ってきた。ようやく「社会生物学論争史」に取りかかれそう。楽しみ。昨日生協でお金がなくて買うことが出来なかった「海と湖の化学」が、売り切れてた!誰が買ったんだ!と、阿部をつついてみるが、やつじゃなかった。。。だれだ、だれなんだ。。代わりに、出ていた「大気・水圏の地球化学」を購入。

輪読会と新入生に提案するテーマを。。。

【私信って変だな。このwebsiteは私信以外ないもの】
8日にメイルを頂いてから、色々と上手いこと返事を書こうと思っていたのですが、うまく書けずにもう12日になってしまいました。すみません。こんな事はあまりないのですが、、緊張しているのでしょうか(笑)。はい。確かに僕はちょいと背が高いです(声もでかいです)。僕もお話を聞こうと会場をうろちょろしたのですが、、、、。

教員とPD、PDと学生さん、、研究室には色々な立場の人がいて、考えることの可能な時間のスパンも、生活の幅も、金銭的な側面も、本当に違いますよね。考え方が違って、立ち位置が違って当然だと思うのです。問題は、お互いがお互い、それぞれの場所で頑張っているんだという、信頼をどう作って行くかだと思います。信頼関係を作るためには、まずは自分が頑張らないといけない、としみじみ思うのですが、一方で、さて、学生さんに対して、どう頑張ったら良いんだろう、と毎日思います。

僕は、教員として、その悩みの一環として、ここの文章を書いています。それ以外の立場はあり得ないのも分かってきました。吉田研の学生さんや、他の大学で一緒にやってくれている学生さん、そして、まだ電子的にしかお会いしたことない人、そして連絡すら取り合ったことのない人に向けて、「僕らがやっている研究って、そんなに楽じゃないけど、でも、楽しいこともいっぱいあるし、なんとか頑張りませんか?!」と、励ますために書いています。その営みが一体なんのためかと言われると、励ますことが、僕の考える、教員のすべき事、であり、そのことが非常に難しいことであるからです。そして、僕が学生の頃に言って欲しかったようなことを、なんとか思い出しながら今言っておきたい、という、何かせっぱ詰まった思いがあることも事実です。僕は指導教官にも同僚にも大変恵まれてきましたが、その中でも気づかなかったことはいっぱいありましたから。

htmlで書く、という難しさを感じていますが、一方でこういうやり方で、自分の能力不足を少しでも補填できないだろうかと考えていて、必死に毎日練習と称して書いては見るものの、励ますって、まずこっちの精神状態の問題があって、そこからして簡単じゃないなぁ、と。そして、どうやったら、上手く励ますことが出来るんだろう、って考え始めると、あっという間に眠る時間がなくなってしまいます。後で読み返すと、全くくだらないことばかり書いているんですけどね。。だから、そちらの研究室で、学生さんが何の因果かここを読んで、励みになった、なんて事が本当にあれば、それは本当に嬉しいことです。書いたって、伝わるかどうかは別の話で、そこまで期待するのは筋違いですから、有り難いことなんですよね。本当に。

なんのこっちゃさっぱり分からなくなってきましたが、少し経って落ち着いたら、今度は教員としての覚書がスタートしてくれると嬉しいなぁ、と切に願っています。未だに、消えたindexファイルをクリックしていたりしますので(笑)。そして、今後必ずご一緒する機会があると思いますので(こういうことは、念じたら叶いますから)、その時は是非よろしくお願い致します。

| April 11, 2005 / さむいっ!

朝7:30に入り口が開くのをG2の1Fで缶コーヒーすすりながら待っていたら、ぐらぐらってきた。「体調悪いのかなぁ」と思ったらやっぱり地震だった。よかった。

とにかく、机のまわりを片づける。書類書きをいくつか。吉田研のみんなに、木庭の本を借りるときに登録してもらうようお願いする。すぐにみんな登録してくれて有り難い。専攻webpageをちまちま改訂。うー。しんどい。

京大の小山さんから、僕と同じく京産大での非常勤を始めたとのこと。さすが小山先生、黒山の人だかりで、教室の定員2倍も学生が集まってしまったそうな。すげー!(そんなんじゃありません、キー、って言われそう、、、)。

郵便物が届いていない、小包が届いていない、とか。うーむ。なぜなんだ。。三橋さんにいつもながら色々と助けてもらう。サーバーのメンテナンス途中でゼミの時間。今日の発表は、卒論、修論でやってきたことの紹介だったのだが、非常に面白かった。

色々やらなあかんことがあって、北大の川口くんが来ていたけど、今日の飲み会は欠席してしまった。すみません。メイルの返事もちゃんと書きたいメイルはかけてません。すんませんー。

今日の電車内論文:渓流水の硝酸濃度は、森林から出てくる量が減ったのか、それともin-stream processが何か変化したのか?に対する、圧倒的なreview。

| April 10, 2005 / さよならだけが人生だ

東京はどこも桜満開。どこもすごい人。桜の散りっぷりはなかなか見事だ。

COEのRA応募書類原稿が次々と3人から送られてくる。携帯でコメントを返しつつ、休日を過ごす。学振は、頼むからこういう事がないようにお願いしますね(笑:いや、笑い事じゃなく)。携帯では、文章全体のトーンなど、分からなくなることが多すぎる。これはお互い不幸だから。僕は休日には仕事しないしね。本来。だからこそ遠い所に住んでいるわけで。

申請書の書き方って、もちろんある訳じゃないよね。でも、コメントするときには、僕なりの考えをつけてコメントするようにしている。正しいか間違っているかは、申請者の判断だ。そこをきちんと丁寧にずっと言い続けるには、携帯は全く適していない。僕が最も気を遣いたいところがきちんと使える環境でないと、全力が出せないのだ。それは僕にとって全く不幸だし、多分僕を使ってくれる学生さんにとっても不幸だ。バカとはさみは使いよう。書類書き頑張れよ〜。上手くコメントできていると良いけれど、、、かなり心配。

週末色々とつらつら考えてみたけれど、天気があまりによいので、あちこち出かけていたら、すっかり考えることがあほらしくなった。いい休日だ。欲しいものを手に入れることが出来たので、ご機嫌です。職人魂のこもった、しっかりしたものって、いいなぁ。なんにせよ。

| April 9, 2005 / 僕らは希望で、希望のために、生きている

東京は桜満開。至る所に人と桜があふれている。ソメイヨシノはやっぱりちょっと品が足りないとはいえ、やっぱり暖かさを実感させる。

希望格差社会」をついに読み終わる。つらいよぅ、と思いながらじわじわと読み進めた本だった。僕の取ってきた戦略は、間違いだったかもしれないと背筋を寒くしながら読み進めた。僕が野暮なことを書くよりも、リンク先を読んでもらえば、色々と分かる。「ウェブログの心理学」も読了。「14歳からの哲学」(ついに池田晶子に戻ってくる日が来た)、「文字のデザインを読む」(タイポグラフィにはやっぱり興味があって、、GroovisionしかりECMのジャケットしかり)、「SYNC」(外せないでしょ)、「環境ホルモン」(途中で止まってる)、「考える脳、考えるコンピューター」、そして買い占めてしまった内田樹氏の著作たちが、「私を読め!」とお待ちかね。最後のコンピューター本からかなぁ。

色々考えたけど、今日の日はさようならぁ〜。

全部見ちゃいましたよ。Thinkpad使いなんですよ。わたし。高橋メソッドいいかもしれない。昨日書いた「完結にものを伝えること」にも繋がるかも。以上某有名サイトからの情報でした。 

| April 8, 2005 / つらつらと色々考えるのだ

色々と考えるところはある。この頃かなり高い頻度で頭の中に浮かぶのは、

  • 無い物ねだりを僕らはよくしてしまう存在なのだ
  • 過去を僕らは思い切り飾り立ててしまう存在なのだ
  • やっぱり「内部観測」は難しいのだ(内部観測と言う言葉を誤用しているが)
  • 僕にはやっぱり譲れないことがあるらしい。ものすごく頑固だ。
  • その頑固さで身を滅ぼしても、仕方ないと、かなり真剣に思い始めたらしい
  • 「武士は食わねど高楊枝」

ということだ。このwebsiteは、教育職に生き残ったとしたら、偉そうなことを言う前に、検索してみて、やっぱり自分の過去は、結構おまぬけだったと確認するのに使えるだろう。htmlがずっと保存されていると思うと怖いけど。。。。

朝早くから専攻会議の資料作りなどでばたばたしているところに、色々とトラブルが入って、須藤先生にまでご迷惑をおかけしてしまう。ごめんなさい。吉田先生が心配してくれるくらい、専攻での仕事が急増する。「助手に」「TAに」とみんなは言うが、僕はそういうのが嫌いだ。「学生にやらせたら」なんてめっそうもない。ある仕事の現状での重さと、その重さを分担するために使うエネルギーと、もっと学生さんのため、そして自分の研究のために使いたいエネルギーとを考えて、敢えて一人で受け止めちゃうことにする。自分をごまかしながら人に仕事を振るのであれば、その以前に、なぜその仕事のオファーの際に断らなかったのか、そこを反省することに、そこに自分の覚悟を再確認することにする。外部に文句を言い続ける人になんてなりたくない。そんな行為は自分の成長にならないから。ほとぼりが冷めて、TAを雇用できるようになれば、その時はお願いするけど、その頃にはその仕事が楽になっているはずであることを僕は知っているから(その分今がしんどいわけで)。

てなことで、4月は、すみません。はっきり言ってだめです。身動き取れません。どんな内容の仕事であれ、僕が責任を持って引き受けた仕事は、全てやりたい仕事なのです。そう意地でも言い続ける仕事なのです。学生の皆さん、すみません。僕がG5に姿を現さないときは、直接話が出来ないときです。それでもメイルは読んでますから、メイルを投げて下さい。逆にどんなに忙しそうな振りをしていても、僕がG5の203にいる間は、僕はあなた方のためにいます。僕が、どんなに苦しい思いをしても守りたいことの一つがそれです。あまり守りたいものももうないのだけれど、他には。そんな状況が分かっていたので、帰ろうと思ったけど、その前にドクターブースに行き、提出書類にコメントをしてから帰ってきた(つもり)。「学生さん」という存在は常にtop priorityにいるけれど、それは上位3位に常にいる、と言う感じだ。教員というのは、そんなに簡単な仕事ではないのだ。。。。そう。助手になったときも、そして、今講師になっているときも、「学生の頃は分からなかった」事がいーーっぱいある。僕は吉田先生がどれだけ大変か、学生のみんなよりずっと分かっているつもりだ(学生さんには分かるはずがない、と言いきるよ。そして分かる必要もないのだ)。そして、それでも、吉田先生の忙しさは、僕の想像を超えている事も承知している。

僕と一緒にやってくれてきている学生さんと僕とに共通した欠点がある。端的に意見を述べることが出来ないのだ。それは、僕自身にまず、大きな原因がある。時間を気にせずに、気後れせずに、お互いしゃべることを最も大切にしているからだ。そのことの弊害は、時間がない、忙しい人に対しても、いつまでもだらだらと話してしまうようなしゃべり方を身につけてしまうことだ。和田さんのある学生さんは、時間がない和田さんを如何に捕まえて、如何に話を聞いてもらうか、と必死で考えて、まず要点を端的にテンポ良く伝えること(5分以内)、議論したい点をきちんとまとめておき、分かりやすく最初に話すこと。一度逃げられたら、次に捕まえられるのは数ヶ月後だから、と言っていて、いたく感心した覚えがある。15秒のCMは、最初の3秒が命だというのと同じだ。

一方、僕のポリシーは、「気軽に色々と話すこと」から始まることが基本なので、時間がない人に分かってもらう、というようなストレスフルな状況は、作りたくないと思ってきたし、そのために必死で努力してきたつもりだ。それでも、ストレスフルであることが最近よく分かって、へこむというか反省しているのだが、一方でもうどうして良いか分からないなぁ、なんて思っていたりもする。それはともかく、「ぐわーって伸ばしていったらこのグラフどうなる?」とかいう「徳地語」(失礼!)を多用する僕が、そもそも端的に話を出来ないのだ。しかも、D3頃からこの方、研究について話し始めたらいくらでも話すようになってきてしまったから、(体力さえあれば三日三晩と言い放ったのはいつだったっけ?)、、、。上に上げた和田さんの学生さんとだって、丸一日ずっと議論し続けた覚えがある。しんどかったかもしれないね、ごめんなさい。。。頭脳明晰でない人と長話するって事だものね。。。

「こっちは時間がないんだから、もっと要点をまとめてもってこい!」なんて言うのは、職場で良く聞きそうな言葉だ。ごもっとも。でも、僕がいるのは教育の場で、僕の最も基本のポリシーは、教育には時間がかかるもの、かけるもの、であって、僕が最も危惧するのは、学生さんと僕とが、対等に近い立場で議論できなくなることだ。そのリスクは大きすぎる。たとえ自分の他の仕事が切迫しても、そのリスクは受け取れない。そこも、頑固さいっぱいで、苦笑いしてしまう。あほか。おれは。でも、時間と空間を区切ることで、リスクを引き受けなければならないときもある。今月はそうかもしれない。少なくとも、部屋にいるのに話しかけられない、なんてのはごめんだ。それが最低限のラインで、それはなんとしてもさけたい。それだったら、元々姿が見えない方がすっきりする、それだけのことだ。

しまった!「来週は更新なしかもしれません。G5にいなかったら、どこかで篭もって怪しい作業をしているんだな、と思って下さい」とだけ書こうと思ったのに!某さんからメイルが来て嬉しくって、せっかくだからここにぼやかした返事を書こうとPCを開いたのだが、全然違うことを書いてしまった。週末は、仕事しません。Linuxの勉強はちょっとします。美術館に行きます(むりかも)。全てを忘れます。でも、書類の提出が迫っている人はメイル下さい。瞬間ぱっと仕事モードになって、携帯で添削しますから。

| April 7, 2005 / 自分を超え続けなきゃならないんだっけ?

新入生の皆さん、昨日はお疲れ様でした!

昨日色々あったと思うのだが、花見しかもう覚えていない。あんなに帰るのを引き留められた飲み会も久しぶりだし、あんなに声がかれるまであれこれ話したのも久しぶりだし、あんなに色々言われたのも久しぶりで、いやぁ、楽しかったねぇ。新入生とほとんどしゃべれなかったのはごめんなさいです。話しながら、自分の事が良く分かったし、その分かったことは、自分で嬉しい面もあったけど、かなりへこむ面もあったなぁ。ああ、やっぱりそんな言葉が出てくるんだ、、って。僕はそう簡単に酔っぱらわないのでねぇ。。

生物と環境のことを勉強していると、生物って言うのは、とっても環境に影響されつつ、つらいところで頑張っているなぁ、と思うのですよ。ところが、実際には、生物は自分のまわりの環境を何とかして自分にとって良いように必死で変えているのが分かってきます。その必死さの途中、ふと見ると横でも必死に頑張っているやつがいて、それがいわゆる共生のようなメカニズムになって行くのだけれど、化学的な真偽の程度はさておき、生物←環境の一方的な関係では全くないんだよね。環境とは自ら創り出すものだ、そんな風にいつも教えられます。

僕らの環境だって全く同じで、僕らがそれぞれ出来ることはなんなのか?僕らがそれぞれ出来ることの違い(差ではない)を、しっかり認めた上で、じゃぁ、どうやって理想の姿を具体化して、そこに向かって進むのか。お互い言いたいことを言いつつ、こうあるべきじゃないの?と文句を言いつつ、でも、自分たちだってしっかりやらないとね、って感じがあって、ぼくは心底嬉しかったし、心底反省した。色々思ったことがあったし、みんなもあるだろうけど、また近いうちに飲みましょう。せっかく携帯買い換えて、写真撮っておこうと思ったのだが、写真撮る暇もないくらいみんなで激論だったね。あー色々書いておきたいけどやめとこう。また絶対近いうちに飲もうね(しつこいか)。あーいっぱい教わったことあるんだが、書けないなぁ。皆さん有り難う御座います。あ、ふっちゃんが「木庭さんをあと2年間使わせて頂きます」って言ってくれたのはとっても気に入った(彼はあと1年だけだけどさ)。

学振の書類日程が決まった。さあ、こっちとしては、みんなの期待通り、厳しくコメントをすることが出来るチャンスだ。お互い死ぬ気で頑張ろうではありませんか。僕は手を抜かないことだけは約束します。D1の人々、M2の人は、厳しい意見に対して、なんとか逃げずに頑張るだけの、踏ん張りが出来てきたと思うので、これからは、僕もギアを入れ替えようと思います。

日記を全然更新してくれない某Mくんから、D3の5月で博士号を習得できそうだと、素晴らしい連絡。すげー。すげーよー。DCからPDに振り替える学生さんは、ぼくの経験では初めてだ〜。すごいよ。ま、頑張ってるものね。静岡、みんなで楽しんできて下さい。ぼくはそのころモンゴルで下水と戦ってます。昨日の花見でもそうだけど、学生さんの集まりに顔を出すのって、やっぱりちょっと気が引ける(もうそういうお年頃なのだ)。お金のサポートを出来るだけしたら、「じゃっ!」って早めに切り上げた方が良いんじゃないかって思う。なのに、誘われると、しっかり嬉しいんだよね。おっさんになってきた感じがひしひしと。そのうち「若いもんのエキスが〜」と言い出すのだろうか。だから、なんというか、恥ずかしいから、そっと孫を見守るおじいちゃんのような感じで、学生さんが社会で活躍したり、研究者として育っていくのを見守っていたいなぁ、と思います。だからwebを更新しろと!(笑)。

時々、昔の学生さんから何の気なしに来るメイル(って変な表現だが)って嬉しいんだよね。

「教官は使うもの」と言い続けているからではありませんが、3日前、アメリカ微生物学会に入って、雑誌を全て購読してしまった。。何か乗りうつっていたのだとしか考えられないのだが、、、AEMの最新号に、Anammox関連の論文が4本もあって、こんなの半年も待ってられるか!と何回もやめた入会をだだだっとやってしまった。。これらの雑誌の最新論文たちは、僕に連絡してくれれば印刷するので、吉田研の人は一生懸命読んで頑張って下さい(まだactivateされてないのでしばしお待ちを)。半年も最新の現状を知らなかったら全く研究の方向性なんて見失ってしまう。僕らのようなすすみの遅い学問分野でも、妄想は光の速さであるべきだし、事実、鞄の中にある、とある書類を電車の中で読んでいたら、もうドキドキが止まらないのです。世界の色々なところで色々な人がすごい。そして、そのすごさがちょっとは分かるのが、とても嬉しい。

今日は早く帰ってドキドキします(当分ドキドキするけど)。あ、そうそう。今日朝に、三橋さんと色々しゃべったのも昨日の延長線の話で、とても嬉しかった。一昨日食物網についてちょっと書いたら、いくつかメイルを頂きました。ありがたいことです。勉強になります。

東大戦を振り返るつもりが、いつの間にか我々の4年間を振り返ることになっている、我が暴徒部94年卒なのだが、みんな色々なことを良く覚えている。いや、実際には覚えているところと覚えていないことがモザイクになっていて、薄く広く覚えている人間が多分いないのだろう。毎日台湾からメイルがやってくるのだが、毎回、あ!そんなこと合った合った、とか、それはちがう!とか、とにかくあんなに一生懸命、脳みそを筋肉にして(だから覚えていないのか)頑張ったことの多くは忘れているし、完璧に美化されている。怖いものだ。

| April 5, 2005 / じりじり

朝からCENTURY Modelを使ったC3、C4植生の変遷シミュレーションモデルについて調べつつ(なかなかない)、専攻のwebsiteをじりじり作る。肩が凝る。

学会での発表を終えて、そこで色々話したこと、交換した情報、考えたことなどをまとめて阿部くんが話しに来る。「今時間ありますか?」「ないよ」って笑って答えたら一瞬引きつった顔をしたので、反省してみる。いや、もう反省してないけど(笑)。関東人なんだからぁ〜、阿部くんたら。

「自分の引き出しをもっと増やさないといけない」と、きっちり悩んでいる阿部くんは、なかなか良い感じだと思う。そうそう。やらないと自分の仕事が完結しない、と言う項目はどんどん出てくる(逆に出てこない人はまずい)。いつも言っていることだけど、その項目は修士の間にありったけ増やして、博士課程では、そのうちの本当にいくつかをつぶせるだけ。多分、15個あったら、10個は全くだめで、2つはあと10年間くらいでなんとか芽が出そうで、2つはあと5年くらいで何とかなりそうで、1つくらいしか、きっちりと出来ることってないのかもしれない。その1つをどう選ぶか。それは、彼の言うように、将来どう言った方面で活躍したいか、にも関わってくる。
そして、仕事は完結しないのだ〜。ははは〜。それでも、少しずつ何か確かなものに近づいているはずだよ。たぶん。そんなもんさ。はは(身につまされる思い)。
環境というものが持つ多面性は、そのまま捉え方、扱い方の多面性にも繋がって、同じものをどの方向から、どんな手法で捉えるか、それは本当に様々だ。 是非苦しんで、自分のやり方、自分なりの世界とのつながり方(大げさだが)をつかみ始めて欲しいなぁ。レポートをもらい、明日までにコメントする約束をして、遅刻してお昼会議出席。

その後続けてcssをいじり続けたり。。。わかんないんだってば。。図書館に行って古い論文を複写したり。夕方は昨晩に続いて、同位体の輪読会。眞壁さん、おしい!もうちょっと怪しさを増せば、、、

阿部くんのレポートへのコメントを考えながら鈍行で帰宅。やっぱり、どのファクターがどれだけ重要か、というpriorityをそろそろ考えるべきかな。たとえ無理かもしれないことでも、やらないと全く議論が展開されないポイントというものは確かにある。一方で、「論文を書く」という観点からも自分のやるべき事をまとめることも必要だろう。そんなところかなぁ。帰ってきて決心をして、"The Biological Chemistry of the Elements: The Inorganic Chemistry of Life"を購入することに。Sterner&Elserを読んでいたら何度となく出てくるコンビの一番新しく、価格がお手ごろな本。阿部の話を完璧に理解してさらに先を読むにはかなり勉強しないといけないだろうから。

「鉄理論=地球と生命の奇跡」を読了(といっても後半は読まなくて良いから)。「考える脳考えるコンピューター」に移動。昨日の2冊ももちろん残っているけれど、気分転換もかねて並行して色々な本を読むことにする。読んでいて深刻になってくる本ばかりだと電車はつらい。

バーコードによるISBN読みとり、そしてwebからの情報収集、なんて素晴らしいんだ、このソフト!うれしくてぴっぴぴっぴバーコード読み込んでみたり。僕も動画を載せたいくらい!!蔵書リストは出来るけど、木庭の本棚から誰がどの本を持っていっているか、、ってどうしようかなぁ(生物圏では阿部くんがちゃちゃっとプログラム書いてくれて検索環境が整っていた)。って、vaioにこのソフトインストールして、借りる本のリストを別に作っておけば良いんだ!借りる人は木庭の近くのvaioでぴっぴと読み込んで、データベースに「藤井借りてます。20050405」と書いておいてもらえばいいものね!すばらしい!vaioのリストは「木庭から奪ってます」リストとしてしまえば良いんだ!すばらしーい(疲れてるんです、、、)。

問題は、いつ、あの本棚を整理するかだ。。。。きゅ、休日出勤かなぁ。。。はははは。。

東北大の加藤さんには応援メッセージは届いたようで(4/4)、学会後の「テンション高い(by阿部)状態」から上手く着地するには、こういったwebでのリンクというのが静的(?)な感じがして、良いかもしれないと思ったり(早速「ウェブログの心理学」の影響だ、、)。そこで書かれている、陸上生態系での外界からの養分供給(たとえばMarine-Derived Nutrient:MDN)についてはかなり論文が出ていますし(アラスカの鮭論文とか)、実際僕らも滋賀県のカワウでやってます。土壌と植物のC/N/Pについては保原さんの論文がもうさすがにそろそろPlant and Soilに印刷されると思います(ずっとin press)。 栄養塩供給者⇒植物、からさらに進んで、腐植連鎖(土壌動物)、さらには腐肉食性の大型動物まで同位体で追っかけられないか(そうするとspatialなnutritional heterogeneityをベースに動物の行動範囲などの査定まで踏み込める、つまりは異なる食物網間のつながりまで評価できる)と思っていて、琵琶湖博物館の亀田さんが中心となって色々な人がやってくれています。生食連鎖から腐植連鎖を経てまた生食連鎖へ、、、そのベースとなる同位体GISマップの結果は亀田さんが論文を投稿中です(んが、査読結果はどうなったんだろう!)。というか、カワウ研究に全然コミットできていない最近の僕はどうなってしまったんだ。まったく。。。と、自分たちの研究を宣伝しようと思って、どんどんくらーくなってきた。。。

【まったくの私信:誰に向かってと言うわけではありませんが】あきみちも毎日見ているのか!僕なんて大学と家から見ているぞ!某太郎くんが北朝鮮に大学3回生の時にすでに将軍さまの国に観光旅行に行っていたくだりを週末某websiteで読み、やっぱり彼はただ者じゃないと思いました。彼に紹介してもらった言語処理の本はまだ買っていないんだけど、生協で毎回手にとって、そのたびに、あの学年のことを思い出します。天才とはっきり言える人物なんて本当にいないけど、彼は天才だと思うなぁ。頑張って欲しいなぁ。彼にはもっと更新するように伝えて下さい。みんな今年からD3だよね?(短縮してなければ)。あ、ついでに秀才M村くんには、日記が去年の10月から止まってるぞ!としかってやってください、だれか。というか、あの学年のwebsiteよく知ってるなぁ、、ぼく。。

| April 4, 2005 / 新年度スタート

雨の月曜日。寒いですね。提出しておくべき書類を、全く忘れていて、あわてて作る。某website制作に取りかかれたのは11時頃。鈴木さんが学会が思ったよりもずっと面白かった、と言ってくれてほっとしたり。戸張くんに今日手に入れた2冊を含め、4冊程論文の書き方、と言う本を貸す。楽しみだ。論文の書き方、、と言う本を結構買いあさっているのだが、それは、コメントするときに、きちんとした理由をきちんとつけたいからなのだ。なんとなく、、では、コメントする方はともかく、コメントされる方はたまったもんじゃないだろうから。しかも「先生」だし、無視しにくかったりするだろうからね。

色々と忙しい。結局生協でご飯を座って食べることもままならず。あー。弁当じゃなくって、生協で食べたいなぁ。そういうレベルで戦っております。

website作りは、やっぱりちゃんと元からやらなきゃならないなぁ、まいったなぁ、、と言うところで時間切れ。不定期に行われる田中・眞壁・水野による輪読会に参加。D1の3名も、そして重鎮セバスティアンも参加してくれる。

田中先生のご講義が終わった後、自ら地雷をふんでしまい、分別関数とはほど遠い、遥か手前のところで紛糾する。楽しいねぇ。明日もやるとのこと。頑張りましょう。

温暖化の<発見>とは何か」を朝の電車でついに読み終えてしまったが、素晴らしい本だった。この本で参照されている(そしてさらに細かい)文献のリンクはここからたどることが出来るようになっています。なかなか先に進まないじれったさは、まさに、我々の研究のたどたどしさと似ているのか、と思い苦笑しながら読みました。必読です。

帰りは「ウェブログの心理学」と「希望格差社会」を交互に。「世界リスク社会論」を購入して読んでみよう。本当はまず「危険社会」を読むべきなんだろうな、けど、あ、高いなぁ。読めるかなぁ。。大岡山が近ければ、、、ああ、、図書館にあるのに、、、

| April 3, 2005 / 新年度に向けて?の雑感

教員になって6年半がたつ。これまでいろいろなことを考えてきたけれど、考えれば考えるほど混乱して、結局「ええい、ままよ」とやってきたこと(そして結果失敗しつづけてきたこと)が結構ある。

教員と学生さん、というように考える前に、人と人、と考えると、教員と学生さんの関係は、果たしてどこまで成立するのだろうか、なんて思ってみたり。年もずっと離れているし、立場も違う。立場が違うことの決定的な結末は、考えられる時間・空間(と言っていいのか)の違いであって、それは学生さんにはどうしようもないことだったりする。そういった思いがあって、「学生さんの味方にはもうなれない」と思ったことがあった。「味方には100%なれない」だったのだが、あえて、100%というのを取った言葉になったのを覚えている。味方というよりは、見方になれない、という印象で、どんなに学生さんのことを考えようとしても、他の要因がとってもたくさん入ってきて、どうしようもないことがいっぱいある、それが分かってきてしまった。それは悲しい決別だった。

また、自分が学生のことを振り返って「ああ、こんな環境であったことが、今の僕を支えているんだろうな」と思うこともいろいろ分かってきた。その中での「学生のやりたいことをやらせる」ということは、死守したいと思ってきた。しかし、一方では「やりたいことがみつからない」という学生に対して、どう対処していいのか分からないまま来てしまった。それで失敗もし続けてきている。それは受け入れなければならない。受け入れた上で、それでも意地を張って「学生の自主性に任せる」とあと2年間言い張り続けたいと思っているのです。大学院教員として活動していることのメリットは、僕にはそこにしかないとさえ最近思っているわけで。

自分の能力には、あきれてしまうほどの限界があって、一方で集まってきてくれる学生さんにはいろいろな嗜好性があって、自分の対応能力のなさに、とことん落ち込んだ時期が最初の頃あった。けれど、もうどうしようもない。こちらはこちらの嗜好性に基本をおいて教育してゆくしかないし、それが多分僕が発揮できる最大の能力につながっているはずだ、そして、合わない学生さんが出てくるのも仕方ないのだろう、と思いこむことにした。正しいとは思えないけれど、自分の能力と、自分に課せられた仕事のロードを考えた時に、最大のアウトプットを出すためには、自分が相手に対していちいち「異なる自分」で教育研究をしていたら全く間に合わないのだ。それも非常に悲しい決断だった。自分の能力の限界をいちいち受け入れなければならない瞬間の積み重ねは、やっぱり身にしみてしまう。そういった悲しい現実への思いは、たとえば生物圏情報の頃、教員のみなさんと飲んでいた時に(飲み会を開くのはいつも我々だった)、何となく共有されていたと今しみじみ感じるし、励まされていた、ありがたかったなぁ。でも失敗は失敗だ。能力の低さが緩和されたわけでもない。

僕のやり方、というか、僕と合わない人もいるだろう(そっちの方が多いのだと思う。合う人だらけの社会なんて気持ち悪い)。そういった時に何とか上手く違う方向に持ってゆきたい。学生さんは指導教員を選ぶことができるのだから。指導教員を変えることって、悪いことじゃない。むしろ自分のやりたいことが明確になったことの表れだろうから、僕はそういった状況があれば大歓迎なのだが。問題は、だらだらと進んでしまうことであって。

教員が学生さんを受け持つ、という瞬間は、重い。本当に重い。これからもずっと、どうしたものだろうか、と思いながら過ごしてゆくのだろう。ただ、結果なんて出やしない、いや、すでに出きってしまっていると思えているのはありがたいことだ。失敗をきちんと受け入れることの覚悟だけ毎年4月にきちんとして、後は思いっきり頑張るだけ、そんな新年度。

本年度もなにとぞよろしくお願いいたします。学生の皆さん、そして共同研究者の皆さん。

 

| April 2, 2005 / 学会終わってつらつらと考えてみたり

東北大の加藤さんが、ご自身の発表を評して「自己評価は甘めにつけても30点というところ」と感想を述べていらっしゃるので、反論しておこうかと(ここをご覧になることはないかと思いますけれども)。とてもおもしろかったです。30点なんてとんでもないです。ちょうどモデルの付近でEcological Stoichiometryが止まっている私としては、非常に頭が整理できた発表でした。発表資料をダウンロードさせて頂いて、勉強するつもりです。Tilmanのところは、確かに難しいですが(実際僕が分かっているとはいえないけれど、Tilman本の読み会に参加したことはよく覚えている)、それはそれとして先の話を聞くことができました。専門の方には当然のことなのかもしれないけれど、あそこまできちんと空間構造を組み込むのか、と感動しました。だって、湖沼なんて、土壌から見たらむちゃくちゃ平均化されたmediaですからねぇ。ああいった、CNRネタをきちんと聞けたのは何しろうれしかったです。feedbackのかかり方が、頭の中でぼんやりとではなく、ああいった形で図示化されて出てくると、非常にすっきりとできました。是非、占部さんを中心とした(なのかな?)東北大のレベルの高いstoichiometry研究をなさっている方々には、我々のような素人のために、あの本を訳して頂きたい。是非お願いしたいです。本当に。本当にお願いしたいです。

そういえば、「検定とモデル選択」を聞いて、おもしろかったといっていた眞壁さんが久保先生三中先生のwebsiteを見たことがないと言う衝撃的な発言をしていたので、ここに書いておきます。Rを使えるようになるセミナーをしましょう、なんて言ってきてくれないだろうか。R本は2冊とも僕の本棚にありますので、使ってみたい人は使ってみてください。札幌行きで聞けなかったご講演の内容はこちらからfollow-upできるようになっています。あのわかりやすい統計本(ピ?ク本と書くのがちょっと恥ずかしいので)の著者である粕谷先生の日記はこちらです。

学会の後は必ず竹中先生のここを見るようにしています。鈴木さん、眞壁さん、そして三橋さんも読んでみてください。もっと頑張ろうって気になりますよ。

そうそう、某さんから(匿名にする必要があるのかどうかは分からないけど)、最近行った海外調査について、興奮冷めやらず、というメイルをいただいてとてもうれしかった。現在はちょっと気が抜けちゃっている、とのことだけど、そりゃそうですよ。メリハリですから!。「わたしの研究に対する気持ちが完全に復活しました。やりたいこと思い出せました」というのを読んで(下線まで引いてみました)、なんだかこっちも飛び上がりたいくらいうれしかったです。是非時間を見つけてこっちに押しかけてきて、あなたの熱い思いを聞かせてください!というか、こっちから聞きに行きますね。いやぁ、うれしいです。こっちまで元気が出ます。

 

さて、このwebsiteですが、ずっと下の方を見るとアクセス解析がついています。無料のものなので、それほどきちんとしたことができるわけではないです(logは1ヶ月分しか残らない)が、つけています。解析しているのは、~koba以下の数頁で、いったいどんな人が、特に、どんな検索ワードでここまでたどり着いたのかを知っておきたいという理由からです。その心は、入学希望者にきちんと情報を与えて、多くの優秀な学生さんに来て頂きたいということからなのですが。

3/3から4/2までの数字を見てみると、(カウント数のほとんどがtoppageとここの数字ですが)約4000viewだったようです。昨年度はだいたい平均してずっとそれくらいです。ということは、1月に3500viewとして、1年で42000とか言う数字になってしまうのでしょうか。大変なことですね。ドメインを見てみると、kyoto-u.ac.jp、hokudai.ac.jp、と大学が多いのが目につきます。titech.ac.jpは4位で、最も読んで欲しい(読んでくださいなんて恥ずかしくていえるわけではないですが)、我ら東工大の皆さんはあまりお読みになられていないようです、、(プロキシの関係で本当は多分かなりアクセス多いと思いますが)、困りましたねぇ。また、リピーターの方がかなりいらっしゃるようです。ありがとうございます。

一方、期待していた検索ワードが、大しておもしろくないのです。「木庭啓介」や「木庭」、「koba」とかが多くて、たとえば、「安定同位体比」は1回しか引っかかってきていないのでした。あーあ。全然入学志望者対策になってない。。。

毎日欠かさず巡回していた、某さんの覚え書きが更新終了となった。とっても残念ですが、きちんと、お疲れ様でした、と言いたい気持ちです。といってもアクティブに研究を継続なされることには違いないでしょうから、websiteだけの問題なのですけれどね。でも、毎日巡回するサイトなんてあまりあるわけではないので、ちょっと寂しい。

一方で、自分のこのサイトについてもいろいろ考え続けている。ま、考えながらもう少し続けようとは思いますが。

机の上にまで積まれ始めてしまった蔵書をとにかく何とかしたい、少なくともリストだけでも持っていたいと言うことで、こちらのソフト導入を考えています。こんなすばらしいソフトがあるなんて、と感動して、勢い余ってバーコードリーダーも購入してしまいました(安いなぁ)。すでにあるPRTR用のリーダーを借用してもいいのでしょうが、自分自身の活動ですから自費で購入しました。8000円しないで買えるんだ。。

我が京大ボート部1994年卒業組での今の話題の一部は「成果主義」である。企業で頑張っているみんなの意見は非常におもしろいし、なにより深い。僕はやっぱり、どうにかして見えないものを見たいのだ、見えないものを頑張っている人を、何とか評価したいのだ、という、自分の根本がメイルをしながらありありと見えてきて、ちょっと背筋を伸ばした。そんな感じ。もう、あの東大戦から14年が経とうとしている。僕たちは何も変わっちゃいないのかもしれない。それはすばらしいことだ。まったく。未だに我々の最高記録は抜かれていない。抜かれるもんか。へんっだ。

スキマスイッチ、好きかも。あと一息

 

| April 1, 2005 / むっちゃてきとうです。

本年度もよろしくお願い致します。ほんまにおねがいいたします。あなただけがたよりです。

えっと、角皆・中川組のみなさん、声をかけてくださって有り難う御座いました(かなりへろへろ状態だったので、そらみみかと思いました)。本年度こそそちらに遊びに行きたいのでよろしくお願い致します。

森林水文ワークショップに参加してくださった大勢のみなさま、有り難う御座いました。

生態学会で鉄散布のプロジェクトの結果に興味を持った方は、「鉄理論=地球と生命の奇跡」が非常に詳しく書いてありますよ。それにしても鉄まきベンチャー企業なんてあるんですね。知らなかった。面白かったなぁ。津田先生の講演。

えっとえっと、今日は三橋さんの熱いトークを聴けて非常に元気が出ました。出たけどやっぱりかなりへとへとです。某君の論文をなんとか2日書けて読んでコメントしますね。急ぐなら急ぐと言いなさい!