Kei Koba's weblog in CER, Kyoto University ~ Are we on the right track ? ~

| Feb 26, 2006 / DNDCとDayCent

28日のプロジェクト報告会に向けてひたすら匍匐前進(後進?)

DNDCモデルについては、検索するといろいろ出てくるのに、DayCentについてはほとんど参考になるwebsiteがない(特に日本語)。何故だろう。DNDCについては筑波の研究所からスタートしていろいろな人がactiveにやっていることがおおきいんだろう。そして、windows上で動くのもおおきい。DNDCが動くと、楽しい。スクリーンセーバーにしたいくらい(SETIに似ているのか)。ただ、N2Oのreductionについての情報がないのだっけ?同位体計算に必要なちょっとしたところがoutputされないのがいたい。同じ事はDayCentでもPnET-CNでも同じなのだが。

うそだ。LiさんのJGR (2000) の解説を見れば、たとえば、硝化によるN2Oの生成は、0.0006 x Rn x Ft x wfpsとなっていて、Rnは硝化速度、Ftは温度の関数、wfpsは例の数字(outputで得られている)なので、N2O emissionにおいて、硝化由来は計算できる。

硝化で生成されたN2Oがさらにanaerobic balloonの中で"exchange"されて脱窒を受ける、というのがやっかいかもしれない。Table 2にballoonの大きさの計算式が出ている。これからバルーンの大きさを再計算しておく、、のはできそうだが、どうやってdiffusionが効いてくるんだろうか。

あれあれ?とにもかくにも、思い出を振り払ってしまえば、意外とDNDC良いのでは?codeをわざわざもらう必要はないのでは?

しかし、厳しく限られた時間の中で、本当にsimulation modelをいじっていることが僕のすべき事なのか?そんな気もするし、そうではない気もする。だいぶ分かってきたので、学生さんで興味がある人がいれば、十分論文になるところまで持ち上げられると思うが(去年の今頃はだめだった)、さてはて。

土壌における養分循環は、もちろん簡単ではない。窒素循環だけをやろうとしたって、微生物、植物、大気、水、様々な要素が互いに関係しあう、炭素、窒素、リン、水という最低4つの異なる世界から構成されている、壮大な劇場を相手にする必要がある。教科書を読むのは(敢えて)簡単だろう。論文だって。問題は、それらの渾然一体となっているものを、どう自分の中で「実感」として得られるかどうか。それにはsimulation modelを勉強するのが非常によいトレーニングになる(と思う)。その意味でも、学生さんには是非トライしてもらいたいのだが、見返りは多いと言うことは、つまり、それだけ大変だと言うことだ。その毒を飲もうとする人がいるかどうか。

京大の伊藤さん、尾坂さん、新井さんから立て続けにメイルが来てびびる。みなさんいろいろとありがとうございますです。そして頑張りましょう。

Joel on Software、むちゃくちゃおもしろかった。これからwebでもずっと読んでゆくつもり(今さらだけど)。

さて、プレゼンテーションの準備準備。

 

| Feb 24, 2006 / 匍匐前進

朝から植物サンプルの砕き。2002年7月12日、13日にSag River、Imnavait Creekで採取したPolygonum vistotaを砕く。Imnavait Creekでは、全てのプロットでサンプリングをすることが出来なかったらしい。PCの奥底にあったnoteで判明してほっとする。

お昼から秤量。小山さんとSarahと一緒にとってNRAを測定したMAT、MNTの植物が50サンプル(実際は49サンプル。MNTのCassiopeが1つ採れなかった)。秤量までたっぷり5時間以上かかってしまった。途中深澤君が砕きを習いに来てくれて良かった。セバスティアンにアルゼンチンタンゴ、ピアソラ以外誰を聴いたらいいのかそのうち教えてもらう約束。

その後、2Fでいろいろとお話。FCRCに戻り、サーバーをいじるが、断念。もうちょっと良いもの配布して欲しい。予算管理とか、大事なんだし。。

その後上野さんの車にご一緒させて頂き帰宅。なんだかむちゃくちゃ楽しかった。頭がかなり活性化された。同位体分別といっても、当たり前だが、kineticとequillibriumがあって(spelling?)、僕は平衡状態にあこがれるなぁ、なんて話し(でしたっけ?)。

本日のいろいろ勘違いについて。さらに間違っているかも。

嫌気的メタン酸化は、reverse-methanogenesisによってarchael methanotrophs(まだ単離されていない)によって起きる?とされていて(Hallam et al. 2004 Science)、 そのようなarchaeaは硫酸還元菌に囲まれるような状態でいる(Orphan et al. 2001 Science)。 メタン生成の逆反応によって、H2が生産されるの?それを使って硫酸還元?

硫酸還元の際に、硫黄と酸素の同位体比の変動の割合が、いろいろなのは、いろいろだから(は?)。Brunner et al. 2005 GCAにある。

ああ、お仕事お仕事、、

 

| Feb 23, 2006 / 走っています。が、

茨木のり子さんの訃報を知ったのは、昨日夜遅くだった。ものすごく大きなものを日本は失ってしまったのだと思った。ろうそくの火が消えるみたいにとても静かに。

Joel on Softwareを読み進んでいます。 今はそれだけが楽しみ。28日までは、とにかく頑張る。明日は小山さんの植物試料の秤量。頑張ろう。良いデータが出て、小山さんの論文に役立てると良いな。同位体は僕が何とか議論してみよう

 

| Feb 18, 2006 / 今年も完敗だった

まさにexhausted。みんなお疲れ様!日曜日から琵琶湖です。ふっちゃんの修論発表会、出席できずすまん。

とにもかくにも、なにもかも空っぽになってしまった今、止めどなくわいてくるよしなしごとの根本を整理しよう。その間に時間は容赦なく流れて、いろいろな思いをなだめてくれるだろうし。

今日はとにかく魂が戻ってくるのを待つ。久しぶりにliveplasmaにアクセスして、なんとか新しい音楽を探そうとしたり、コーヒーを入れたり。Craig Davidの3rdを聴いてみたり。まぁまぁか。でも鳥肌は立たないなぁ。うわ、Simply Redの"A song for you"泣ける!! でも、今日、Simply Redを買っちゃうところがだめなんだよな。もっと挑戦しないといけないのに。今夜には論文読みに戻れるかな?

人というのは、差分としてしか認識できないのかとうつむいてみたりする。くやしいなぁ。

28日のプロジェクト全体会議までは、とにかく走り続けないと。

 

| Feb 14, 2006 / 審査月間続く

午前中。大岡山にて論文を読み、地惑卒論発表会で深澤君の発表を聴き(おつかれ!よかったよ!)、終わると同時に飛んですずかけ台へ帰り、うにせんべいをもらった後、博士論文の審査。

終わって部屋に戻り、ケーキをいただいていると(ありがとう!うまかった!)、北大の川口君が "普通に" いて、みんな楽しそう。予算消化にむけていろいろと連絡など。今日は一足先に帰る。

電車待ちの間も論文にコメント。原科先生とご一緒になり、効用関数についてとか、大学の(あ、書けない)とか。青葉台で降りて、本屋で捜し物。1700円の本を買うが、内容は一般向けで、(本は厚いが)ちょっと薄すぎて、電車の中と帰ってきて小一時間で読了してしまう。ああ、もったいない買い物だったかも。頭を使いすぎているのか、疲れ果てて、さらに1時間ぼーっとする。ご飯を食べてお風呂に入って論文のコメント再開中。

昨日書いたメイルに返信あり。論文原稿は送ってくれるとのこと。有り難い!。

論文へのコメント、結局1文1文、ほとんど全ての文にコメントが入っている事に気づくが、そんなものだろう。出来が悪いから、ではなく、もっともっと出来を良くしたいので。手加減せずにコメントを全力で出来るのが何よりもうれしい。Ecosystem Function in Heterogeneous Landscapesを持ち帰ってきたので、riparian zoneにおける空間的異質性について、出来るだけ最新の使える知識をおさらいしたいが、今日は無理かな。

明日は、審査する修士論文を全ておさらいすると、いつの間にか1日が終わるだろう。合間を見て(合間はないけど)論文へのコメント継続。お昼に昼食会議。そして、おそらく修論の発表練習あり(というか、発表練習してくれないと、まずいよ!みんな)。早めにアナウンス頼むでござる。

みんなもう少しだ。がんばれ。と、自分にも言い聞かせる。

 

| Feb 13, 2006 / 審査月間

8:30から、博士論文審査。10:00から17時過ぎまで卒論+修論発表練習。その後も卒論発表練習。21時に家に戻り、論文にコメント作成中。僕の出来ることは限られているから、それを何とか必死でやろう。

頭が良いと言うことは、周りに気を遣うことが出来ると言うこと。だから頭が良くなりたいし、そのための努力をしたい。
自分の外部に基準を持つ人が多い。そういう基準があること、その基準について知った上で、自分の内から作られる基準に則して、自分の言葉で話をしてくれる人は少ない。それがつまらない。そんなことを考えながら電車に乗っていた。聴いているTOEICの教材、いい加減飽きてきた。

明日は朝、卒論発表会。がんばれ深澤!(ボン!)。午後博士論文審査、様々な成績提出などなど。図書館で論文を頼んだら、まだ出版されていないからキャンセル、というお知らせ。思い立って、著者にメイル。

 

| Feb 11, 2006 / workshopという言葉の誘惑

一応、昨日で博士論文、修士論文、卒業論文の提出が終わりました。同時にCOEのannual reportの提出、地球惑星合同大会の発表要旨の提出なども終わりました。ものすごい締め切りの数でした。自分の締め切りだけでもいっぱいいっぱいですが、学生さんの分もあるので、もう大変です。

今週末は何とか審査する論文を読み込み(他の研究室の学生さんのものがとりあえず先。4つ。さらに博士論文を2つ)、もうそれで終わりです。今日は藤村君の修論にコメントを付け加え、メタンボーイの論文にコメントをこの週末でなんとかつけて返送したいと思い頑張っているところです。さすがにちょっと息切れ。

修論の審査が終わるまでは、とにかく今頭にあるよしなしごとはがまんがまん。

今週、そんな中、始めてDayCentモデルが回りました。感動!しかし、モデル上では硝化由来のN2Oばかりで、脱窒由来のN2Oはほとんどありません。じゃぁ、意味ないじゃん。。。じゃん、とか言ってみました。とにかく物質循環と同位体をリンクするための一歩が始まったのは確かで思わず声をあげてしまいました。

一方、悲しい知らせとしては、某大学の公募に出していたものの、不採用通知が参りました。平均倍率から考えてみたら、あと1年の間に、30位の公募に出さないとまずいと言うことになるのですが、とはいえ、出せる公募というものはあまりないんですよね。ま、出しまくって落ちまくるのが公募なので、とにかく不採用通知を見て、自分の置かれている状況を再認識したということです。せめて面接にまでいけるように頑張らないと。。。でも、慣れていないわけではないけれど、落ちるとやっぱり悲しいですね。

そんなこともあり(?)、来週から(もっと後かも)、このページでは、僕のわけの分からないよしなしごとだけではなく、もっと役に立ちそうなことを情報発信しようと言うことで、出来るだけ論文についての紹介をしっかりやっていこうと思います。一応目標としては、1週間の間で、発表される様々な論文のうち、印刷して電車の中で読んだ論文について(できるだけNatureやScienceやPNAS以外の論文を)、または、Biogeochemistry、Isotope Ecology、Geochemistryをやってゆく上で、どうしても欠かせないと木庭の考える論文について、なるべく背景も含めて、B4ないしM1に分かってもらえるように書いてゆこうと思います。あと1年、とにかく続けられるようにしたいものです。松岡正剛さんの千夜千冊のようになればいいのですが、残念ながら紹介してゆく論文の著者にはほとんど面識がないであろう、ということがなんとも歯がゆいというか、おもしろくないというか。ま、研究室メンバーが読んでいることを祈りつつ、ぼちぼちやることにします。ということで更新頻度は反比例することに。

2月は本当に教員にとって地獄の毎日ですが、そんな中、「デザインの輪郭」を一気読みしました。やっぱり、日本のデザイナーはすごいと思うけれど、深澤直人さんは、僕の中で群を抜いて、なんというか別次元にいるという感を新たにしました。このアフォリズムにあふれた本の中で、デザイナーの集まって行うworkshopについての話があるのですが、すごい。いや、「張り」の話や、without thoughtという概念とか、本当にすごい。

芸術家のworkshopというのが、本来のworkshopの意味なんだろうと思う。読みながら、伝説のダイアン・アーバスのworkshopについて考えていたのだけれど、僕らがやるworkshopって、とっても、てぬるい。なまぬるい。彼らのまさにプロとプロが自分のプロの技術をぶつけ合って、圧倒的な優劣の差を見せつけられるような、そんなworkshopをやろうとしたら、僕らの世界ではどのような可能性があるのだろうか。

ふと、ある範囲のデータを持ってきて、そのデータからどのようなことを説明できるのか、というworkshopが浮かんだ。以前、留学中に大河内さんと、同じデータがあったら、MBLのPIだろうが、WHOIのPIだろうが、僕だろうが、そんなに違いがない結論が導けるかも、といった覚えがある。たいそう思い上がったものだ。そして、今は、そんなことはない、と言いきった上で、でも、同じところに行き着けるような努力はしているつもり、とだけ言うだろうけど。そういうworkshopを開いてみるのはどうだろう。輪読会だって、そういった観点から論文を読み込まないと、本当は身に付かないものだ。

前述の本より、多々あった印象的な言葉からひとつだけ

ピラミッドは頂点から組む
下から組み上げても、台形にしかならない場合があるから。

うげ!来週の日曜日は出張か!!

研究セミナーのご案内を挙げておきます。行きたかったなぁ、、、

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第43回 琵琶湖博物館特別研究セミナー
カワウの営巣が森林生態系に与える影響
-鳥類による物質輸送と環境改変作用-

 鳥類は、飛翔能力がありさまざまな環境を利用して生活することから、採食地から 営巣地、ねぐらへと物質を輸送したり、採食・営巣活動によって環境を大きく変化さ せたりします。本セミナーでは、カワウの営巣によって生じる森林の養分動態や生物相の変化について、琵琶湖のカワウ営巣地での研究成果を中心に紹介します。

日時:2006年3月1日(水)14:00-16:30
会場:琵琶湖博物館セミナー室
内容:保原達(酪農学園大学環境システム学部)
「カワウ営巣林における養分バランスの変化」
土生健一郎・溝田智俊(岩手大学農学部)
「鳥類が運ぶ窒素の土壌地球化学」
亀田佳代子(琵琶湖博物館)
「カワウの営巣が森林の甲虫群集に与える影響」

事前申込は不要です。多くの皆様のご来聴をお待ちしています。

<問い合わせ先>           
〒525-0001草津市下物町1091
滋賀県立琵琶湖博物館
TEL077-568-4811/FAX077-568-4850
亀田佳代子 (亀田さんのe-mail addressを知りたい方は木庭までご連絡ください)
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| Feb 5, 2006 / 分かってもらおうとする努力

おとといは、修論のあれやこれや相談に乗りつつ、ひたすらCOE報告書。とりあえずdraftは出来た。かな。

昨日は「生物時計はなぜリズムを刻むのか」を読了。最初の方は大型生物の話ばかりであまり興味が持てなかったのだが、中盤から、俄然おもしろくなってきた。シアノバクテリア、Synechococusの概日リズムが進化的適応の結果なのかどうか、という話からだいぶ身を乗り出して読み始めた。光合成は昼間、窒素固定は夜間というリズムを持つことが有利に働くという結果らしい(周期を持たない株は持っている株に負けたそうだ)。しかし、シアノバクテリアが出現した時代から現代まで、1日の長さはだいぶ変わっているような気もするのだが。また、イエローストーンの微生物について、日が昇るとDNAの合成を開始し、昼頃になると3-6時間ほどDNAの合成をお昼寝するという戦略で、日中の紫外線、DNA損傷を免れようとしているというのもなかなかおもしろい。ま、それよりも何よりも、1976年のバイキング火星探査で、14Cでラベルした栄養溶液を火星の土のサンプルにかけたら、ガスが発生して、しかもその放出量には変動があり、定常状態では変動に24.66時間の周期性があったというのが感動もの(この時間は、火星の太陽周期と有意差がない値だそうだ!!!)。すごい。後は、薬の服用にも、時間を考えることで効き目が全然違って来るという話(もちろん様々な代謝が1日のうちで様々な変化をしてゆくわけだがらもっともな話なのだが)。

今日はとにかく修士論文に対してコメント。1つ5時間くらいかかりそう?。見通し甘かったか。水野のを終わったら、次は深澤だな。原稿にコメントを書いていたのだけれど、少しでも早く渡さないといけないので、word上でコメントを書き込む。まっきっき。審査ということ、そして読んでもらう人のことを考えて、こう書きなさい!ということばかりなのだが、逆にそれに尽きると言うことか。ま、そうだよな。行間を読ませちゃいけないってことだよね。導入して誘導してゆくという点では、製品マニュアルと大して変わりはない。分かってもらうための努力というものが一体どういうものなのか、を是非考えてもらいたい。説明すること、分かってもらうこと、そのための努力、を考える絶好のチャンスだからなぁ。

紙の上の文章は、過剰にdefenceしてくれるわけではない。書いてあることが全て。みんな頑張って!

僕も、卒論の時は「日本語にしてから持ってこい」と言われてへこんだです。廣部と一緒に、うううーって。修論?博士論文?いやぁ、、はははは、、、おぼえていないなぁ、、、。

甥っ子に新しい言葉を教えたり、一緒にかけずり回ったり、論文に朝から晩までぶっ続けでコメントしたりで、もうへろへろでございます。

そうそう、ナム・ジュン・パイクさんの訃報をこちらで知りました。ショックです。NJPといえば、最初に知ったのは中学の頃、坂本龍一がNJPに捧げる曲を書いていたと知ってからでした。その後、2000年のカウントダウンでパフォーマンスしていたという記憶があります。ニューヨークに行ったとき、グッケンハイムで確かビデオアートを見て、おお!NJPだ!と一人感動した覚えもあります。東大出身だったのですね、知らなかった。ご冥福をお祈り致します。

 

| Feb 2, 2006 / 報告書に追われる夢を見る、、夢じゃなかった。。

えっと、27日ですか、27日は、午前中某さんと、博士論文の執筆内容についてのご相談。社会学における「機能集団」とか、結構熱く語ってしまう。だいぶ社会科学から離れてしまったので、なんというか、振れ戻しが激しいのがつらい。そのあと13時から深澤さんワールド。豊田さん、山田さん、深澤さん、木庭で、深澤データをあれやこれやと議論する。深澤君が自分なりのストーリーを作ってくれたので、どれだけ同位体がそれをサポートできるのか出来ないのか、の話に何とか帰着する。

人の時間は有限だから、自分が知りたいことをきっちり見定めて、そこにつながるように上手く(先生であっても)誘導しないといけない。社会に出たら当たり前のことを、学べるのは大学院の間だ。失敗しても良いから、とにかく失敗であろうが、成功であろうが、中途半端でなく自分に分からせるような結果を出さないといけない。そんなことをこのごろ良く思う。

ま、それはともかく、アンモニウム測定した甲斐があったよね!そんなこんなしていると北海道から試験監督のため訪れている保原大先生がいらっしゃる。ミーティングを挟んで、そそくさと飲みに出る。松井君をねぎらい、青葉台でおいしい魚をいただく。が、この時点で既に食欲がないしおかしかったのか。。。それはともかく、Toolikまた行きたいなぁ!!!!Fieldでつらい思い、そして絶え間ない妄想を共にした仲間が集まると、研究は部活と変わらない。

28日、29日と授業の準備と報告書数本、、だったのだが、熱は出るは頭痛はひどいは、もうなんだかわけの分からない週末。ああ。

30日。とにかく薬で何とか抑えて授業の準備。予算の〆、ゼミ。もちろん修論等々。31日、授業。N2O。藤原君がN2Oの現状を分かってくれれば、、という一心での授業でした。N2Oは週7日のうち、5日は「わからないよこんなもの!」と思い、2日は「結構いけるかも」と思う物質なのだ。そうなのだ?その後MATLAB講習会。山口先生、今回もありがとう。いきなり宿題難しくなった。山岸大先生と、Poppさんの意見に対して、あーだこーだ。結局もう好みかも、とか、付録にでも何とかして書いておこう、とか。

1日。どうにもこうにもこれはあきまへん、ということで思い切って休んでとある頭痛外来へ。頭痛専門のお医者さんなんて始めてでどきどきする。結局、いろいろ聞いては見たものの、それなりに聞きかじっている知識(ここで得た知識ばっかだが)をおさらいしたような感じ。それはそれとしてお守り用のお薬をもらって帰る。すずかけによって帰ろうか、と思ったのだが、薬の睡魔がものすごいもので、あきらめて家で泥のように眠る。結局20代でほとんどの人は偏頭痛から緊張型頭痛への移行を終えるらしいのだが、僕は今来たと言うことらしい。動脈硬化が進むと偏頭痛はなくなる(血管の拡張がなくなるから)というのはなるへそって感じ。しかし、先生、週に2度服薬って、大変だなぁ。本当にひどい頭痛を持っている人は大変だ。僕の友達でも、工事現場から転落しそうになった人がいるし。

本日。とにかく予算と、とにかくCOEの報告書に絞ることに。バイブルにしているのは、以前も紹介したけれど、HulthのMarine Chemistryの論文。 この中で、地球が出来てからこの方、様々な酸化状態を取る窒素化合物はどのような構成であったのか、についてまとめてある。Kastingの論文Falkowskiの論文をとにかくざっとおさらいして、何となくでもreportに書けるようにしないといけない。

一方、この論文、2005年の論文ではあるものの、既にupdateが必要な箇所もちらほらあって、特に、古細菌のammonia-oxidationの発見は、古いことの研究をやるときに窒素循環だって大事だよ、というために、チェックしておくべきだろう。FrancisのPNASKonnekeのNatureしか知らないのだけれど。他にもあるのかしら。

本も買ってしまっているようです(以前、3月までは買い控えるとか言っていたような気もするが)。三中さんのところから知った「藻類30億年の自然史」は今日注文。今週来た本は、有名なMoriyama's diaryから 「パラレルワールド」と(そろそろ宇宙論を読んでも良いインターバルだと思って)、「エコロジストのための経済学」(いや、これはもちろん専門ですし)、それと「スモールワールド ネットワークの構造とダイナミクス」(結構しっかりした本で良い感じ、、だといいな)。あとは、David Myroldの授業のpptを参考にさせてもらっていて、そこで紹介している情報をどうしても知りたくて、検索してもなかなか出てこなかったので、ええいままよと、授業で参考書として使っているらしい、"Principles and Applications of Soil Microbiology"を手に入れる(目次とamazon.comで中身をいろいろ見てよかったので)。この本、かなり良いかも。今日読むつもりだったけど、COEでは使わないので、とりあえず深澤君に渡す。C/Nがどうやってnitrificationやimmobilizationを制御するのか、これで分かるはず!洋書は2、3冊買ったけど、ま、紹介するまでは至らない。

ほなさいなら!レポートレポート、、って、学生さんと変わらないよね。書けないーって頭抱えてるし。

そうそう、昨日病院に行く行き帰りで、ようやく「文明崩壊」を読み始めたのだが、それもあってか、ま、昨今のニュースも手伝ってか、組織の死、というものをちょっと考えている。生態系は僕の何となく取り扱える組織の一つなんだけれど、必ず死を迎える。迎えているようだ。いや、そんな簡単では単純ではもちろんなくて、組織の死、というのをどうやって定義するのか?、そしてそれはすなわち組織の生を定義することに他ならないわけだけれど。。。昔、今神戸にいらっしゃる石井さんに、植物の死って、どう定義するんですか?(いや、実際には、植物はどうやって死んでゆくのか、ってなことを聞いたんじゃなかろうか。構造的な欠陥による死でかなりの部分説明できるのかしら、と思ったはず)と聞いたところ、そう簡単じゃないんだよね、、というお答えで、ああ、石井さんがそういうならそうなんだろう、と、ひどく印象に残っているのだが(サンタフェ研究所の人が、たしか木の高さがどう決まるかという論文も書いていた気がする)、とにかく、そんなことをつらつら考えながら電車に乗ってます。物質循環系の遷移とか、死とか。研究室という組織にも死なんてあるのかしら、とか。