Kei Koba's weblog in CER, Kyoto University ~ Are we on the right track ? ~

| November 30, 2008 : とにかくよみなさい

3年生のみなさん、そしてFさん。どうぞよろしく!ようこそ研究室へ!ばりばりやりますよ〜〜〜

地球温暖化の予測は「正しい」か? を読了しました。素晴らしい本です。第一線の研究者がどれだけ言葉を選んで、どれだけ謙虚に問題に当たっているか、よくわかります。不確実性の高い情報のみ与えられた状態で、文明としての決断を迫られている時代、どのように考えてゆけばいいか、考えるためのヒントがたくさん隠されています。

とにかくよみなさい。学生部屋においておきます。

 

| November 24, 2008 : 帰還したみたいです

えっと、木崎湖は、とにかく寒かったです。大雪でした。13時に堆積物をとり小屋へ。濾過など初めて、あれやこれやと頑張ったのですが、とにかく寒い。終わったのは19時過ぎ。雨がざーっと降ってきて、とにかく雨に降られなくてよかったよかった。雪になり始めたので早く帰ろうとかえってきたのはよかったですが。。。朝起きたら一面雪景色で、、、道路自体は大丈夫なのですが、50m北に上がるたびにどんどんと雪が多くなってゆく、、さすが大町。

結局いつもは20分くらいで終わる荷物の搬入に2時間かけておわりました。。。そのころにはなんとか道路も使えるようになっており、、、ああ、来月、だれか3年生、一緒に来ないかなぁ、、、木崎湖やりたいこと、ねたがたくさんあるのだけれど。。。来月は雪、どうなっているだろうか。。。とにかくお疲れ様!!

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ISSM、僕なりに頑張りました。N2Oの同位体比の話がわかる人が結構いてびっくり。Kevinがきているとはしらなんだ。Richardさんには初めてお会いできたけれどむちゃくちゃ嬉しい!後でメイルしよう。彼のやっているaquiferで、いったいどういうデータになるのか、単純に個人的にも興味があるし。。。って、first nameで書いても誰のことだか、、ってかんじでしょうけれど。

F先生が声をかけてくださって、もしかするとずっと懸念だった実験がスタートできるかもしれない!ああ、参加してよかったかも。これで、Mさんの研究にけりがつく、、、はず!M先生の研究については、そうですね、本当に研究計画の段階から話を始めないといけないようですね。

微生物の人々と、本気でタッグを組む、というのが、農工大に来てからのねらいだったのだけれど、そういう意味では、結構進み始めているかもしれない。結実するのはあと2年くらいかかりそうだけれど、、って、間に合うかしら?

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群集本とISSMに刺激されて、その結果、本代が10万円、、、必要投資必要投資っと、、、。思えばこのごろ洋書をチェックしていなかった。生協どころか郵便取りに行く暇も大学だとないから生協で注文することもなくなってきてしまった。生協で注文した本が1ヶ月くらいカウンターの棚におかれている状態。

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更新頻度がどんどん下がっていますが、忙しさではなく、モチベーションなのです。これまたむずかしい問題で。

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木崎湖で、Kさんの文献紹介について、いろいろ突っ込んでみたけれど、最低あれくらいやらないとダメだなぁ、、、どこまで論文を読み込むことができるのか、というのを感じ取ってもらわないといけないのだけれど、ゼミの形態ではそこまで深い議論になかなか持ってゆけない。むむ。どうしたものか。

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Kevinに、nitrite oxidizerはmixotrophだからねぇ、と言う話をされたのだけれど、そりゃわかるんだけれど、じゃ、何なのよ!って感じ(といって、まぁ、これを読んでいる人の誰がわかるのか、、と言うトピックなのだが、忘れないように書いておこう、、)。Teri BalserさんのCO2 vs Temp 話は面白かった、、ああいったsimpleな疑問設定が一番難しいのだけれど、、すばらしい。

 

| November 14, 2008 : 同位体を超えた議論をもっともっとしたいのです

IRMS、おそらくそろそろフィラメント切れます。みなさま、心の準備を、、、

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生態系と群集をむすぶ」という大変魅惑的なタイトル、そしてそのタイトル通り、大変面白そうな内容の本が出ています。前書きにもあるように、これまで、群集生態学と生態系生態学の接点がほとんど無かったように思えます。しかし、たとえば生態系生態学の立場からこの本をざっと眺めると、物質循環に言及しているものが大変多いのです。結局のところ「生態系機能」というものを扱う際に、どうしても物質のやりとりについて議論する必要があるからなのでしょう。ああ、早く読みたいのですが、いろいろありまして、、、ずっと鞄の中。ぱらぱらめくってどきどきしてるだけです。

個人的にも面識があったり、ずっと論文を読んであこがれていたり(僕よりもずっと若い人ばかりなのですが)いる人の、日本語の文章が読めるのは、大変ありがたいです。しかし、一方で、生態系生態学をやっている人間からのアプローチが足りないともおもいます。いけない。

たとえば、微生物群集と物質循環をつなげるときに、単純なつなげ方ではなく、群集生態学の中心課題を見据えてアプローチすることができるか?うーん。この本を読み会の材料にしようかしら。たとえ直接的に関係なくても、もっと広い視野から物質循環をとらえることができるようになってもらわないと困るのだよね、、、うちの学生さんたちには。わからなかったら、著者の先生にきてもらえばいいし。Mさんは台湾だから難しいかもしれないけれど。。。

このごろつらつらと眺めている群集っぽい論文としては、、

こんなところでしょうか。興味のある学生さんは是非手に取ってみてください。硝化だ脱窒だ、いうのと違う視点で物質循環を見ることができるようになると良いのですけれど。

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来週は木崎湖、そしてISSMです。

 

| November 13, 2008 : お作法

先月で、教員としての生活が10年目に入り、今月で、農工大にきて2年がすぎ、3年目に入りました。農工大に異動してきて2年が過ぎてしまったということよりも、これからの1年で10年の一区切りであるということが、いろいろ考えさせます。そして、当たり前のことなのですが、学生さんとの立場の差もだいぶ開いてきています。もう、以前目指していたものは、目指すものではないのでしょう。なにかしら転換が必要です。それもこれも、いろいろ考えていろいろ行動しなければならない、その危機感で一杯です。僕がここにいる意義を一瞬一瞬確認しなければ。

定期を更新。定期を更新するたびに、この定期が切れる半年後、僕はどこで何をやっているんだろうと思う。そう思い始めて5年がたったのか。ふむ。

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今日はなんだか時間が余った。こんなの久しぶり!で、本をいっぱい買って、読みながらゆっくりと鈍行で帰ってきた。このごろようやく本を読めるような状態に戻ってきて、レヴィ・ストロースを読んでいた。学生のときは読めなかった。視線の厳しさが素晴らしい。「悲しき熱帯II」の「一杯のラム」という節は、あまりに厳しくて、何度も行ったりきたり。この節は学生のときには難しくて、抽象的すぎてきっとわからなかったと思う。いま、一応、学問の世界に身を置いていて、その限界をひしひしと感じているから、その厳しさがわかった(ようなきになっているの)かもしれない。

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お作法の重要性を書いておこうと思ったのだけれど、既に何回も書いていることに気づき、おっちゃんが酔っぱらって管巻いているみたいなのでやめておきます。でも、まずは卒論諸君、そして修論諸君、はたまたD論の皆さん、ある意味単調かつどこに進んでゆくのかわからない執筆作業の中で、何かが見えないということと、何かがないと言うことは違います。お作法の中に、もっとわかりやすくいえば、バットの素振りの中に、何を見ることができるか。苦しいだけで何も見えてこないかもしれません。でも、それは間違いです。その間違いに気づくためには、それが間違いかもしれないとうっかり悟るためには、さらに頑張るしかありません。とことん苦しんでください。とことん矛盾しているように感じるでしょうから。でも、自覚的に苦しむことができるようになる、その苦しむ能力は努力のたまものです。その苦しみの中で得られたものしか確かではないし、そうやって得られたものしか、後輩には重みを持って伝えられないのかもしれません。

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学生の自主的な読み会、というのを最近耳にしていない。耳に入ってこないだけであればいいけれど。2月から本格的に微生物をやる前に、一人読み会でもするかなぁ、、、というか、微生物生態と物質循環研究を本気でリンクさせることを目的とした読み会を何か開くか。といっても教科書があるとは思えないけれど。読むとすると、たとえば、今日でたPNASのnanoSIMS論文とかだろうか。しかし、この間IFREEのTさんともちょっと話したけれど、もうちょっとやりようがあると思うんだなぁ。。。

とにかく同位体屋としては、週に5日は濃度のことを忘れないといけない。忘れられないなら同位体なんて止めた方が良いんだろう。

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「週に3日は~~と考えて、週に3日はXXと考えてる」と言う言い方をあえてよくする。「最終的な目標な何なの?」ともよく言っている。言い続けることでいつかわかってくれる日がきっと来ると思って。

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今日、文献紹介のときにいっていたのは、MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)です。文献を紹介するときにロジックツリーを使ったらもうちょっとみんなわかるのかしら、と思っていたので、今日のIくんの発表は僕としてはヒットでした。ただ、MECEかどうか、ってのをよく考え抜かないとね。

MECEに書くことを考えなければならないのに、ここの文章はできるだけわかりにくく書く努力をしているというのがなかなか本末転倒で。

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とにかく学生さんに文章を書かせなければならない(添削する能力が足りないことは、ここの駄文で明らかだけれど)。卒論・修論・D論の皆さんは、とにかくイントロを書いて持ってきてください。書けない、のであれば、それは勉強が足りないのです。勉強しましょう。勉強する対象があるうちは簡単です。勉強なさい。すればいいのです。とりあえず何かしらたたき台が書けるところまではいけます。

卒論で文章を書きまくってもらう時間を作るために、今年〜来年、こばと一緒に何かしら活動する4年生には、今月からエンジン全開で始動してもらおうと思ってます。そろそろ、3年目だし、ちょっとだけ本気で「スパルタ」モードに入ろうと思います。ちょっとだけだけどね。ほんのね。研究内容を発表する機会ももっともっと増やさないといけない。どうしたらいいだろうか。

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意外と評判のよい、写経コーナー

「しかしながら、文字と、進化の中で文字の果たした役割とについて我々が知っていることは、こうした見方を少しも正当化しないのである。人類の歴史のもっとも創造的な時期の一つは、農耕、動物の家畜化、その他の技術を生んだ新石器時代の到来期のうちに位置づけられる。そこに到達するためには、数千年のあいだ、人間の小さな集まりが、観察し、実験し、彼らの考察の結果を伝達することが必要だったのだ。この壮大な企ては、それが成功したことから明らかなように、的確に、中断されることなく進められたが、この頃には文字というものは、まだ知られていなかったのである。」(悲しき熱帯II、p202)

「文明の魅力は、文明がその上げ潮にのせて運んでくる澱に本来付着しているものだが、それでいてわれわれは、その潮を浄化せずにはいられないのである。」(悲しき熱帯II、p369)

「われわれを形作った諸々の規範からは、どこまで行っても逃れることはできないのだから、われわれの社会も含めて様々に異なる社会に一貫した見通しを与えようとする努力は、またしても、われわれの社会が他のすべての社会よりも優越していることを告白する、恥ずべき遣り口に過ぎなくなるのではなかろうか」(悲しき熱帯II、p371)

「ある文化を勢いのない、停滞的なものだ、と形容したくなったときには、それは私たちがその文化が何に本当の価値をおいているかを知らず、そのために動態を欠く状態に見えるのではないかと自問してみるべきでしょう。
  また逆に、私たちとは異なる基準をもつ彼らも、私たちの文化について同じような錯覚に陥っていないか、とも問うてみるべきでしょう。言い換えれば、互いに関心を引かないのは、単に互いに似たところがないからなのではないかと。」(レヴィ=ストロース講義、p173)

 

| November 5, 2008 : 3年生への緊急告知

よう・こば研へ配属希望の6名の方々、至急、こばまで(keikobaあっとまーくcc.tuat.ac.jp)、至急メイルアドレスをお知らせください!たのむ!!メイリングリストに加えるので!!!

そして、具体的にやりたいことが決まっている人(土壌微生物群集、エアロゾル、高山窒素、など)は、その情報も教えてくださいませ。卒論、今月から始めましょう!特に、微生物群集やりたい人いないかしら、、、

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いろいろあったんですが、ま、とにかく上記のみ。人間ドックいって、焼き肉食べようとしたらだめでまた焼き鳥食べて、亜硝酸がトラウマで、、、とにかく近いうちにまた!みんながんばれ!おっさんもがんばってます!