Kei Koba's weblog in CER, Kyoto University ~ Are we on the right track ? ~

| Dec 31, 2005 / 風呂掃除の後、塩素くさいままのおぼえがき

Google Desktopは、メイラーが対応していないのと、それほど今不便を感じていないので、使っていなかったのだが、今日(なぜ今日?)ふと、PDFのインデックス作って、検索サーバーとして使えるよな、と思い直し、今とりあえずX40のインデックスを作っているところ(検索効率を見たいので、、とはいえ、google兄さんだからなぁ)。

そうすると、namazuでサーバー、ではなく、とりあえず、LANの中だけでもファイルサーバーとして運用すればいいし、それは、多分、吉田研の誰でも出来るだろう(Win+Google Desktopで、重要なファイルは、共有のフォルダーにつっこんでおけばいいのだ。論文紹介の文献などについても)。で、調べたら、ここでとりあえずそんなことがやってくれていた。もしも、PDFのテキスト検索能力がEndnoteより高ければ、もうEndnoteを使うことはなくなるな。indexだけimportすればいいんだよね。全文検索になるはずだからなぁ。。

しかし、Google Earthにしても(Toolik Field Stationやアラスカの僕のplotはすでに登録済み)、Desktopにしても、personalizationにしても、Googlezonまでは、かなり早かったりするのかしら。おそろしい。。特にこのところ動きが激しいものなぁ。

 

| Dec 28, 2005 / 御用は収まるところまで

予算、、、年明けに三橋大明神にお伺いを立てて書類を、、、しかし何故あんなに三橋部屋は寒いのだ?

昨日忘れていましたが、京大永田研の金さんの論文がLimnology and Oceanographyに出ています。 論文の内容はとってもしっかりした重厚な内容で、とてもためになります。金さんの仕事っぷりはかっこいい。多分琵琶湖のことを考えるときにベースとなる論文だと思う、僕らの中で。

浄水器をつけ、少しは暮らせる状態になった。あべっちといろいろとお話。相談に来ているわけでも本当のところないだろうし、なんだか「お話」としか言えないのだけれど、良い感じ。途中いろいろなお客さんが来たけれど、うーん、これから"don't disturb"とか札をかけてみようか(笑)。

硝酸同位体systematicsについてまとめて、共同研究者に回してみようと思っていたのだが、結局だめだった。明日から家でゆっくりと頭を整理しつつやるしかないか。あきらめていたら、眞壁さんから難しい相談。堆積物中の窒素循環と超す意中の窒素循環のdecouplingって、どうなんだろうか。そうか、まずは濃度勾配か。

二人であーだこーだ言っていると、那須君から「ほんとうにやるんですか」とお伺いが来たので、いつも半額(なぜ?)のピザ屋に注文をお願いする。お酒も買ってきてくれると!(ササキングもありがとう!)。。。。あ、、、エレベーター、もう止まったね。ぼくら9Fだね。。

1Fまで取りに行ってくれたりお酒を買ってきてくれたりしたおかげで、922での初プチ宴会の開催とあいなりました。あっという間にピザがなくなってしまい、非常食のお菓子も全て提供し尽くしてしまったところで、「戦い」を早めに退散して帰ってきました。参加した皆さんありがとう!

年末年始は、いろいろやらないといけないですが、論文のコメント2本と、D論の下読みと、論文の査読1本と、来年の授業の予習と、集中して勉強しないといけない(結局全く進んでいない、立ち上げてすらない)モデルと、あああああ、、

今年を振り返ると、とってもふがいないので、今年度を3月末に振り返ることにして、それまで後3ヶ月間、もうちょっと良い1年にするために頑張らないと!ってな感じでございます。

「上司は思いつきでものを言う」を今さら読み始めて、ちょっと感動。このごろ「上司」に成ってしまった自分をひしひしと感じることが多いもので、、、。生協のおばちゃんが「就職活動ですか?」って聞いてきたのは、どういう意味があるんだろうか。。。深い。。。

皆さまよいお年をお迎えください。

 

| Dec 27, 2005 / スタンダード

すずかけ台キャンパス内で、吉田・木庭研究室はお引っ越しをいたしました。住所もG5-12からG1-26に木庭研は変更になっております。

それはそうと、昨日、片づけをしていてびっくりしたのは、9Fなのに、木の葉が舞っている!こんな高いところまで木の葉は飛んでくるのか!すごいねデトリタス。あんなに飛ぶなら、どこにでも有機物供給なんて可能だなあなんて思いながら見ていました。それも1枚だけじゃない。何枚も、何度も飛んでくるのを見た。昨日は、一生懸命書いてくれた期末報告書に何とかコメントをし終わって(求めるものは与えられる)、それでダウン。

今日は朝から一生懸命論文を読んで登校。ネットワークの調子が悪くて、DNSを変えたり、pingを打ちまくったりしていたら、あれ?直ってる?あれ?やっぱりおかしい?あれあれあれ??AGUのAuxiliary MaterialはFTPから入るより、HTML上から入った方が良いのかしら、それともただ単にネットワークの不調のせい?

昨日、いくつか、血湧き肉躍る(その結果、持ち帰る)論文があって(今は電車の中なので、帰ったらURLを検索して下にリストアップします)、その中でもやはりDanny Sigmanの論文を読んでいるところ。彼の論文のすごいところは(前にも書いたと思うけれど)、自分の出したデータで、どこまで新しい議論を展開できるのか、その限界に、果敢、大胆にかつ繊細に挑戦しているところ。自分のデータが必ず何かを語っているのだ、必ず語っている声を聴くことが出来るはずなのだ、という強い信念がひしひしと感じられる論文で、いつもすごく感銘を受ける(同様な論文はLars Hedinのものにも言えるのだが、この2人、両方ともPrincetonである。ということで、もちろん他にも僕らの分野で著名な科学者はいっぱいいるのだが、Beth WardやSimon Levinとか挙げ始めたら霧はないのだけれど、とにかく、プリンストン大学というところにものすごいあこがれがある)。僕は、やっぱりこの数年、そしてこれからも数年、こういった、しっかりした論文を書くための努力をしたい。

GBCはページ数が厳密に決まっているようで、いろいろな情報が本文からもれていて、そういった情報は、他のファイルとしてdownload出来るのだが、その中で、海水サンプルにおけるHClによる固定の、硝酸酸素窒素同位体測定に対する影響について、かなり詳細に書かれていた。すごい。こういった細かいところもちゃんとしっかり出来ているんだ。本当にすごい。亜硝酸が少ないことで影響が小さいのではないかという気がしているのだけれど。琵琶湖の硝酸について同じような解析を試してみたけれど、そう上手くはいかないみたいで、それはそれでうれしい。海と湖で、同じような解析ではつまらない(根本的なところまで下れば、もちろん本質的に同じなんだけれど)。

吉田研の文献を藤原君、那須君、佐々木君、眞壁さん、そして三橋さんと何とか書庫に入れ、たびたび部屋で休んでいたら、あっという間に17時だった。予算管理をしなきゃなぁ、と思い、大阪市立大から来たNH4 diffusionのサンプルを仕掛け、FCRCから戻ってくると、那須君と佐々木君がまだ部屋にいて、そこからだらだらだべる。

しかし、正直な話、今までの環境ではゆっくり学生さんとだらだらだべるのも、ちょっと難しい環境だったように思う。というか、今は前よりやりやすいという感じ。いろいろな研究室の学生さんが集まる大部屋というものもちろん良い点があるけれど、今は、おそらく反動で、吉田研として集結しつつある状態のメリットがいろいろ感じられてうれしい。

スタンダードというか、当たり前、というもの、その基準はどうやって作られるのか、その基準を、それこそ当たり前に高いものにするには、高いもので維持するにはどうすればよいのか。難しい。その「当たり前の空気」こそが、組織が作り出す最も重要で、最も貴重なものなんだけれど。ゼミにしても、修士論文にしても、日々の生活にしても、「当たり前」のことのレベルをどうやったら上げることが出来るのか。そればかり考える。自分自身の様々な事柄に対しても同じ事だ。

とにかく、学生さんが気軽に入ってきてくれて、気軽に話して、気軽に去ってゆく、そういった空間を、もう一度、作る努力をしてみようと思う。そして、「考えること」、「考えさせること」、「教えること」、「教わること」の「当たり前」を少しずつ調整しつつ、高いレベルのものにしてゆこうと思う。できるかな。出来なくても頑張ってみようと思う。

眞壁さんが、昨日水野さんが持ってきてくれたというシュークリームを持ってきてくれて、みんなでGoogle Earthを見ながら食べて、気づいたら21時半になっていた。いろいろな話が途中になってしまったので、明日荷物の搬入をとりあえず終えて、夕方ピザでも取って、部屋で飲みながら学生さんにくだを巻いてみようと思う。または巻かれてみようと思う。

今週買った本、アオコの消えた諏訪湖、液クロ武の巻、上司は思いつきでものを言う、DiamondのCollapse上下、R環境。

電車の中で書くのはなんだか変な感じでした。以下はとりあえず持ち帰っている論文たち。

明日はとにかく予算!

 

| Dec 21, 2005 / 忘年会続き

筑波に行って、すずかけに戻って研究室の忘年会。段ボール開けて、ボート部の同期と忘年会。今日はアカデミックハラスメントの講習を受けて、学生さんの話を聞いていたら、23時半だ。明日は京大に行って東京に戻って友人と忘年会。月曜日も専攻関係の忘年会。

G1は寒いです!

 

| Dec 17, 2005 / 久しぶりに家で机に向かってます

とけろ!(地学演習)頭の残っている書いておきたいことを、書きなぐっておきます。時間軸も空間軸もありません。いま、やっと、TERC用のプレゼンテーションは何とか作り上げたので!あ、でも、火曜日の授業の準備が、、、(だいたい、忘年会の次の日に授業、、みんな出席できるのか?)。

地惑演習。上野さん、松井君に本当にいろいろと頑張ってもらっちゃいました。本当にありがとうございました。そして参加してくれた学生さん達がとても意欲的だったので、とっても助かりました。27億年前の岩石を削りだし、酸でCaCO3を飛ばし、中和して、残った有機物を遠心分離で取り出して、乾燥(右の写真は上野さんが「攻めている」ところをみんなで固唾を飲んで見守っているところ)。それを秤量してEA-IRMSにかけると、あら不思議、こんがりと炭素安定同位体比が焼き上がって、おもしろい値でまた大声を上げて興奮。Knoll and Canfieldを今でも電車の中で眺めているのだけれど、ああ、おもしろいなぁ。とっても有意義な1週間でした。

演習のためにEA-IRMSを立ち上げたので、深澤君の堆肥NH4と、藤村君の水田土壌炭素と、眞壁さんのモンゴルNH4とを合間に測定した。そして、さらにマシンタイムが開いたので、せっかく出来たマシンタイムということで、うきうきと自分のアラスカサンプルを測定した。といっても、アラスカツンドラのNH4は超微量なので、IFREEのmode-Nanaで測定。今回は、全く試しで、diffusionをNaOHでさらに行い、いわゆる「amino sugar」の窒素安定同位体比を測定したことになる(Mulvaney and Khan 2001 SSSA)。

そうしたら、あれま、出たのだ。窒素が。しかもかなり。残念なことに、このサンプル、土壌の含水量を測定できていない(それどころじゃなかった、、というのは言い訳だ、、来年どうしても再チャレンジしないと)ので、何とも言えないのだけれど、NH4の数倍から数十倍の濃度がある。あれ?そんなものなの?と、自分の文献データベースを叩いてみると、amino sugarで引っ張れる文献は5本しかない。うむ、、、ま、この先は細かいのでまたいつか。

この"Food Web Visualizations"はすごいなぁ。Baird and Ulanowiczを見たら、感動してしまった。しかし、食物網というものを僕らは本当に扱うことが出来るのだろうか。そんなことも思っちゃう。ここに詳しい説明がありました。結局、食物網を扱えるための、いや、群集を扱えるだけの、確固としたデータが大事なんだけど、、ということで、村上さんが微生物でそのインベントリーを作らないと!といっているところにつながるんだろう。ツール、理論があったとしても、それを支えるデータがねぇ。

とある人をとあるところに推薦中で、異国の地でその人のreferenceと成ってもらいたい人に(なんじゃこりゃ)メイルで連絡を取ったら、いつものように(別件も含めて)優しい返事が来て、ちょっとうるっときた。僕はいろいろな人に、全く利他的に支えてもらっている。何とかして恩返ししないといけない。

ある文献がどうしても緊急に必要で、朝一番で日体大に行った。深沢の閑静な住宅街を抜けてゆくとあこがれの日体大。大学の印象って、その大学を卒業した知り合いに大きく影響されてしまうのだけれど、日体大は僕にとってその意味では最高の大学だ。スポーツを一生懸命やった時期を持っているものとして、日体大はまぶしい。ここには、シンプルな1軸で戦っている人たちがいる。どんなに言い訳をしても、どんな理由があっても、最後は数字となって、潔すぎるほどの簡潔な結果となって、自分の行動の結果が現れる。それがスポーツだ。小林秀雄の小品に「オリムピア」と「スポーツ」というとても美しい作品があるのだけれど、それを思い出しながら、一方で、評価だ成果だという言葉が、目的地も見えぬまま走り出している僕の周りの現状を思い、でも、それでもやっぱり、、などと考えながら足早に寒空の桜新町を後にした。

人間が一定の目的を定め、定められた方法と秩序とに従い、精神と肉体との完全な協力の下に、全努力を傾注し、そこにおのずから、個性の優劣がはっきりと現れ出てくる。しかも選手達は、定められた秩序や方法を、制約とは少しも感じていない。規則があることが楽しいのである。まず規約がなければ、自由な努力などすべてむなしいという難しい問題を、楽々と解いている。(小林秀雄「スポーツ」より)

世田谷のボロ市にいった。ある出店で、市場で問屋さんがしているような前掛け(こんなやつ)がたくさん出ていて、帰り道どうしても我慢できず、めぼしいものを物色し始めた。夢中になって探しているのはどうやら僕と、隣の外国のおねえさんだけらしい。こんなにデザイン的におもしろいのに、、、連れは珍妙な顔をしていたが一応参加してくれた。夢中になっている僕をじっと観察していた別のお姉さんが「やっぱりこれじゃないかしら」とつっこみを入れる。結局2枚買って、一枚「勉強」と書いている前掛けは、昨日の研究室引っ越しで使っていた。外国のお姉さんもなんだかうれしそうに買っていってた。昨日は腰が痛かったのでちょうど縛ると楽になった。

屋敷豪太このインタビューが結構おもしろい)というドラマーの音を、結局いつも拾ってきてしまう(つまり、あ、いいな、っていう曲にGOTAの名前が良く入っている)。でも、本当にいい。この1ヶ月は、毎朝、ああこの人のような仕事をしたいと思いながら通勤していた。それをどう具体化していったらいいのか、それをそろそろ10年スパンで考えてみるのも良いのかもしれない。

 

| Dec 16, 2005 / 遠いところから帰ってきつつあります

この1ヶ月でなんとなく心に引っかかっている言葉:

Confort isolates.
安寧は人を孤立化させる。
Solitude limits solidarity; solidarity corrupts solitude.
孤独は連帯を制限する、連帯は孤独を堕落させる
(スーザン・ソンタグ、木幡和枝訳)

を挙げて、1ヶ月の自分への備忘録とします。書けない日々、余白の方が自分にとっては雄弁だ。

昨日今日で、研究室の引っ越し、峠は越えました。みなさん、本当にご苦労さまでした。まだ当分メイルの返事は遅れます。緊急の場合は携帯のメイルに送ってください(メイルの転送は当分適いませんので)。あ、電話番号は5517から5203に替わりますが、当分まともな状態で電話を取ることは出来ないので、ま、あきらめましょう!ははははは、、

京大ボート部がずっと昔、アメリカのナショナルコーチを雇ったことがあった。そのコーチが

Thank you so much for your efforts in this week.

とcrewに言ったのが、新鮮に響いた、と練習日誌にあった(確かに日本語にしたときの響きは奇妙だから)。今週の吉田研のみんなにもこの言葉を捧げたいです。しかも、おそらくクーシックコーチと同じような気持ちで。

おひっこし、、人と人とが働くとき、自分の仕事の量と、相手の仕事の量を比べる、そんな環境はよくない。どうせ、相手は頑張っているんだから自分も頑張らないと、という環境があるべき環境だ。そんなことをしみじみと考え感じた1週間で、幸せだった。みんな本当にご苦労さまでした。

海外からローマ字でメイルが入った。なんだか感動してわけも分からず泣きそうだ。頑張った甲斐があったなぁ!!

月曜日忘年会なのだけれど、ずっと前から依頼をいただいていた筑波での研究会に参加しなければならないので、残念ながら欠席です(何とか戻ってみるけどね)。みんな楽しんできてね!